日本に生まれ育ち、日本産の物、所謂、国産を大事にするのはとても良い事だと思います。


他国に自慢したくなるほど、メイドインジャパンって優秀な良い製品が多いんだなあと思います。


食においても、近年は外国産のものにいろいろと問題が起きて、国産が一番だという方が多いでしょう。

食の偽装問題は、そういう消費者心理に付け込んだ恥ずかしい部類の犯罪だと思います。


小売店では、産地を明記するのは当然、最近では生産者の氏名や顔写真まで披露してお客さんに安全と自信をアピールしています。


日本人はブランドに弱いし、そういうものを買える自分が好きですから食の世界もブランド化が進む一方です。


それが生産者などの関係者にとって歓迎すべき傾向かどうかは良し悪しだと思いますが、気になるのは、神経質で無知な消費者が間違った方向に行くケースです。


売る側が良心的な人間ばかりではないので、簡単にだまされてしまうのがブランド名に弱い、無知な消費者です。


たとえば、今大人気のマンゴーは、宮崎産だと、1玉数千円、1万円するのも珍しくありません。

さすがに、高級品には糖度など厳しい審査基準をクリアしたものに限られますが、そもそもは、紳助がテレビで石垣島のマンゴを紹介して、ブームはどんどん加熱しました、

その後の東国原知事人気で益々有名になって今に至っています。


昔から千疋屋などの高級フルーツは有名ですが、正直言って、3000円のマンゴーと10000円のマンゴーを食べ比べても当てられる人は半々でしょう。


過去何度と無く、そういうテストをテレビで見ましたが、超高級品とちょっと高級品の区別が完全に付く人などこの世にほとんどいません。


ただ、贈答品として自分が食べるものでは無いが、お世話になった人においしいものを差し上げたいという心理にこたえるために、超高級食材は必要なんでしょう。


よく考えてみると、海には国境など無いでしょう。

有名な関サバ、関アジにしても、同じ海峡(豊予水道)で獲った魚を持ち帰る港が大分県の佐賀関なら高級な関サバになりますし、四国側に持ち帰ると岬サバになり値段が安くなります。


国産も外国産も見ても食べても区別できません。

買うときに値が高いほうがおいしいというのは正解とは限りません。

100g 5000円と 100g 20000円の違いは味の違いではないと思います。

中身が全く同じかもしれません。流通が1つ余分で高いかもしれません。

中身は同じで、高級品は外箱や包装紙だけ変えてるかもしれません。


ごちゃごちゃと屁理屈を並べてしまいましたが、私が好きなのはやっぱり、手作りでおいしくて安いものなんです。

だから、他においしいものが無ければ、お取り寄せの調味料などは使います。

フィリピンでラーメン屋をやるにしてもそうです。


日本でしか手に入らないものなら取り寄せて使い、それをアピールして「いいもの使ってますよー」 とか「おいしい安全な食材にこだわってまーす。」

とか、うんちくを店内に書いたりは、すると思います。


米や醤油、塩、味噌は日本のものを使うでしょう。まちがいなく。

それらは、日持ちするし、船で運ぶのにも何の問題も無いからです。


それでも原料の多くはできる限り、フィリピン産で使えるものを使って、日本で食べてるラーメンよりもおいしいと言われるようなものを作りたいと思っています。

業務用食品を必要としない私なら、きっとできると思います。

そこには挑戦しがいのある夢が広がります。


何より、日本のラーメン店で全て国産材料を使ってる店など聞いたことがありません。

麺の材料の小麦なんて86%は輸入品です。

ガチンコというテレビに出ていたラーメンの世界では有名な、佐野さんともお会いしたことがありますが、もちろん外国産の材料も使っていました。


卵など鮮度が大事なものを日本から船便で取り寄せて古いのを使いながら、「日本の卵ですよ。安心ですよ。」

なんてアピールする経営者には、なりたくないと思います。

飛行機で取り寄せて売るなら、鮮度もいいし、問題ないと思います。


高級志向で行くなら別ですが、私は大衆料理のラーメン屋を目指していますし、フィリピンでは当然、現地でおいしい肉や卵を探してそれを使います。 プロですから。


たとえば、マカティまでシュークリームを食べに行ったのに、食べる前に、日本産かどうかわからないから、という理由で食べないで帰るような人は、かわいそうな感じがします。

現実にはそんな人はごく少ないとは思いますが、食べないで帰った人のアドバイスまで聞いてたらきりがありません。