5月1日、映画の日ということで、近所の映画館に妻と行きました。
半額というのと、GWで休みの人もいるのかほぼ満席でした。
自宅で座席をWeb予約してから行きました。
初めてでしたがずいぶん便利だと思いました。
見た映画は、アカデミー賞で作品賞をはじめ8部門も受賞した「スラムドッグ・ミリオネア」です。
前評判が高いので期待して見ました。
無名の子役達の演技に吸い込まれてハラハラドキドキするシーンもあり、確かにいい映画だと思いました。
インドのスラム街の規模やその中の暮らし、特に子供達が受けている苦難、それを食い物にする大人がきちんと描かれていました。
現実に過酷でチャンスのほとんど無い人生を送っている子供達はフィリピンでも大勢います。
アカデミー賞のことは良く知りませんが、偏った評価をすることが多いと思いますし、受けやすいテーマや役者がいると思います。
結構好きなレオナルド・ディカプリオは出演作が作品賞を取り、主演男優賞にノミネートされても絶対獲れないし、何度も受賞できる人もいます。
スラムドッグ・・・では、日本でおなじみのクイズミリオネアのインド版という設定なのですごくわかりやすく、
筋書きは単純でもなかなか魅せてくれます。
この映画の成功で光と影があるようです。
子役の出演料が少ないと親からクレームが付きましたが、製作側はあらかじめ考えていて、全て親が使ってしまうことを危惧して、平均インド人の年収3倍の額を渡し、後はファンドを組んで、貧乏しない程度の暮らしを補償して、18歳になってから10万ポンド(1300万円くらい)を渡すなど
誘拐や略奪の標的にならないようにも考えているようです。
また、少女役の親はアラブの富豪に扮した記者に、養子縁組を装った娘の売買を持ちかけるなど、貧困から来る問題の多さや現実に言葉を失います。
何もしていない自分が文句を言える筋合いではないのですが、今回の映画の成功で、インドの子供に寄付した資金は7400万円だそうです。
その金額が多いか少ないかといわれると返答が難しいですが、「私たちはインドの子供達のために寄付します。」と、わざわざ公表するならハリウッドスターが1本の作品で受け取るようなギャラと同じくらい寄付して欲しいと思いました。
制作費が、最近の超大作と比べると10分の1にも満たないくらいなんだから、全世界でヒットしたならそれくらいできそうに思えてしまいます。
ドキッとしたのは作中の会話で、「インドは世界の中心」というのがありました。
10億を超える人が住み、IT超大国になったインドは日本なんか目じゃない位の成長を遂げているかのようでした。
そう思っている人が10億人以上いると、それは、ウソではなくなります。
日本がアジアの平均的な国になる日が来るのでしょうか?
なんか怖いセリフでした。
PG-12 として、保護者同伴で無いと子供は、本作品を見れません。
子供に見せたいのは雄大な大自然や、かわいい子犬の映画かもしれませんが、それは小さいときに見せて、中学生くらいになり、分別が付いてきたなら、こういう映画を見せたいと思いました。
泣き虫の私がなぜか泣かなかった本作ですが、公式サイトを見てぜひ劇場に出かけましょう。