イラクを電撃訪問したブッシュ大統領がイラク人記者から靴を投げつけられました。

ブッシュ大統領は年の割りに素早い身のこなしで、とっさに交わして靴に当たらずにすみました。
得意のアメリカンジョークで「靴のサイズは10インチだった」と言っていました。
日本人総理なら100%言わないシチュエーションでしょう。
そこでとっさにギャグが出たことにだけ、さすがアメリカ人だと感心してしまいました。


記者と言う仕事をしている人間が、こういうことをしたことに、イラク国民のとても深い心の傷を感じました。
フセイン政権のままでよかったとは思いませんが、あまりに杜撰で思いやりの無いブッシュに対して、感謝どころか、
なんか一発お見舞いしてやりたい気持ちはあると思います。

電撃訪問と言うのは言葉のアヤで、前もって知らせるとテロの標的にされる可能性があるからですよね。
親子2代でフセインを憎み、政権打倒するために一般人を巻き込むのを承知で戦争に持ち込む。
大量破壊兵器が無くても自分のやったことはイラクの開放だと何度も口にする。

別のニュース番組ですが、同じアメリカ人で広島原爆を開発した博士が広島を訪問して原爆ドームに行き、その後、生存している、被爆者2名と会いました。
企画したテレビ側は、60年経っても、薄れることの無い悲惨さや、現在も被爆症で苦しむ人々と対話させることでこの博士の謝罪の言葉を引き出そうとしていました。

このすでにジジイになった博士の口からは「私は謝罪しない。 真珠湾攻撃で多くの仲間を失った」 などと断固として自分の非は一切認めませんでした。

ブッシュも同じです。
自らの功績をアピールすることはあっても、犠牲になっている多くの人に対しては背を向けています。
任期満了前にイラクに来て、「私は正しいことをした」というアピールを許せなくて靴を投げた記者に私は味方したいと思います。

被爆者の老人達は謝罪の気持ちが無い、原爆博士をののしることも無く握手をして別れていました。
悔しがっていました。
日本人は本当におとなしい民族です。

多くの人の上に立ち、戦争をした結果、大量に死者が出ても裁かれることが無く、、自らの功績を口にするような人間は大嫌いです。
テロの親分と同じで自分だけは絶対に安全なところに逃げます。

しかし、靴を2回も投げるのを阻止できなかったアメリカのシークレット・サービスは評判ガタ落ちでしょうね。
そして、あの記者はアラブでは英雄でしょうね。
このまま、不景気も全てを、ほったらかしにして退任するブッシュにとって忘れられない出来事になったでしょう。
「おじいちゃんは、皆に尊敬されてるんだよ。」と孫にウソをつけなくなったなら、良かったと思います。

私は靴を投げた彼の気持ちがわかるような気がします。
ブッシュが無罪ならこの記者も当然、無罪にして欲しいです。