200m先の熱 17巻が発売になりました!
ただし、今日発売になるのは紙のコミックスだけで、おもな電子サイトでの17巻発売は1ヶ月後の10月23日です。
本日紙版と一緒に発売される電子版はe-bookとLINEマンガだけみたいなので、注意してチェック!
前回16巻はe-bookとラインだけ先行発売だったんで、おそらく今回もフェア中なんですね。
私は雑誌、分冊、コミックスともに楽天KOBOで買ってきてたのですが
前回と今回ばかりはe-bookで買っちゃいましたよ・・・・
さらにお昼になってから紙コミックスも買ってきました。帯に300万部突破の文字が!
まったく映像化もタイアップもなしで、しかも少女漫画ではなく女性向けで、作品力だけで伸びたってのがすごいです。
いつかドラマ化とかしないかなあ。
災害や冠水の話があるから無理かな。。。
明日はもう17巻のつづきの45話が掲載されたCookieが発売されるというのに、
前回の44話感想をこれから書く私。(爆)
それも含めて今日は17巻についてものすごい気がついたことがありますのでそこを深掘りしようと思います。
もう長年、桃森先生のファンをやっている私ですが、200mは一番好きな作品なんですよね。
今までの桃森ミヨシの良さがぎゅっとつまってる感じがする。
そしてこだわりもひじょ〜〜に深い気がしてた。
それが証明されるような、17巻の変化!いってみよう!
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コミックス版こそ完成系
200mって、雑誌掲載→分冊版→コミックス版
という順番で発表されていくんですけど、ちょいちょい書き直しや書き足しがあったりするんですよね。
早い時はほぼ同時に発売されるにも関わらず雑誌と分冊版でも変化がある。
でもだいたいはコミックスですごいセリフが変わってたり、ページが増えてたり、絵柄が変わってたりするんですよね。
ファンとしてはこの小さな変化も楽しみの一つだったりするわけです。
たとえば16巻の平良さんの表情
コミックスでは雑誌掲載時より険しい表情になっています。
全体として見たときに一番変わっているのは、こういったキャラの表情の絵ですね。
ほか、細かく細かくセリフや言い回し、コマわりなんかも変わっているところがあるのですが
17巻では
この2枚のように、途中で差し込まれる追加ページやエピソードもあったりする。
(この時は、渡辺さんの言葉でタワマンの隠れた格差がより詳しくなり、
それに対して紬の「だからって出ていける人に ずっと一緒に支えてくださいとは言えないですよね・・・」
という人に頼れない性格が垣間見えるシーンになりました)
とくに話のラストをもりあげるため大ゴマをつかって間をたっぷりもたせ、演出を変えていることはよくあります。
わりと分かりやすく、盛り上げるための変更。
そして精査されたセリフへの変更。
でも今回、17巻。
そんな細かいことではなく、
ざっくりした
しかもすごい大きな変化
があったんです。
ここ。17巻ラスト。
わかりませんか?
もうちょっとアップにしますか?
「真霜くん」
これよ。
紬の、きっかのましもくんの呼び方よ。
今までずっとモノローグもセリフも声も全部
ましもくん
だったのが、この17巻のラスト、
ましもへの気持ちが特別だと、愛だと気づいた瞬間に
真霜くん
に変化しとるわけでございます!!!!!!
これ、雑誌も分冊もましもくんのままだったんだけど、コミックスで変更になってるんですよ。
いやーーー鳥肌たったね。
いろんな意味が含まれてると思うんだよね!!!!
もしかしたら雑誌の時には桃森先生は思いついてなかったのかもしれないし、単なる写植ミスなのかもしれないし分かりません。でも200mはずっとコミックス版が完成系だったので
これ、意図して変化させてる大きな演出だと思います。
よく見ると
右側のページではまだ「ましもくん」なんだよ。これずっと紬のモノローグなんだけど
ラストの最終フキダシモノローグだけでバンと変えてるのがにくいよね〜。
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紬がひらがなで呼ぶ理由
紬は誰も彼もをひらがなで呼んでるわけじゃない。
女性(渡辺さん 鹿西さん、満井さんなど)は最初から漢字だし、仲良くなった鹿西は真央さんと下の名前になったけど漢字。
男性(二宮さんまたは理事長、高橋くん、司波さん、畑さん、五十嵐さんなどなど・・)はみんな苗字をしっかり漢字で呼び、変化もしていません。高橋くんなんて「つむちゃん」と呼んでくる親しみぶりだったのに告白されたあとも最後まで高橋くんだったしね。
そう、真霜と平良だけ最初から
ましもくん
ひららさん
だったんです。そして、ずっとそのままきてた。
平良さんに関しては最初に会った時「レトリバーの耳がひらひらしてるみたいでかわいい」と連想し、ひららという言葉にも可愛らしさを見出し、スマホの住所録も「ひららさん」にした。
紬が男性をひらがなで認識する時、そこには「可愛らしさ」、ひいては「好感」を見出しているのです。
ひららさんに関しては明確に最初から恋だった。
かわいくてギャップのある彼に恋をした。
ではましもくんはどうか。隣に引っ越してきた同じ年の冴えないメガネ男子。
「あ、ましもちてつ君?」
初めの言葉は読み方を確認するような、特に可愛らしさを見出す感じでもない言い方。
それから何日も交流がないまま、雨が降った日に相合傘で帰った時、紬の中では「ましもくん」が決定していた。
これはもしかしたら紬が無自覚に最初から真霜へ好意を抱いていた証拠ではなかろうか。
なぜなら、他の男子には全員「漢字くん」呼びなのだ。
ましもだけがひらがな。これは特別と言わざるを得ない。
真霜がメールで告白なんぞをしてきた時も、嬉しそうに屋上へ呼び出してさっそくOKしている。あまりにもあっさり、悩む間もなく「よろしくね」だ。これは最初から好意があったから、と考えるのが自然なのだ。
しかし、しかしです。
そのあと酷い別れ方をしても、10年後に再開して、仕事関係の間柄になっても、ましもくんが一番だからひららさんとは別れなきゃ、となってもまだ、ずーっとひらがなだった。
これは、紬の中で「ましもくん」の存在が変わっていないからなのではないか。
どこか可愛くて、でもクールになってしまって、立派な社会人になって置いていかれたような気もしていて、それでも昔と変わらず付き合いは切れない。切れずにやってこれた。
そのままでいたくて「ましもくん」と呼び続けていたのではないか。
紬は、好きな人の名前を「固有名詞」として扱えない。
自分の中に入ってきた人の名前を、自分だけの音にしてしまう。
「平良さん」は社会にいる平良連太郎を呼ぶ名前。でも「ひららさん」は、紬の中にいる平良さん。
「真霜くん」も同じで、漢字の「真霜」には家族や会社や過去や本人の人生まで含まれているけど、紬が恋をすると、その人をまず自分が感じている音で受け取る。
つまり紬は最初から、好きな人のスペックや装飾をはがして
「自分の世界の中の人」にしていたのだ。
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ひらがなから漢字への意味
しかし、紬の心が変わってしまった。
今のままの関係では嫌だし、彼に近づく女性に嫉妬もする。
そして、ただかわいいから好きというだけの紬のフェチに変化をもたらす。
一生をともにする相手、結婚相手として考えた時に、可愛さだけを求めてるわけじゃない。
そして相手も同じ。
相手には自分の介入しない時間も含む28年がある。
「私のましもくん」から、「私の知らないところまで含めて真霜知哲という一人の人間であり社会人」になった瞬間。
紬にとって最初から漢字だった人は、距離を置いた第3者だ。
自分の世界に引き入れていない。
だけどひらがなで呼ぶ人は、自分の中に入れたい人。自分の中で咀嚼したい人だ。
そんな人を漢字で呼ぶようになる。
これは、その人の中身や背景ごと引き受けたい、という意思の表れではなかろうか。
ひらがなは、軽い。軽くてかわいい。
ある意味、守ってあげたい対象でもある。
そして、親愛の情でもあると同時に、私物化の表現でもあったのだ。
そんな人を漢字にする。そこに生まれるのは「他者としての発見」だ。
だから44話はずっと「ましもくんを見てた、見てるだけだった」なのだ。
こんな人だったんだ、私何も知らない
知ってる 私だって知ってた 知ってたもん
でもちがった
ずっと一緒にいないから 会えなかったから
彼女は今初めて「今の真霜知哲という人」を知りたいと願い、そこから先へいきたいと感じている。
私物化してきたましもくんは消え、いろんなものを背負った真霜知哲を欲しているのだ。
これだけのことをたった
「漢字にする」
だけで表現してしまうのがもう、すごい。
鳥肌もんだと思いません?
思えば桃森先生はハツカレでも「ハシモトくん」「ちひろ」以外のフルネームを出さないままでした。友達もです。
でもこの時は初めての彼氏彼女で、友達同士でもお互いにスペックや社会とのつながりを考えず、その人だけを見ることの美しさを描いていたと思います。削ぎ落とした純愛。友情。ピュアと呼ばれる打算のなさ。
でも悪魔とラブソングでは最初からフルネームだった。全員にちゃんと名前が出て、嫌なあだ名をつけられるキャラもいた。リアルで、承認欲求とエゴのぶつかり合いから始まる学校生活。社会との関わりの中で始まり、終わっていきました。
そして200m、これはハツカレの意味と悪ラブの意味を両方取り入れていると感じます。
最初、紬がしていたことはハツカレです。かわいい人が好きという自分のフェチ、相手の性格だけを見るピュアさ。打算のない恋。顔がどうとかお金がどうとかまったく関係ない。
でもそれだけで終わらない。一緒に生きていきたいと決めた時、その人が持つ社会性やこれまでの人生、背負っている過去とこれからの未来、相手の夢など、すべてが自分のこととしても降りかかる。
一緒に歩いていくために預ける荷物と、持ってあげる荷物。捨てる荷物もあるでしょう。
それらを「真霜くん」と呼ぶことの覚悟で表現しているんです。長年先生の漫画を読んできた深読み読者として、これは自信をもって言える。
絶対これは意図してここに変化をもってきた、と。
おそらく紬はここで初めて「愛」を感じていると思う。
平良さんに対しては可愛い人として私物化していた。
でも、真霜くんは私物化できない、してはいけない人になったのです。
44話で初めて見せる紬の嫉妬の顔。いや〜〜ほんと今までしたことない表情ですねwww
これから真霜との愛、そしてどういう関係になるのか。
次がとっても楽しみです。もう明日発売じゃんね!
●ファンサイト●
漫画家の桃森ミヨシ先生、鉄骨サロ先生の非公式ファンサイトです。最新の雑誌掲載情報、実写化情報、先生のインタビュー記事、動画、過去作品アーカイブ、感想ページなどできうる限りの情報をのせています。
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