遅くなりました。200m先の熱 41話の感想です!
なんでこんなに遅くなったかというと、どうせなら16巻コミックスの先行配信日にあわせようかな、という企みがありまして笑
好きで勝手に書いている感想ブログといえど、やっぱり閲覧者が増加すると嬉しいもんですからね〜
というわけで姑息な手段に出てみました(爆)
本来なら16巻は5月25日に発売ですが、e-book japanとライン漫画で4月24日に先行配信されます。
ちょうどそのコミックスに収録される最後の話の感想となります。
平良さんと別れることを決め、別れ話を切り出した紬。
しかし予想以上に激昂する平良さんを目の前にして、初めて紬は
「人と別れる」ということがどれだけエグい事か実感し始めている、そんな41話。
おそらく39話の時点ではもっと軽く考えていたでしょう。平良さんほどの勝ち組男性なら
私と別れることもそんな大した事ではないだろう、という思いもどこかにあったのでは。
だけど、別れを切り出し、人を傷つけ、別れることを承諾してもらえない執着を見て、怖さもあったのでは。
あやふやな言い方で別れるよりも、はっきりと「もっと優先してしまう人がいる」ことを伝えなければと思った紬。
別れたらなんにも残らない
あなたがそうさせるんだ
新しいものなんてここから生まないからな
意味なんてもたせてやるもんか
呪いみたいな怒りが
今も私の中で鳴っている
しかし立つと決めた以上、普通の振る舞いをし、平気に見せる紬。
それでもいつもと違うと気づいてしまう真霜に「平良さんと別れた」ことを告げます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ふたりの認識の差
ここで私、真霜が「だったら俺がいるじゃん」みたいな感じでグイグイいきはじめると思ったんですよね〜〜〜。
そして紬と真霜の恋愛ターンが始まり、VS平良の男としての対決みたいな。
真霜くんは平良さんに負けないくらいオスみを出してくると予想したんですよ。
でも、違和感もあった。
そう簡単になるならキャラとして崩壊する気もしたし、そもそもそんな安易な展開、くるか?
桃森作品で?
きませんでした。
真霜くんは紬が「自分の信念や人生のやりたいこと、生き方のために平良と別れた」と思ってるわけです。
でも紬は「恋愛感情かなんか分からんけど、真霜くんのとこに毎日通って
毎日いっしょに住宅街の掃除したい。
それって平良さんを優先してないってことだからお別れ」ってノリなんですよね。
真霜くんはまた紬のことを崇高で孤高な戦士のように扱ってる。
中学時代もそうでした。
一人でお弁当を食べるのが平気な紬、一人で行動するのが平気な紬、人と連まない、でもハブられてるわけじゃない。
適度な距離感をとれて、しっかり一人で判断し、一人で楽しめる紬に憧れた。
ぼっち弁当が恥ずかしかった真霜くんだから。
そして今も、自分の素晴らしい信念のために
揺るぎない生き方をしようとしている紬に、「負担を手放したことは裏切りとは違う」と言ってくれる。
まあ、紬としてはどんどん真実が言えなくなるよね〜〜〜。
紬は紬で、真霜くんのことを「真霜神」という神様に例えるくらい
アガペーの塊で、慈悲に溢れた人物だと思ってるわけです。
平良さんと紬は二人とも似ていて、自分のやりたい事が先にたつ人間。
そんな二人にはとても真霜くんのような愛は持てないと、若干引け目に感じているんですな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ラブスタイル類型論
でもこれ、心理学的に見るとタイプが分類されるだけなんです。
ラブスタイル類型論という、20世紀頃にカナダの心理学者により発表されたタイプ別恋愛の形なんですね。
ルダス (Ludus)
遊びの恋愛(game-playing,uncomitted)
恋愛をゲームの駆け引きのように楽しみ、相手を次々に取り換えていく。執着も嫉妬もしない、結婚もしない。
プラグマ (Pragma)
実用的な恋愛(practical,calculating)
結婚相談所での婚姻に近い。条件や実生活のメリットデメリットを考えて相手を選ぶ。
ストルゲ (Storge)
友情の恋愛(friendship)
長い時間をかけて愛が育まれ、長続きする関係を持つ。友情のように穏やかで、親密さに基づいた恋愛をする。
アガペー (Agape)
愛他的な恋愛 (altruistic,giving)
自己犠牲的で相手に尽くすタイプの恋愛をする。相手の利益を第一に考え、自らの犠牲を厭わない。
エロス (Eros)
情熱的、エロティックな愛 (passionate,erotic)
性愛的で体の結びつきが強い。一目惚れをしやすい。見た目重視。
マニア (Mania)
偏執狂的な愛(obsessional)
情熱的で相手に強迫的にのめり込む。独占欲が強く嫉妬深い。相手の愛情を何度でも確かめたがる。
これらはどれが素晴らしくどれが正しくないということは全くありません。
どんなタイプなのかを自己認識することで、本当に合う相手がみつかる手助けになるというものなんです。そして、くっついてからは相手が何を求めているかを知る事で、すり合わせがしやすくなるヒントともなるんですね。
ただ人間というのは複雑で、どれか一つに当てはまるという単純なものではなく、それぞれ何%かずつ持っていて、どの属性が強いかという差になってくる。
これで見ると、真霜くんは
アガペー (Agape)の気質を非常に大きく持ちながら、ストルゲ (Storge)、マニア (Mania)でもある。
つまり、自己犠牲的で相手に尽くすけれど、友情のように長く紬を見守ってきて、ずっと紬を思い続けている。それは情熱的かつ偏狭的に紬にのめり込んでいるとも言える。
このタイプの人はとにかく「ありがとう」とか「嬉しい」などの感謝や感想の言葉を求めます。
あなたがいてくれて助かった、あなたのおかげ。
その感謝の言葉さえもらえれば、どれだけでも自己犠牲的な助けをしてしまうし、それが嫌じゃないんですね。
逆にお互いが決められたことを当たり前のように淡々とやることは、冷たいと感じるのです。
真霜くんは紬が過去の記憶を忘れていても、感謝を求めず自己犠牲的に助けてきたから、さらにレベルとしては上。
かなりアガペーが強い。
と同時に、それだけ尽くしてしまうほどに偏狭的でもあり、紬が自分の世界になってしまうほどマニアでもあるわけです。
自分がどう生きたいかというエゴ、社会的にどれだけ成功したいかという欲望、というのは真霜くんにあまりありません。
でも、紬のためならどれだけでも力をだせる。
彼が輝くのは、最大の力を発揮できるのは、紬に求められた時なのです。
まさにアガペーとマニアの合わせ技ですよ!
うまいことできてるキャラだなあ。
そして紬と平良さんは
プラグマ (Pragma)の性質を持つという共通項があります。
二人とも社会的に成功したいと考えている。仕事が命でもある。やりたいことが明確で、縛られるのが嫌い。
結婚による相手へのメリットやデメリットを非常に考える。
経営者や起業家に多いタイプでもあります。
こういうタイプは、与えられた仕事を淡々とこなし、やり遂げ、信頼を得ていくことが最大の助けだとも考える。
だからこそ紬は職人として非常に適正があり、納期を守ってクオリティの高い地味な仕事を続けてこられた。
平良さんも自分の音楽性を第一に出すわけでなく、淡々と求められる音楽を作る職人に徹することができた。
同時に、社会的な成功も目指し、自分の仕事への妥協を許さない。
職人というのはある意味、孤独に耐性のある人でなければ務まらない。同時に自分の仕事への厳しさもなければならない。
だから、いくら「ありがとう」「感謝してる」とたくさん言われたとしても
自分の信念を曲げてまで人に尽くせないのです。
けど、平良さんと紬には違いもある。
平良さんはルダス (Ludus)の性質をあわせもち、
紬はストルゲ (Storge)の性質を併せ持つ。
つまり、平良さんは一過性の恋愛を重ねてきた人で、紬は友情のような恋を高校の時に一回しただけ。
真霜くんとの関係もある意味で引きずり続け、切らずに今まで来ている。長い時間の恋をしているわけです。
だから、恋愛部分で二人は噛み合わない。
平良さんは肝心なところで逃げるという癖がある人だし、紬は紬で「友情になった真霜」を切り捨てられない。
職人、起業家、仕事人としての二人はとても似ていて、人生観や結婚観さえ
ソウルメイトのように分かり合える。
でも、家庭を持つとなると、同じ属性の二人でありながら反発しあってしまうのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真霜に拒絶される紬
そして41話です。
平良さんと別れ、真霜を優先したという邪な心を知られたくない紬。
誤魔化すように、今は恋愛に生きる時じゃない言い訳を並べ立てる。
感心するのは決して平良さんのことを悪く言わないこと。
彼は最後まで誠実で、理想のタイプで、素晴らしい男性。
受け取る器がなかったのは私の方で、とここまではいいのですが
これから目指すべきは税金をいっぱい納める人だという「役割」を新しく作ろうとしてしまう。
自分は仕事に生き、納税することで社会貢献する。そういう役割をしていくんだと。
まさに、プラグマ (Pragma)の性質が爆発している。
役割をもつことで、生きていこうとするんです。
平良さんに求められる役割を放棄したから、かわりに他の役割をみつけようとする。
今の共働き社会において、紬のような考え方は受け入れられやすいと思う。とくに婚活市場では。
お互いに役割を決め、それを淡々とこなしていくことで家庭を維持していく。
だけど真霜くんにとってはそれが非常に冷たい言葉にきこえてしまうのです。
彼はおそらく結婚しても、「俺がご飯を作ればいいし俺の手が空いてたら相手の分もすればいい、疲れていたら全部やってあげる。そのかわり「ありがとう」っていっぱい言ってくれ。嬉しい気持ちを表現してくれ」という人。
それが彼の報酬なのです。
事実、真霜くんは紬の笑顔でどんだけでもやる気を出します。
これさ〜、桃森先生がラブスタイル論を元から知っていてそれに当てはめてキャラを作ったのかもしれないけど、
そうじゃない気がするんだよね。
うまく流れていく物語って、キャラが勝手に動いていく。
そうして生まれた平良さん、紬、真霜くんという3人が、きっちり人間として動いているからこそ
ラブスタイル論に破綻することなく当てはめて語れてしまうくらい、ちゃんとキャラが成立しているってことじゃないかなあ。
ほんとすごい。面白い。
そして、紬が毎日来てくれることを
「恩返し」って役目にしなきゃ 帳尻合わないのかよ
だったらもう こなくていい
と拒否し、
真霜くん自ら距離をとってしまうんです。
彼が去ったあと、一人残された紬は
これまでになく動悸がして鼓動も早くなり、わけもわからず涙もにじむ。
平良さんと別れる時にはまったくなかった症状です。
そして、このコマ。
まさに、いま
あやふやな関係が
終わろうとしているのでは!?
きたね〜〜〜!!!
きたよこれ!
やっぱすごい、深い。桃森先生。
安易に「じゃあ俺で」ってくっつくんじゃなく、まず 自分がどういう人間でどんなエゴがあるか
自認させようって流れにもってきてる。
そして、高校時代のただ付き合ってた二人のような恋愛にはならないと、これで確信しました。
初体験が失敗し紬を無視した真霜くんとは、理由が違う。
プライドが高く、惨めさから無視したかつての真霜くんじゃない。
彼は気付き始めているんです。
「今のきっかは孤独に向かっているみたいだ」
と。
それは「俺がそばにいるよ」では解決にならないことも。
真霜くんと紬は、昔とは違う新しい恋愛の形を築いていく。
しかし笑っちゃうのが、真霜くんは紬ほど深刻にはとらえていなくて、
自分から距離をとったのも、もうひとつ
「抑えがきかなくなるから」
っていうヘタレな理由があるのよね〜〜〜笑
そしてこうも思ってる。
いっぱい税金払う人ってなんだよ
まだあの人と過ごした時間の延長線上で未来語ってるみたいな・・・
「平良さんの影響を多分に受け、男として勝ってる人の隣にいた 紬」に
強く出られない男、真霜・・・。
ヘタレです笑
紬が「オスみの少ない男性が好き」と言ったこともリフレインし、
じゃあ俺だめじゃねえか
と間違った自認をしているのも笑うところだよな???(どS)
私は真霜ファンです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平良さんの方が今は深刻
一方、振られても「別れない」と言い張る平良さんサイド。
アイコススパスパで、バツがつきまくりの作曲した楽譜、仕事が進まずドツボにハマっている模様。
真霜くんと紬の二人の間にある緊張感とは全く違う、
一人で闇堕ちしそうな雰囲気。
いやまて、ダンディな色気 出まくってないか?
平良さん、1巻に比べたらめちゃくちゃ男性って感じになったよなあ。
そんな彼のもとに一人の美女が。
これネタバレしちゃっていいのかな〜。
これがまた引っ掻き回しそうな予感。
でも平良さんの自認を深めるためにはこれを解決もしくは消化しなきゃ
前に進めないもんね。確かにそうだわ。
彼女が「流れてきたタワマン釈明動画」を見てやってきたというのも、ニクイ流れ。
おそらく、平良さんがユーチューバーから紬を守ろうとしている映像を見て
「こいつ大事な人間つくってんのかよ」という怒りが湧いたんじゃなかろうか。
来月、5月25日に16巻発売、
そして次の日26日には続きが読めるCookie発売です。
うお〜〜〜〜むずむずそわそわ〜〜〜〜!!!!!
●ファンサイト●
漫画家の桃森ミヨシ先生、鉄骨サロ先生の非公式ファンサイトです。最新の雑誌掲載情報、実写化情報、先生のインタビュー記事、動画、過去作品アーカイブ、感想ページなどできうる限りの情報をのせています。
↓↓↓過去のサイン会と試写会の記事↓↓↓


















