200m先の熱 33話 クッキー5月号(2025年3月26日売り)の感想その2 です。
パッションで最初に書いた記事は前回のものなんで、今回はその補足として読んでください。
闇から抜けたキラッキラの笑顔の真霜を堪能できるんですが
面白いのは、真霜が言ってる
「俺を雇わないか?」とか
「いつまでもは待てないぞ 期限決めろ期限」
きっかの
「待ってて」
などは、これ全部「結婚」にもおきかえられるんですよね。
つまり、結婚をせまる女性と決めてくれない男性みたいな感じ。
男性はまだ経済力がないからプレッシャーや責任が重くて、仕事に実績が伴うまで待ってほしいという。
でも女性は「一緒になりさえすれば共にがんばっていけるじゃない」と思ってる。
これまんま、男性側はきっか、女性側は真霜くんの気持ちなんですよね。
実際きっかは「男性が仕事がおちつくまで結婚を決断できない気持ちがわかる」となってる。
そして、雇うからには生活の責任も背負わなくちゃいけないとまで思ってる。
大企業をやめるから雇ってくれという真霜くんは、あまりにも今のきっかに重い
でも応えたいから「待ってて」となる。
一方ましもくんは「いつまでもは待てない」「今年年内までと期限をつけろ、それまでに起業しろ、でも起業さえすればそのあとは一緒に泥をかぶろうぜ」と言う。
これはもはや結婚を先延ばしにする男性を牽制する女性のようですwww
でも、やり方としては正しい。
ここから見えてくることは
結婚をせかしている方は決して生活の全部の面倒をみてほしいとは思ってない、ただ早く法的に一緒になりたいということ。
そして
結婚をせまられている方は必要以上に責任を感じプレッシャーに思っているということ。
男女逆の立場で、しかも結婚ではなく「起業」「仕事」というつながりでこういったやりとりが出てくるのが本当に面白い演出ですね。
きっかは、真霜くんと一緒にさくっと起業してしまえばいいと思います。
きっかのアイデアを信じてる、と言い切れる真霜くんは絶対にいいパートナーとなります。
そして二人はすっごく本心を言い合えてる間柄に見える。
ご飯を一緒に食べる時間は「安心感」もある。
最高の伴侶にもなれる条件がそろってる。
ただ、真霜くんのことを男性として再びきっかは見ることができるのか、ということと
真霜くんの最大の願い「子供を作る」ということに今はきっかが全く興味がないということ。
けっこうなハードルがあります。
そして、きっかが新しく作りたい会社のイメージは、平良さんが与えてくれた経験によるものですね。
お互いに新しい世界と刺激を求めている平良さんは、自分の与えたものが相手を成長させることがとっても好きそう。
実際きっかは平良さんがくれた経験でどんどんステップアップして、ここまできた。
起業のアイデアはすべて平良さんによるものです。
ということは、平良さんときっかも「ベストパートナー」になりえるということ。
でもこっちの二人はベクトルが同じで、タイプも同じ。
ぶつかり合うことも同じになってしまうけど、折り合いと話し合いさえすれば成長しあえる関係です。
なにより現段階ではきっかが恋愛感情を抱くのは平良さん。
今回の話の真霜ときっかの会話は、結婚において
男女が相手の立場やプレッシャーをどれだけ理解できるかが鍵になるということを示唆してると思いました。
災害や街の変化、価値観や人々の生活の変化などを描く作品ではあるけど
根本的には「恋愛」と「結婚」のちがいという主軸があるように思います。
ただ「かわいい」だけで始まった恋から、周囲に言われて結婚を意識し、自分なりの結論を出した。←今ココ
きっかの思いは現代の若い女性の思いに通じるところが大きい。
結婚がすべてではない現代において、きっかのような主人公は少女漫画(女性漫画)には珍しいタイプだけど、ものすごく現代的だし、自分の幸せが何かという軸を持っておくことがとっても大切なんだなと感じます。
きっかがどちらかと結婚を決める時こそ、現代の結婚の意味の答えが見えるような気がします。
●ファンサイト開設●
漫画家の桃森ミヨシ先生、鉄骨サロ先生の非公式ファンサイトです。最新の雑誌掲載情報、実写化情報、先生のインタビュー記事、動画、過去作品アーカイブ、感想ページなどできうる限りの情報をのせています。