もうこれ以上、
目の前で誰かが死ぬのを見るのは嫌だ――
これ以上、
誰かと別れるのは――
これ以上、
こんな思いをするのは――
全然リアルな感覚なんてないまま時は過ぎ、
気持ちの整理も、
実際にやらなければならない作業もままならず、
そうしているうちに次の悲劇は訪れて、
更に哀しみと憤りは深まって行く。
こんなことが人生の中にはあるのか――
僕ごときがどんなに祈ってみたところで、
一生懸命、誠実に頑張ってみたところで、
そんなことぐらいで決められた何かが変わるわけじゃない。
僕は思い違いをしていた。
僕ごときの命を差し出してみたところで、
誰かを救えるわけじゃないんだ。
不幸は重なる、と云う。
色々なものが変わって行く時期でもある。
どうかこれ以上、不幸が続かないことを…