先日、あなたのご実家が倉庫で貸出されているのを知って管理人さん仲介のもとお店のなかを拝見させてもらいました。

 

40年近く、私が密かに聖地と崇めた場所。

たくさんのあなたの思い出が詰まった場所。

私自身、様々な思いがよぎる場所。

あまりにも感慨深過ぎる…

 

お兄さんがまだ亡くなったばかりの頃。

電話であなたと話していている最中に

あなたを傷つけて電話を切られてしまった。

 

知らなかったとはいえ、そのことを心から謝りたくてアテもなくあなたのご実家まで駆け付けた。夜暗いなか、お店の前でたまたま、お酒に酔って戻ってきたお父さんと出くわす。

 

「お兄さんのことで娘さんを傷つけてしまいました。本当にすみませんでした…」そう平謝りして、しょんぼり帰っていった記憶。あれから長い年月が経ってしまった。

 

私はあなたのご家族と絡んでいた時に何か一つでもプラスになることをしただろうか?お店とお父さんとお母さんとあなた。全てがセットだった。

 

ウチから近いピザ屋さんで働いている、あなたを見かけたことが何回かあった。邪魔になりそうだから声は掛けなかったけれども。疲れた顔をして大変そうで心配になった。

 

自分はうだつの上がらない大学生の身でありながら、あなたが看護師試験に無事合格できるように神社へ祈願をしたこともあった。

 

お母さんからあなたが青戸の病院勤務で頑張っていると話を聞いて居ても立ってもいられずに労い励ましたくなって何度か足を運んだこともあった。何よりあなたに逢いたかった。喧嘩別れをしたあなたとの再会を果たしたかった。

 

けれども私が想いを寄せなくたって、あなたは自分自身で成長を遂げていた。立派な男性と巡り合って、妻として、母として、健康な子供に恵まれて素晴らしい家庭を築き上げて。私が入り込む余地などどこにもなかった…

 

これまでの書き込みは自分の幻想、自惚れ、恥の上塗りに過ぎなかった。今までの自分がとても恥ずかしい。25年の時はあまりにも大き過ぎた。余計なことばかりしてきて、自分を大切にできず、あなたを大切にできなかった報いですね 笑

 

独り言だけど、眠る前に私はあなたのお兄さんとよく会話をしていました。「ご両親、妹さんは元気で過ごされていますかね?ずっと看守っていてあげてくださいね」

 

あなたの追憶に囚われてきた私も前に向かって進んでいくため何十年も現実逃避して作り上げてきたインナーチャイルドと向き合ってようやく解き放たれる時が来ました。

 

あなたと再会する時にあなたに恥じない自分にならないといけない。私はあなたにとって決してただの人なんかで終わりたくはない。

 

私のこれからの人生。遠い場所からでも応援してくれますか?私はあなたのことをいつも感じながら生きていくことにします。同じ時間、場所を異にして供に生きてきた愛おしい仲間だと思って。

 

気持ちの整理を付けるのにかなりの呵責がありました。現実を受け止めるのに瞼が腫れあがるまで、枯れるまで、涙を流しました。ここに辿り着くのにとても勇気がいった。荒療治でとても辛くて苦しかった。

 

いつまでもお元気でいてください。掛け替えのない人生、いつの日かお逢いできる時を信じつつ、私はあなたとご家族のご多幸をずっとずっと祈っています。

 

たつひこ