ぼくのおじいちゃんはねぇ…
ぼくが産まれる前に死んじゃったの。
おばあちゃんの家に行ったらおじいちゃんの写真には逢えるんだけどね…

逢ったことないのに、おじいちゃんが大好きなの。
すごく不思議。

でね、去年のお盆前、おじいちゃんの夢を見たの。



着物を着たおじいちゃんがね、あぐらをかいて座ってるの。
その上にぼくが座ってた。窓際に座ってたよ。ぼくたちを囲むように、親戚みんなが揃ってて、みんな笑顔だった。
夢の中のぼくはね、小学生くらいだった。
その姿を別の角度からぼくが見ていた。
みんなはカラーだったのに、おじいちゃんだけは白黒だった。写真が白黒だったからだ。
夢の中の小学生くらいのぼくはおじいちゃんにいっぱいお話をしてたんだけど、おじいちゃんは頷くだけで、話はしてくれなかった。でもぼくはすっごく幸せそうだったよ。

夢なのに、ぬくもりも、匂いも、感触もあったよ。

幸せな一時だった。




目が覚めて、この夢の話をお母さんに話した。
すると、おじいちゃんは物静かで温厚でいいおじいちゃんだった。
という。


逢いたかった逢いたかったとお母さんに言い続けた時期があった。

きっとおじいちゃんが逢いにきてくれたんだと思った。
嬉しかった。楽しかった。
また、逢ってくれるかな