ベアトリーチェ・ラナ  バッハ ピアノ協奏曲 | 世界の歌謡曲

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その日の気分で 心に残る歌

 

── モダン・ピアノでバッハを弾くことについてはどうお考えですか?

R: 一言でいえば妥協です。チェンバロとピアノはまったく異なる楽器なので、ピアニストはチェンバロからインスピレーションを受けることはあっても、その音を再現することはできません。チェンバロを弾いたこともありますし、その音も大好きですが、私自身はピアノのほうがしっくりきます。
  テクノロジー的にはピアノのほうが進化していて、チェンバロより多くのことができるようになっています。私たちピアニストはそうした楽器の改良点を利用して、バッハの音楽を弾くことができます。たとえば、チェンバロの弱点の一つは音色が均質だということです。それに対して、ピアノなら音色の違いを利用して対位法をよりはっきり出すことができます。もちろん、ふさわしい様式感で弾いた上でのことですが。

── 学生時代に、歴史的な演奏習慣についても学びましたか?

R: もちろん学びました。多くの人はバッハを拍節的に厳格な音楽だと思うかもしれませんが、実はバロック時代の演奏法ではかなりの自由が許されており、とりわけ拍節の取り方や「ルバート」―もちろんショパンのようなルバートとは違いますが―がとても大事なのです。
  私は音楽院で作曲も8年間勉強したので、課題で対位法の曲も作曲しました。対位法を学ぶことで、音楽は縦の線だけではなく、横の線も考えなければならないことがわかります。すなわち、いくつもの声部が自由に動いていて、人間が会話を交わす時のようにそれぞれの声部が自分を主張することができるのです。それが、私がバッハの音楽が好きな理由の一つです。

 

こんばんは このビデオも何度かご紹介しました ベアトリーチェ・ラナのバッハ ピアノ協奏曲 

バッハの曲 当時の編成とハプシコード? モダン・ピアノ? たいへん難しい問題

ある意味近年の一つの結論がグレン・グールド?その後多くのピアニストがモダン・ピアノで 

でもその中で彼女の同世代ジャン・ロンドー 頑なに当時の編成とハプシコードとピリオド楽器

どちらが好きか? 両方好き(笑) その日その時の気分 でもその中でもこの演奏は好き!!

 

バッハ ピアノ協奏曲 ベアトリーチェ・ラナ
Bach: Piano Concerto in D-Minor, BWV 1052 - Amsterdam Sinfonietta & Beatrice Rana -
 

 

 

 

ベアトリーチェ・ラナ
2011年18歳でモントリオール国際音楽コンクール優勝、また2013年ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール銀賞(第2位)および聴衆賞受賞により世界的に注目される。
ムツィオ・クレメンティ、サン・マリノ、バング&オルフセンなど数多くの国際コンクールで優勝。2014年には、若いソリストの育成を目的とした、オルフェウム財団主催の国際音楽祭の演奏者に選ばれ、チューリッヒ・トーンハレにて、ズービン・メータ指揮フィレンツェ・マッジョ・ムジカーレ管と共演。
2018/2019そして2019/2020シーズンは、ロイヤル・コンセルトヘボウ、シカゴ響、デトロイト響、バイエルン放送響、パリ管弦楽団、ロンドン・フィル、フィラデルフィア管、チューリヒ歌劇場管弦楽団、デンマーク国立交響楽団等と、また、ファビオ・ルイジ、ヤニック・ネゼ=セガン、ウラディーミル・ユロフスキー、ケント・ナガノなど国際的に活躍している指揮者と共演。
2012年ATMAレーベルで、ショパン/前奏曲とスクリャービン/ソナタ第2番をリリースし、国際的に高い評価を獲得した。2015年ワーナー・クラシックスから、アントニオ・パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリアとの共演で、チャイコフスキー/協奏曲第1番とプロコフィエフ/協奏曲第2番をリリース。2017年3月には同レーベルからバッハ/ゴルトベルク変奏曲がリリースされ、この録音に対して、2018年6月Classic BRIT Awards 2018にノミネートされた。最新録音は、ラヴェル:鏡、ラ・ヴァルス、ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ、火の鳥。
1993年音楽一家に生まれ、9歳の時にバッハのピアノ協奏曲ヘ短調をオーケストラと共演し、デビュー。モノポリーのニーノ・ロータ音楽院でベネデット・ルーポに師事。その後M.ベロフ、A.チッコリーニ、A.ヤシンスキ、F.J.ティオリエ、E.ヴィルサラーゼらのマスタークラスに参加し研鑽を積む。
現在、世界中から最も注目を浴びているピアニストである。
(株式会社ジャパンアーツ レヴュー)