暑中お見舞い申し上げます② ちょっと怖い怪談噺
こんばんは 名匠古今亭志ん朝 『もう半分』 別名五勺酒(ごしゃくざけ) 有名な怪談噺
あぁ上手いなぁ 落語は3部形式 「マクラ」(イントロ) そして本編 最後の「サゲ」(エンディング)
志ん朝師匠は大のJazzファンでした 当意即妙 機微に富んだアドリブ このちょっとシリアスな話
でも一歩間違えるとただの暗い話 でも人情の機微,静かなボディブロウで僕らの心を掴んで
そして最後 背筋がす~っと凍るような絶妙な「サゲ」(オチ)・・・,
古今亭志ん朝 『もう半分』
【あらすじ】
ある夫婦は、永代橋(千住大橋とも)のそばで小さな注ぎ酒屋(=店内で飲ませるサービスを行っている酒店)を営んでいる。そこへ、60歳を過ぎたと思われる行商の老人が毎晩やって来る。老人は、1合の酒を一度に頼まず、まず「(一合枡に)半分だけお願いします」と5勺だけの酒を注文し、それを飲み終わると「もう半分」と言ってまた5勺を注文する、という変わった酒の飲み方をしていた。店主が理由をたずねると、老人は「その方が勘定が安くなり、量を多く飲んだ気がするからだ」と言う。
ある日老人は、店に風呂敷包みを置き忘れたまま店を出る。店主が「また明日も来るだろうから、包みをしまっておこう」と持ち上げると、やけに重いので不審に思う。包みを開くと、50両もの大金が入っている。「この金があれば念願の大きな店が持てる」と悪心を起こした夫婦は、慌てて取りに戻ってきた老人に対して知らぬ存ぜぬの態度を貫く。老人は涙を流しつつ、「娘が吉原へ身を売って作ってくれた金だ」と明かすが、結局落胆して店を出て行く。老人は、橋から川へ身を投げる。
しばらく後、酒屋夫婦に赤ん坊が生まれる。ところが、生まれてきた赤ん坊の頭は白髪で覆われ、その顔は、かつて身を投げた老人そっくりだった。店主の妻は、ショックのあまり寝込み、そのまま死んでしまう。店主は「子供を育てることが老人の供養になるだろう」と思い、乳母を雇う。ところが、みんなつぎつぎと1日で辞めてしまう。店主は物事に動じず強気だ、という評判の乳母を雇うが、その乳母もひと晩で「辞めたい」と申し出てきた。店主が理由をたずねると、乳母は「自分の口からはとても言えないので、ご自分の目で確かめてほしい」と言う。
その晩、店主は乳母と赤ん坊が寝ている隣の部屋に隠れて、様子を見届けることにする。丑三つ時(=午前2時頃)、それまで寝ていた赤ん坊が急に起きあがり、乳母の寝息をうかがいつつ、枕元の行灯の下に置いてある油さし(=行灯へ油を補充する道具)から静かに油を茶碗に注ぎ、それをうまそうに飲み干す。
店主は「おのれ爺(じじい)、迷ったか!」と叫び、部屋へ飛び込む。赤ん坊は茶碗を差し出し、
「もう半分」
(ウィキペディア)