Jazzスタンダード『パノニカ(バタフライ)』 | 世界の歌謡曲

世界の歌謡曲

その日の気分で 心に残る歌

 

(ニカ婦人について・・・)
不思議な女性です 解説にもあるように 世界的大富豪「ロスチャイルド家」の令嬢として生まれ波乱に富んだ人生でした ジャズ界のパトロンとして有名で 彼女とジャズとのきっかけ? ユダヤ系でありながら大戦中ナチスのホロコーストから逃れ 同じく差別・偏見・迫害を受ける黒人に共感したという説 モンクの『ラウンド・ミッドナイト』に感銘を受けてジャズにのめり込んだという説
奔放な生活から ありもしないゴシップに傷ついてたりもしていたようで「誤解をうまないように」と自叙伝の類は残していないようです
ジャズ・ミュージシャンとの幅広い親交を物語る 彼女名前がつけられたジャズ・ナンバーの数々

ソニー・クラークの「Nica」、「My Dream of Nica」、ケニー・ドリュー「Blues for Nica」、トミー・フラナガンの「Thelonica」(セロニアスとニカの合体)、ホレス・シルバー「Nica's Dream」、ケニー・ドーハム「Tonica」、ジジ・クライス「Nica's Tempo」、それになんといってもセロニアス・モンクの「Pannonica」

破滅型の天才チャーリー・パーカーやバド・パウエルに援助の手を差し伸べたり最後を看取ったのも彼女だし 上の写真のように猫だらけの自宅の部屋で 最期までモンクを看取ったのも彼女
モンクは愛妻家でしたが夫人公認 共通で最愛の「友人」だったそうです

モンクが彼女に捧げた『パノニカ』という曲には「バタフライ」という副題が 自由奔放な人柄だったんでしょうね ヨーロッパの高級外車を自ら運転しながら『ファイブ・スポット』『バードランド』『ヴィレッジ・ヴァンガード』・・・ニューヨーク中のジャズ・スポットを飛び回っていたようです
そんな彼女への思慕というか愛というか憧れというか そんな想いが溢れたチャーミングな曲

 

Jazzスタンダード73~『ニカの夢』 

https://ameblo.jp/ta2015blog/entry-12047623452.html

 

 

こんばんは相変わらずセロニアス・モンク すみません不器用で三つ以上に集中できない(笑)

ニカ婦人について ちょっと付け加えます

もし 彼女がいなかったら 50年代のJazzの歴史は変わっていたかもしれない アヴェ・マリア?

黒人音楽家のパトロンであり理解者であり影のプロモーター ワークショップの主催者

それのみならず身の回りの世話 ミュージシャン 楽器の運転手であり もちろん最高の聴衆

運転中マイルスがベンツを寄せて止まって「オレとニューヨークをカーチェイスしようぜ」  ん?

夫人はロールスロイスをベントレーの新車に乗り換え 後に「私の目印はベントレーよ」

金持ちといってもハンパないのでNYの高級ホテルのスイートルームに常宿 毎夜ジャムセッション

さすがにホテルからのクレームが2度 退去してハドソン川の向こうNYのスカイラインが見える新居に

なぜか婦人のモンクに対する寵愛は並大抵ではなく スタインウェイのピアノも

モンクは愛妻ネリーとそこに移り住み 晩年精神を病み そこで最後を看取られました

その邸宅は モンクのいう「キャットハウウス」最初は血統書付きのシャムネコが2匹 でもやがて?桁

楽器ケースやスタインウェイまで寝床にして ミュージシャン達は居場所をなくしたとか

「キャットフード代と獣医に支払う診療費は天文学的な数字だった」 後に親族が語っています

 

そんなニカ(パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター)婦人にモンクが奉げた曲『パノニカ』

写真左 彼の最高傑作の1枚 「ブリリアント・コーナーズ」から
曲中 鉄琴のような音 これはチェレスタ フランスの鍵盤楽器

そして写真右 彼の死後おそらく彼の唯一の女親友 カーメン・マクレー 「Carmen Sings Monk」から

 

 

Thelonious Monk - Pannonica

 

 

セロニアス・モンク - ピアノ、チェレスタ
アーニー・ヘンリー - アルト・サックス
オスカー・ベティフォード - ベース
マックス・ローチ - ドラム、ティンパニ

 

Carmen McRae // Little Butterfly (Pannonica)

 

 

Softer than silk
And as warm as warm milk
Light as air and able to fly
Blossoms know bliss
While they're waitin for her kiss
Pannonica my butterfly

Fluttering one
Fair and bright as the sun
light as wind embracing the sky
Colorful wings
Soft and gaily painted things
Pannonica my butterfly

Like the lovely flowers
I wait for hours
Just to feel that touch
The touch that I love so much
One day she'll flutter by
I'll hold out my hand
And capture my butterfly

Delicate things
Such as butterfly wings
Poets can't describe
Though they try
Love played a tune
When she stepped from her coccoon
Pannonica my butterfly