エディット・ピアフ | 世界の歌謡曲

世界の歌謡曲

その日の気分で 心に残る歌



こんばんは 今夜もまたシャンソンの話・・・
日本の「歌謡曲」で美空ひばり 「ジャズ」ではビリー・ホリデイ そして「シャンソン」ではこのエディット・ピアフ 20世紀の3大歌姫 勝手にそう呼んでいます
共通点がいくつもある 切ない生い立ち 生き様 そして淋しい最期・・・
そして顔立ち くちびるの大きさ エラの張り具合 偶然かな? 姉妹みたい・・・
「骨相学」とかの専門家ではないけど あの素晴らしい歌声・・・

シャンソンに夢中になった20代の頃には まだ若かったヴォケールやバルバラやグレコ
「華」のある歌手ばかり聴いていて 正直ピアフの古い録音はあまり・・・
でも今 大人になって デジタル・リマスターされた美しい音で聴き直して いいな

シャルル・アズナヴール イヴ・モンタン、ジルベール・ベコー、ジョルジュ・ムスタキといった若手歌手の育成 特にイヴ・モンタンのパトロン 恋多き女性でした

塚本邦雄氏の訳詩・解説付きの素晴らしいサイトです

ビリー・ホリデイ同様 彼女の生い立ちとか人生とか ちょっと胸が痛むので・・・
興味ある方は 「ウィキペディア」で検索してください 


エディット・ピアフ 「ルノーブル氏」



※訳詞は故・塚本邦雄氏(歌人)によるものです。

塚本邦雄 『増補改訂版 薔薇色のゴリラ』 より:
「ミッシェル・エメール作詞作曲のものでは「ルノーブル氏」と「アコーディオン弾き」-の二作を私は好む。「ルノーブル氏」はベル・エポックの「辻馬車」以来のコキュ物。実-直平凡な勤め人が妻君に裏切られてガス自殺に及ぶ話であるが、皮肉ったらしい詞句の斡-旋と軽快なリズムでの歌い流しが実に面白い。終章では「ルノーブル氏ははなみずをかみ-(ムシュー・ルノーブル・ス・ムーシュ)」でしゅんとはなみずをすする音が聞こえ、最-後の「あまり信用し過ぎていた。信じて、信じて(トゥロ・ドゥ・コンフィアンス コンフィアンス コンフィアンス)」ととだえて行く、すなわち死んで行く男の confiance の ce がそのまますうっとガスの洩れる音に変わる。少々うるさい感もあるが聞かせる。三幕劇-シャンソンの典型としてこの後も語り伝えられてよい。」

エディット・ピアフ 「カルメン物語」



※訳詞は故・塚本邦雄氏(歌人)によるものです。

塚本邦雄 『増補改訂版 薔薇色のゴリラ』 より:
「モノー以外の曲で圧倒的に面白いのは「カルメン物語」を第一に推そう。詩はリヴゴー-シュ、曲はデュモン。この悲劇の舞台はアメリカ映画同表題作撮影中のスタディオ、カル-メンとホセの量俳優はここで筋書そっくりの恋に陥る。二人の目に宿った愛が「夕映のよ-うな愛(アナムール・ドゥ・ファン・デ・ジュール)」とは詞も凝っている。撮影が進行-する。二人の恋も灼熱してゆく。とどのつまり、男俳は女優を殺し、映画「カルメン物語-」も彼らの人生も終わる。」

エディット・ピアフ 「いつかの二人」



※訳詞は故・塚本邦雄氏(歌人)によるものです。

塚本邦雄 『増補改訂版 薔薇色のゴリラ』 より:
「ピアフ創唱のモノーの曲、それも佳品傑作は十指に余ろう。人はまず「愛への讃歌」を-挙げるだろうが、私は二の次三の次、何よりも「いつかの二人」を第一に推す。'-;56年の作品ゆえモノーの死ぬ五年前のものだ。クロード・ドレクリューズとミッシェ-ル・サンリスの詞も前年のヒット作「ハンブルグにて」とは段違いに技巧的で鋭い。モノ-ーの曲も繊細かつ複雑、しかもアリア的なさわりもたっぷり用意している。ご休憩一時間-なにがしのホテルの女中の独白体、カフェの奥でコップを拭きながら彼女は回想する。恐-らくは貧しい二人連れが、しかし初々しい幸福感に溢れて、天使(ケルビム)のように手-を携えて入って来た。」
「ただ二行のルフラン「私はみじめだ。私はみじめだ(ク・サ・マ・フェ・マル)」が、-膠(にべ)もなく嗄(しわが)れ声で繰り返されるのもひとしおの効果だ。」
「後奏の消えた頃、ぱしっとコップの砕ける音がする。巧妙なしかしやや安っぽい演出で-はある。そしてその安っぽさのあわれの何とこの歌にふさわしいことか。」