1987年日本シリーズは10月24日開幕だったが、雨天中止で翌日10月25日に西武ライオンズ球場で開幕した。

 第1戦、西武ライオンズは投手陣の柱である東尾修が先発、読売ジャイアンツは西武サイドが警戒していた江川卓、槙原寛己ではなくこの年15勝を挙げた桑田真澄が先発。

 1回裏西武は日本シリーズ初先発桑田を攻め、秋山幸二のタイムリーなどで2点を先制、対する巨人は3回駒田徳広の二塁打、そして原辰徳、吉村禎章、篠塚利夫の3連打で同点とすると中畑清の2点本塁打で逆転に成功し一挙4点を挙げる。

 だが、3回裏西武は伊東勤のタイムリーヒットで1点を返して桑田をKOするものの、桑田の後を継いだベテラン加藤初、水野雄仁に抑えられる。

 さらに巨人は6回、代打岡崎郁のタイムリーヒットこの日2番起用の駒田徳広の本塁打で追加点を挙げて遂に東尾をKO、8回には鴻野淳基のタイムリーヒットでトドメ、最後は鹿取義隆か締めて第1戦は7対3で巨人が制した。

 第1戦を打撃で制した巨人であったが、西武は1枚も2枚も上手であった。東尾はボコボコに打たれたように見せかけて巨人打線の生きたデータを収集、実はこの第1戦で西武の勝利は決まったのかもしれない。


【クロマティ第1戦成績】

左越2 投ゴロ 二ゴロ、一ゴロ 中前安