1987年8月9日ナゴヤ球場、中日ドラゴンズドラフト1位の近藤真一投手が巨人を相手にプロ初登板にてノーヒットノーランを達成した。

 また日本シリーズでは西武ライオンズの工藤公康投手をほとんど打てなかった。

 この2件に代表されるように1987年の巨人は左投手が苦手だったとされている。

 昨今のプロ野球は右投げ左打ちの打者が激増しスタメンでズラーッと左打者が並んでいても珍しくない状況にあるがこの年の巨人打線を見てみると

(左)松本匡史 両

(遊)鴻野淳基 右

(中)クロマティ 左

(三)原辰徳 右

(右)吉村禎章 左

(二)篠塚利夫 左

(一)中畑清 右

(捕)山倉和博 右

 なおシーズン中盤から左翼手は左打者の駒田徳広がスタメンで起用されるようになり、遊撃手は左打者の岡崎郁との併用ではあったが比較的右打者左打者バランスの取れた打線と見受けられる。

 ただし右打者の原辰徳、中畑清、鴻野淳基、山倉和博あたりが左投手を得意としていたかと言われれば、その辺りは分からない。

 ではセ・リーグ他チームの左投手主力を見てみると

【広島東洋カープ】

川口和久

27試合12勝11敗0セーブ防御率2.95

大野豊

25試合13勝5敗0セーブ防御率2.93

【阪神タイガース】

仲田幸司

28試合8勝11敗0セーブ防御率3.93

猪俣隆

22試合5勝7敗0セーブ防御率2.94

山本和行

34試合2勝1敗9セーブ防御率4.31

【中日ドラゴンズ】

杉本正

28試合13勝9敗0セーブ防御率4.33

江本晃一

36試合3勝4敗0セーブ防御率4.08

近藤真一

11試合4勝5敗0セーブ防御率4.45

【横浜大洋ホエールズ】

木田勇

15試合0勝5敗0セーブ防御率7.65

新浦壽夫

25試合11勝12敗0セーブ防御率4.26

【ヤクルトスワローズ】

矢野和哉

28試合6勝6敗0セーブ防御率5.09

梶間健一

37試合0勝3敗2セーブ防御率4.01

 この中では広島の川口投手が巨人キラーとして有名だが、正直この中で川口投手以外に巨人を得意としていた印象のある投手がいないんですよね。

 翌1988年ならば巨人は優勝していないのでポロポロやられているというのは分かるんですが、この年は優勝していますからねぇ。

 やはり近藤投手と工藤投手にやられた印象が強かったという事なんですかね。