↑昨日、漁港まで行って綺麗な画像が
撮れました。





海はとても穏やかで綺麗だった。



二人で初めて乗った船…それが、

息子のレンの心を取り戻す船旅に

なるとは、思っていなかった。

ウンスは大泣きした。

ヨンはウンスがこんなに大声で

泣くのを初めて見た。

ヨンは、手から血が出る程、

握りしめていた。瞳も真っ赤に

充血している事も気付かなかった。

この喪失感は…ウンスの手を離し、

離れ離れになってしまった時に

似ていると思った。

あの宿屋でお互いの気持ちを確かめ合い

身体を重ねた時に授かったレン。

初めてあった時、年齢よりも小さ

かったのは、100年前で身体に

必要な食べ物が足りなかったのだと。

初めて食べたまんじゅうは美味かった

のだろうか?ウンスを気遣い、小さい

のに言葉は達者だった。

とぉしゃまと言うレンが健気で

我慢させた分、泣いていいんだよ?と

言った時、大泣きしたレン。

またか…俺は何度間違いを繰り返す

のだろう…レン…俺の息子…。


ウンスに言って操舵室に行った。

船は速くなったはずなのに、

時が経つのがとても遅く感じた。



将軍!!


いや…速いはずなのに遅く感じてな…。



奥方様は、大丈夫ですか?

こちらまで、泣き声が…。

大方の事は聞いております!

家にも三人の子がおりますが、

別け隔てなく可愛がってると

思ってますが、子供達には、そう

思えない時があるようです。

この仕事が好きなので

前は帰る時もまばらでした。

隊長は、所帯持ちには暇を出すと

申しましたが、隊長には、充分

すぎる位良くして貰っていたので、

海に出ておりました。

たまに帰ると我先にと子供等が

飛びついて来ました。

少しでも多く抱っこしてるだけで、

ぼくのことなんかきらいなんだ!

と拗ねてました。ほんの少しですよ?

それが子供の目安時間なんですかね。

長男は八才、長女は七才と年子で

妻は、大変だったと思います。

次男は五才ですが、難産で、

産まれてくるのが困難で、左足が

少しだけ不自由になりました。

気にする程ではないのですが、

やはり、歩き始めの頃は、

目が離せなかったですね。

手をかけるのは当たり前ですが、

上の子達は、我儘になり、

嫌だ!きらい!しか言いませんでした。

なだめるのに大変でした。

今は、大きくなりましたが、

国も平和になり、お父さんは、

お仕事に行かないの?と娘に

逆に邪魔者扱いですが、こんな風に

沖に行く時は、泣きながら

早く帰ってきてね!って。

家族って、良いものだと思いました。

いや〜、妻が育てたようなものですがね。



下の子の足は?


あっ、はい!隊長が、気にかけてくれ、

荒療治だと、よく連れ出して、

歩かせたり、泳がせたり、

そのおかげで、今は、走る事もできます!

釣った魚も届けてくれたり、

本当に世話になり、この方に

一生ついて行くと決めました!

将軍の所は、双子がお産まれになったと

聞いております。手がかかるでしょうが

皆は、将軍の所には乳母もいるから、

羨ましいと言っておりました。



いや、使用人はおるが、乳母は

いない!


あっ、すみません。

若様は、とても聡明で可愛くて、

鬼神と呼ばれる将軍が懐の中に

入れて、優しい顔でとても可愛がって

おると聞きましたが、なにゆえ、

このような事態に?


妻は笑顔の裏に何でも隠してしまう

ところがあって、レンは妻に似たので

あろう。聡明でいつも笑顔で、

双子も可愛がっておったが、

それに甘えてしまったようだ。

まだ二才なのに、全て隠したのを

気づいてやれなかった…

チュオンが気付いて、遊んでくれて、

それで、チュオンの後を追ったようなのだ。



ああ、なる程。うちの下の子も、

隊長が好きで、一度、一人で、

船に乗り込んだ事があります。

幸い停泊しておりましたので、

隊長が連れて来てくれました。

他の隊員の子供達とも全力で

遊んでくれるのです!


そうか…俺が手を抜いてしまった罰を

受けなければな…。



将軍?奥方様の側に!

まだ泣き声が聞こえてます!


ああ、本当にあんな大声で泣くのは

初めてで、己の愚かさを思い

知らされた。


将軍?家族の絆は、そうやって

できて行くものだと思っております!


そなた?名は?


水軍なぎさ1号操舵室長の

キム・ジハです!


そなたと話せて良かった!


いえ、こちらこそ、光栄極まりないです!



ヨンはウンスの所へ行った。

泣いてるウンスの肩を抱き寄せると

ウンスに聞いた。


なあ、ウンス?戻って来た時に

食べた饅頭は美味かったよな?



えっ?う、うん!レンに食べさせて

あげたかったの…。


俺にもレンはくれた。

今までで食べた饅頭の中で

一番美味かった!

レンはいつも、とおしゃまも!

かあしゃまも!と自分の事は、

後回しにしておらんか?

ロンとランは今だって、屋敷の者が

見てくれている。

俺達、少し焦りすぎたのではないか?

皆んなの力を借りれば、レンもこんな

思いをしなかったはずだ!

レンはウンスとよう似ておる。

笑顔の裏に何でも隠してしまう。

レンに会えたら、俺に任せて

くれないか?


ウッ…うん…わかった…。


二人は一睡もできず、朝を迎えた。



レンちゃん!起きろ!

サメを見たいんだろ?



う…ん…あ、あい…とおしゃまは?


いない!


うっ…


今から鮫退治だ!

近くに大きな鮫も来ている!

いいか?

大きな音がするが、驚くなよ?


あっあい!


甲板に行くと、チュオンが指さした。


近いな…


チュオンが大きな魚を遠くに投げると

サメが飛んで、バクッと食べた。



しゅごい…怖いでしゅ!



後退せよ!!


はいっ!!


船を下がらすと、


砲撃隊!今だ!撃てーー!!



ドンドンドンドドーン!


鮫の群れに数回撃ち込んだ。


鮫はバラバラになった。


船体の近くにいる鮫を

モリで撃て!!


了解!!


ビシュッビシュッビシュッ!


当たり一面が赤く染まった。


船を下げろーーっ!

周りを確認せよ!


はいっ!!

隊長!!此処には居ません!


もう一度、砲弾を撃ち込め!


ハイ!


ドンドンドンドドーン!


隊長!なぎさが来ました!


よし!網を繋げる準備をしろ!


はい!!




チュオンしゃん?バラバラのしゃめを

もってかえるの?



ああ!貴重な食料だ!

ヒレは乾燥させて、煮付けにすると

最高の食材だ!


しょですか…でもでも、レンは

たべましぇん!


隊長!!


おお、ジハか!網を繋いで、

バラバラになったサメと

そうでない奴を持ち帰るぞ!


はい!!



チュオン!!


は?ヨンか!今更何しにきおった!

咄嗟にレンを後ろに隠した


チュオンさん!レンは?


医仙様…。

泣き腫らした瞳が全てを物語るようだった。


レンには、たった一日離れた

とおしゃまとかあしゃまの

声が凄く懐かしく聞こえた。




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いよいよ会えます!

しかし、ヨンはどうする?

チュオンはマジギレしてますよ〜