屋敷にまた鳩が飛んで来た!



なっ…


ねえ?見つかったの?レンは?グスッ


チュオンの軍船に…


えっ?


行商の荷馬車に乗って、

隣り村に行き、食物の貯蔵庫に

居たらしい…戻るのは、二日後だと…

俺が育てる!諦めろ!

とも書いてある…。


そんな…家出したの?


駄目だ!今から、行って来る!

アイツの事だ!引き返して来る!

例え二日後でも、じっとして

おられない!


ヨン!私も行くわ!


奥様!大丈夫です!

坊ちゃまとお嬢様は、私達が

責任を持ってみています!


早く!若様の所へ!


ヨンとウンスはチュホンに乗って

隣り村まで飛ばして行った。



レンちゃん?腹が減っただろ?

飯を食うぞ!


あい…


ん?聞こえないぞ?男は、沢山食って、

大きな声で返事をするんだ!


飯を食うぞ!


あい!


よしっ!

ご馳走ではないぞ?でも、作ってくれる

人に感謝して食べるんだ!



あい!かあしゃまとむかしむかしに

いるときは、ちめたいごはんをたべて

ました。


くそっ!ヨンの奴!一生贅沢させるとか

言って、彼奴の言う事は信じられんな!



とおしゃまは、うそつきじゃないでしゅ。



レンちゃんは、本当に父さまが

好きなんだな?



チュオンしゃんもしゅきです!

そのおふく、どうちて?

チュオンしゃんだけ、キラキラが

いっぱいちゅいてるの?



レンちゃん!チュオン隊長は、

凄く偉い人で、強い人だから、

違うんだよ?それに美丈夫だから、

群がる娘達も多かったんだよ?

今もだけど。



すっかり、水軍のアイドルになった

レンに隊員が答えた。


びしょうぶん?



顔が良くて…格好が良いから、

町に出るとキャーキャー言われるんだよ?


あっ!イケメンでモテモテ?


い、いけめん?


医仙様が良く使う天界の言葉だ!

よしっ!レンちゃん?甲板に

出てみるぞ!



うわっ!しゅごぉーい!

チュオンしゃん?うみがおっきぃでしゅ。


だろ?こんなに広い海にいたら、

人間なんかちっぽけに見えるだろ?

おじさんは、この青く広い海から、

力を貰ってるんだぞ?


うみから?


ああ、自然というものは、

人に力をくれる!

レンちゃんも両手を広げて、

海になったように感じてごらん。



あい!


気持ちいいだろ?


あい!なんだか、レンもここが

ぽかぽかになってきました。


ん?丹田か?


レンね…おむねがいたいいたいでした。


そうか。悪い父さまだな?


とおしゃまは、わるくないでしゅ。

レン…へにゃへにゃになって、

ロンとランともおはなしできなくて…


それは、父さまと母さまが悪い!

レンちゃん?父さまの懐に

入ったのは、いつだ?

母さまにギュッとしてもらったのは?


えっと…えっと…わかんない…。


それだけ、長く入ってないと

言う事だ!

だがな、父さまにばかり頼らないで

こうやって、自然の力も借りればいい!

レンちゃんには、特別に教えてやる!

俺は海の神に認められた男だ!


かみしゃま?


ああ、俺が海の中に潜ったら、

長く出て来ないだろ?


あっ、しょです!


本当は、もっともっと長く海の底に

居られるんだぞ?


しゅごーい!


海の中でも普通にできるんだ。


どうちて?


昔な、海に潜ってて、意識を失った事が

あるんだ。その時、俺を助けて

くれたのが、海の神の奥方で、

とても美しい女人だった。

海の神は、言ったんだ!

人間が悪さしないように、俺に

力を授けるとな。

不思議な事に、大きな丸い泡が

俺を包んでくれるようになった!

これは、男の約束だ!誰にも

言うなよ?


あい!チュオンしゃんは、その

きれいな人に、こいしちゃったけど

うみのかみしゃまにおこられたんでしゅね?

ふりんは、だめだめってかあしゃまが

いってました。



はっ?いや、まあ、そう言う事に

しておくか!

ほら?もう少し、ぽかぽかにしろ!


あい!




クッシャロ村に着いたヨンとウンス。


チュオンの軍船が見当たらなかった。



ヨン?門を開いて!


それがな…俺も力が足りぬ!


あっ、そういえば、あれから

レンの事が心配で本気で愛し合って

いなかったわね…

ねえ?どうしよう?レンが

居なくなったら、生きていけないわ。


俺は最低だ!レンと会って、

まだ一年も経っておらぬ。

此処に戻って来るまで、レンの

存在すら知らなかった。

だから…俺にソックリな息子を

ウンスが連れて来て…泣く事も

我慢していたレンが愛おしくて、

堪らなかったのに…また、我慢

させてしもうた…クッ


私もよ…レンがお腹に居るだけで、

心強かったし、泣き言ばかり言って、

レンだって、まだ小さいのに、

我慢ばかりさせてしまって…グスン


一生贅沢させると言っておいて、

心を沈めてしもうた…


二日も離れたら、どうにかなりそう…


俺もだ…


ヨン!


アンジェ!


事情は聞いた!チュオンから

国防軍にも鳩が飛んで来た!

彼奴はいったい何匹鳩を手懐けて

おるんだ?ほら?



『レンちゃんが居ない寂しさを味わえ!

帰ったら、決闘だ!!』



まあ、チュオンが怒るのも仕方ない!

レンちゃんが可哀想だ!

二才の幼子が一人で此処まで

来たとは…ヨン!双子の方が

可愛いのなら、レンちゃんは、

チュオンの養子に出せ!


なっ、なんだと!

子供達は皆んな平等に可愛い!


そうは見えないがな?

お前?レンちゃんと居るより

ロンちゃんとランちゃんと

一緒に居る方が多いであろう?


し、仕方ないだろう?まだ

ひと月経ったばかりだ!


では、聞くが、最近、レンちゃんが

懐に居ないのは、なにゆえだ?

医仙様もです!最近、レンちゃんを

抱きしめてあげましたか?


クッ…


グスッ…ウッウッ…


彼奴なら…引き返すと思っておった。


阿呆か?お前も平和呆けしておるのか?

私的な事情と国民の生活が

かかっておる事情のどちらを優先させる?

チュオンは、そういう男だ!

お前は、違うのか?


すまん…今はレンの事で頭が

混乱しておる!


アンジェさん!お願い!

レンは、命より大切な子なの!


それは、嘘ですね!

ヨンと双子を残して、医仙様は、

死ねますか?

レンちゃんは生きてます!

生きて、より幸せな所で暮らした方が

良いのではありませんか?

レンちゃんは、チュオンを追って

来たんですよね?



えっ?


二人共、今日は屋敷に帰った方がいい!



海が、荒れたらどうするんだ!!


チュオンを見くびるな!!

バシン!!


アンジェに殴られたヨンだった。



あの…すみません…。

これから、隊長の軍船より小さい

ですが、鮫を片付ける網を積んで

サーシャ号と合流しますが?

チェ・ヨン将軍ですよね?

乗っていきますか?



サーシャ?


あっ、はい…噂では隊長の忘れられない

人の名を付けたとか…



お願いします!一日でも早くあの子の

側に行きたいんです!


アンジェ?悪いが、屋敷に寄って

双子を頼むと伝えてくれ!


わかった!


では、なぎさ1号にお乗り下さい!



こうして、ヨンとウンスは、

レンが乗ってる軍船へと向かった。



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アンジェにとガッツリ言われましたね?

チュオンの養子になる?

それより、サーシャって、海の女神様の

名前?シビアで格好良く、面白いチュオンです💗

レンも元気になってきましたね⤴️💕