ウダルチを増やすのに、
高麗中に新兵の貼り紙。50名は、
正直、見極めるのが大変だ!

チュンソクは、実技、入隊試験、面談の
準備に頭を痛めていた。
入隊希望者が300名以上いたからだ!

ヨンに泣きつく!
「大将軍、手助けをお願いします。」

「ウダルチの隊長は、お前だ!
残った者の実技は、俺が確認する!
それで良いか?」  

「お願いします。」 

「全て受かった者は、暫し様子を見よ!
駄目な奴は、迷わず取り消せ!
家柄や身分は15番目
縁故は105番目、まずは実力だ!
これは、変わらぬ!」

「はっ!」チュンソクは、気を引き締めた。 

その時、ジホが、来た!
海沿いに倭寇の船が来たと。

ヨンは、急ぎ王の所へ行った。

「海沿いに倭寇が現れたとの事です!」

「策はあるか?」

「正面突破です。妻も産み月に入りました。
時は、かけられませぬ故」

「あいわかった!まかせる!
しかし、医仙殿は、大丈夫であろうか?」

「この討伐が終わったならば、
暫く暇を」

「わかっておる!すぐに出立いたせ!」

ヨンは、禁軍200と、ウダルチ50の
兵を、率いて向かう!
テマンに
「すぐ、戻る故、絶対産むな!」と 
ウンスに言伝を頼むと、討伐に
向かった!

テマンは、屋敷に行くと、
寝たり起きたりの
ウンスを見て、申し訳なさそうに、
伝えた!

ウンスは、
「そう!わかったわ!早く戻ると
言ったなら、すぐに帰ってくるわ!
テマンも、早く行きなさい!」と

言われると、なかなか顔を出さずにいた
自分に、腹がたった!

大将軍と奥方様を守るつもりでいたのに、
俺は、何もやっていない!

甘えだ!いつまで経っても、
大将軍が何とかしてくれる!
奥方様は、しっかりしてるから!と
勝手に決めつけてた。
完全に遠くなってしまう事を
恐れていたのに…
俺は、何もやっていない。

ウンスに
「テマン!憂いていては、足踏みしてる
だけになるわ!早く行きなさい!」

テマンは、急ぎ大将軍の後を追う。

海沿いでは、上陸した倭寇と既に
戦いが始まっていた!

「行くぞ!」とチュンソクに一言言うと、
ヨンは、倭寇の中に斬り込んで行った!
チュンソクも後に続く!
次々と斬り捨てるその姿。
何年見てきただろう!
しかし、今までとは、遥かに違う!
息ひとつ切らさず、青白く光る剣で、
倭寇を片付けて行く。

「村に忍び込んだ奴等を捕えよ」と
言うと、
後は、後ろに下がれ〜!
と同時に剣を100隻程の船に向け、
大きな雷光を放つ!
一瞬で終わった。

村に忍び込んだ者達を捕らえ、
縄で縛ると、海に投げ込めと言った!
「王宮につれていかないのですか?」と
聞くと、
「斬首されるのは、決まっておる!
ここで、全て終わらせる」

全員、波打ち際に立たせて、
倒すと、雷光の影響が気えぬ海で、
みな、倒れて行く!
あとは、任せる!できるな?と
禁軍に言うと「帰るぞ!」と
馬に乗る。

何故?何故?これ程強い!
そして、ヨンはチュンソクに言う
「これくらいの数ならば、お前にも
充分倒せる力があるはずだ!
今後は、お前に任せる!」

「この討伐が終わったら、俺は
もっと大きな仕事がある故、
暫く王宮には、いかぬ!報告は、
お前が致せ!」
そう言うと、馬を飛ばし帰って行った。

屋敷に真っ直ぐ帰る。

門を開け中に入ると、ウンスが居た!

「ヨン!どうしたの?倭寇は?」

「急ぎ片付けてきた!
身体は?大事ないか?」

「随分はやかったのね。良かった。」 

「ああ、これから一番大事なウンスの
出産に備える!」

「出仕しなくて、大丈夫なの?」
「王の許可もとった故、案ずるな。」

今で言う、ヨンの育児休暇だ!