翌日の朝も幸せでいっぱいの
朝だった!

おはようの口づけをして、
朝餉に向かう!

やはり、前より食べれないようだ。

小分けにして、一日何度も
食べる!子供達の為に。

ヨンは、
ちとマンボの処へ行ってくる!と
出かけた。

ウンスは、また秘密の書に
考えながら記していた。

ヨンは、マンボに
鶏を数羽頼むと、乳母の話をした。

「若くなく口の固い乳母を探してくれ!」
と一応頼んでおく!
後は、倭寇の様子や攻め入る者が
いるか?聞くと、今のところは、
心配する事は、無い様だと聞き、
屋敷に向かう!

ウンスが書斎にいる時、
門を叩く者がいた!

「医仙様!医仙様!いらっしゃいますか!」 
泣き叫ぶ声だ!
スホンが門を開けると、
木の枝が腹部を貫かれた子供を
抱き抱えた母親らしき女人がいた!
「如何しましたか?」

「子供が、木から落ち枝が刺さり
意識がありません。どうか助けて下さい!」

スホンは、状況をウンスに話すと、
すぐ、薬草部屋に運んで!と言われ、
連れて行った。

そこに居た、トギ、サジュナ、
典医寺の二人も驚く!

トギは、手際良く麻酔の用意を
していた!
ウンスが大きなお腹で、
やって来ると、

「これを煮沸して!トギ、消毒の
準備をお願い!サジュナは、補佐して!
他の二人は、煮沸した道具を持ってきて!」
とテキパキと支持を出す!
子供を手術台に寝かせる。
枝を抜かなかったのは、正解だった!
そこへ、ヨンが走って来た!

「如何した?」
「ヨン!手を消毒して、手伝って!」
「あいわかった!」
「これは、あなたを刺した時と同じ傷、
まず、ユックリ枝を抜くわ!誰か火を用意
しておいて!」

トギが麻拂散をより効きやすく作った物で、
麻酔をかけた!枝を抜くと出血が多い。
鳩尾から臍にかけてメスを入れ開く!

胃に損傷はなく、やはり肝臓に傷が
付いてた!5、6才の男の子である!
手袋は、トギが大事にとって置いた奴を
消毒して使っていた。

子供の血管は細い!
「細い針は、あるかしら?止血するのに、
血管を焼くわ。」
肝臓の中に木の破片がないか?
確認すると、針を火で炙り、
血管を焼いて止血する。大きな血管は、
縫合する!どれ位の時が経っただろう!

ヨンは、俺の時もこんな凄い手術を
したのか?と驚くが、
それ以上に驚いているのは、
サジュナと典医寺の二人だ!

身体の臓器を目の当たりにしているのだ!
倒れるどころか食い入るように、
ウンスの手術をみる。
肝臓の縫合を
終わると、あとは腹を閉じるだけだ!
美容整形で培った技術、
傷跡が目立たぬ様に
流れるような手付きで縫っていく!

一瞬、顔をしかめたのをヨンは、
見逃さなかった!
「ウンス!腹が痛いのか?」
「黙って!あと少しだから!」
と、最後の縫合が終わると、
トギに抗生剤と痛み止めの薬湯を
後で飲ませるように言うと、
ウンスがフラついた!

ヨンが抱き上げ別室に連れて、
テーブルの上に寝かせる!

サジュナが母親に
「医仙様が無事手術を終えました。」と
告げると、すぐとなりの部屋へ走った。

ヨンが
「サジュナ!ウンスが!」
サジュナが、脈診をする!
お腹も確かめる。出血がないか確かめる。
足首が浮腫んでいた!

「旦那様、長時間の手術で、
立ちっぱなしだったので、お腹が張った
ようです。神経を使い血虚を起こした
ようですが、お子様に異常はありません。
すぐに薬湯を用意致します。薬湯を
飲ませたら、暫く安静になさって下さい。」

サジュナは、薬湯と鍼の準備に
取り掛かる。
ウンスが目を覚ますとヨンは

「無茶をして、驚いたぞ!」
「ヨン、ごめんなさい。はっ!お腹の子は?」
「異常ないそうだが、暫く安静が必要だ!」

サジュナの持ってきた薬湯を
ヨンが上手に飲ませる。
サジュナは、浮腫みとお腹の張りに効く、
鍼を施す。

「奥様、疲れで血虚を起こしたようです。
長時間立ちっぱなしだったので、
お腹が張ったのでしょう。今、治療致して
おりますので。終わりましたら、旦那様、
閨で休ませて下さい。」

「あいわかった!暫し安静だ!
良いな?ウンス!」
「うん、ごめんなさい。貴方の子に
何かあったらと思うと胸が潰れそう。」
「大事にいたらなかったのだ!
気に病むな!」
治療が終わるとヨンはウンスを抱き上げた。

母親がオロオロしていた。
「医仙様は、大丈夫ですか?
何かあったら、どうすれば良いのか…」

ヨンは、
「普通の身体ではない故、暫し安静に
すれば、大事ない!子供の手術は
上手くいった!」

「ありがとうございます。
ありがとうございます。」

典医寺の二人に「明日、典医寺に運び、
完治するまで診よ!と侍医に伝えろ!」

「畏まりました。医仙様は?
本当に大丈夫ですか?」

「サジュナがおる!案ずるな!」と

ウンスを抱いて閨へ行って寝かせた。