共同体の固有の特性
 現在の近代国家は、民族国家でもあり、特に中東では種族集合体や血縁集合体の対立や矛盾が、宗教と絡んで武力対立を深めている。各国家には、それぞれ歴史や地域性の異なる起源がある。すでに国家にはそれぞれ成立の起源があり、また別の形へと可変的に壊れては新たな集合体の在り方へと進んでいくものだといえる。そういえるのは、歴史が示しているからだ。
 
  そのあり方は、人間自身の知恵や要求や支配被支配、模倣などによって歴史的に決まってきている。その形が、地域性を広げて共通な概念を形成しながら、より良いと考えられる形式を模倣したり、接ぎ木したり、差し替えたり、破壊して積み上げらてきている。
 
   ただし、地域によりそれぞれ集合体の形式だけではなく、個々の集合体構成員の集団性の意識に相違があり、集合体観念の段階がどう保存されているか、あるいはどの部分が無意識な集団観念として共有されているか。集合体の形態と共有されてきている歴史的な集団観念の諸態様により、ある地域で獲得された共同体の形態とは異質の集団意識、あるいは集団的無意識が集合体の構成員の固有性となる。
 
  アジア的な集団意識を色濃く残している日本のような地域では、欧米思想を受け継いで移入しようとしても、そのまま当てはめることなどできない。時間をかけて自分たちが今まで遺制として集団的無意識の態様に合ったものへと、修正を余儀なくされていく。 着慣れない服を、自分の体やイメージに合わせて繕うように修正を加えていくしかない。
 
  そして長い時間をかけて馴染ませていく。この過程で、さらに集合体構成員の土俗的な意識が、連力や支配の構造とは対立したものを、新しく生み出すかもしれない。しかし、歴史は確実に「開く」という方向へと動かざるをえないだろう。