きものの魔法は約10年前に書いたものです
きものの魔法 7
8年間大学生だった息子がようやく社会人になって働き始めた時、私の誕生日に「これから誕生日に道明の帯締めをプレゼントする!」といってくれました。
道明(どうみょう)
道明の帯締めは、ククーッ!と良く締り、色が綺麗で組み方も豊富。着物を自分で着始めた頃からの憧れの帯締めです。上野池之端の店舗にズラ〜と列んだ和のグラデーションの中から選んで1本ずつ増やしていくのが夢でした。
若干無理やり公約にした感はあるのですが、今のところ公約を守ってくれてます。誕生月に一緒に上野に出かけるのがなによりの楽しみになっています。
この息子は洋服好きで、学生時代はアルバイト代のほとんどを洋服や靴につぎ込んでいたフトドキ者です。実家で、ご先祖に近所で評判の洒落者で着るものにお金をつぎ込んだ伊達者がいたという話を聞いて、「遺伝だー」と大喜び。
私の母はいさめたかったようですが、諦めたようです 笑
娘は靴フェチ。身長が170センチなのにハイヒール好きです。私は155センチしかないので、本当に大きく育ちました。娘と出かけた時、娘は初おろしの靴だったのですが、帰宅後の足を見て驚愕!! 私なら絶対裸足で歩いたと思うような酷い靴ずれでした。好きな靴を素敵に見せる為なら我慢するそうです。今もせっせと外反母趾の足にハイヒールで頑張っております。
着物もやせ我慢の美学とも言われます。洋服のおしゃれとは違う心意気が必要です。まず、着物は練習しないと着ることが出来ません。着るのに時間がかかります、慣れるまではかなり!昔はかなりゆる〜く簡単に着ていとようですが、現在の着物は普段着ではないので崩れないようキチンと着ないといけません。動きも自ずと制限はあります。やはり、着物での雑巾がけは辛いです。
夏の35℃超えの暑さでは、薄物の着物でも修行のよう。
それでも着物が好き、やせ我慢しても着物を着たいのが不思議です。”やせ我慢”とは必要のない我慢をする事だそうですが、苦しい時に平気を装ったり不快に思う時でもにこやかな顔でいる事は必要な時もあると思っています。
着物も同じ感覚があります。いつかは我慢と感じない・感じさせない、格好良い着物姿になりたいと願っています。