先日の広島遠征の際。
持っていった1冊。
まるで。
ゆるキャラのような容貌の。
【四月一日】(わたぬき)さんは。
語らない依頼者の心まで読み取り。
言葉を代わる代筆屋さん。
共に暮らす【ヤコ】さんは。
類い希なる美しい見た目ながら。
人当たりは、とてつもなく悪い。
そんな凸凹な2人が。
様々な事情を抱えて代筆を願い出る依頼者達に。
代筆以上の。
心の、人生の救いの一手を差し伸べる。
そして。
人が良すぎる程のお人好しの四月一日さんと。
不器用だけど実は優しいヤコさん。
そんな2人(?)には。
最後まで明かされない秘密が。
どうやら有るみたいで…。
代筆を依頼する人達の抱えた心模様。
その想いは。
誰しもに思い当たることばかりで。
ありきたりかもしれないけど。
当人には見えていないものが沢山有って。
それに気付かせてくれるのが。
この作品の中では。
四月一日さんだったりヤコさんだったり。
実は身近な誰かだったり。
とにかく読んでいて。
興味が途切れない作品でした。
危うく。
行きだけで読み切りそうになってしまったので。
無理矢理途中で止めた程です(笑)
その中で。
そんな2人に深く関わる事情を持った。
隣家の文房具屋さんを引き継ぐ。
双子の姉弟の弟が。
離婚した父に。
様々な想いを抱えたまま十数年ぶりに会いに行くという、とある青年に対し。
放った言葉。
『良いじゃないですか心が狭くたって。広くて浅い想いよりも、狭くて深い想いの方が、僕は好きですけどね』
に。
思わず涙腺が緩む。
私も常々。
自分の心が狭すぎて。
自分自身が嫌になる。
でも。
"私は私"と半ば強引に言い聞かせて。
どうにかやり過ごすことも有る。
それを。
肯定してくれる最大限の言葉。
狭くてもイイ。
1つ1つが私だと認めて。
代わりに大切で深い想いを。
本当に大切な人やものに注げたら。
それが。
きっと私なんだって。
いちいち深読みしちゃうのが。
私の悪い癖ですが。
これもまた私なので。
仕方ないです
とにかく。
心が温かくなる作品です。
何かに急かされ疲れた時に。
是非。
手にとって頂けたらと思います。
