おはようございます。

サイボーグ009生誕60周年の記念祭が終わったと思ったら、今度は008☆ピュンマの誕生祭だそうです。

しかも、日時は8月20日・・・

あと1週間しかないっ(笑)
(8月13日現在)

間に合えば参加しますので、アップされていたら間に合ったと思って下さい。
(笑)

・・・・・・・・・・


『ピュンマ、ピュンマ。起きて下さい、ピュンマ』

ピュンマは、若い女の人の声で起こされた。

『何だよリンダ。まだ6時前じゃあないか』と、眠い目を擦りながら半身を起こす。

〘リンダ・ジェロー〙は、僕の助手をやってくれている女性だ。
黒人である僕の研究に付き合ってくれる人は殆どなく、リンダが名乗りを上げてくれた時は、涙が出るくらい嬉しかったものだ。

『なんだいリンダ。今日の学会は13時からだろう?もう少しゆっくりさせてくれてもいいだろう』と言いながら、僕は大きな欠伸をする。

それはそうだ。昨夜は、論文をまとめるのに夜中の3時までかかったのだから、まだ眠いのは当然である。

((眠い?だれが・・?))


それでも起きてしまったピュンマは、やはり眠い目を擦りながら起き上がり、歯を磨き顔を洗う。

『ピュンマ。コーヒーは飲みますか?』とのリンダの問いに『もちろんだ。ミルクは多めでね』と、いつもの様に答える。

テーブルにつき、コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。

紙面には、テロやら戦争やらの活字が踊っていた。

そんな紙面を見ながら顔をしかめる。

『困ったものだ。いつまでも脆弱な資源を奪い合っていても仕方がない事に、なぜ首長達は気付かないのか・・・』と嘆く様に呟く。

そんなピュンマの呟きを聞いたリンダは、相槌を打つかの様に『そうですね。戦争をすればする程、貴重な資源は失われていくというのに』と言ったあと、2・3度首を振ってから、努めて明るい声で、『そんな事より、今日の学会ですよ。今日発表する内容が認められれば、世界のエネルギー事情は一気にひっくり返るのですから』と言いながら僕の横にやってきて背中を叩く。

僕も笑顔で『うん。そうだね。今は学会だ』と気合を入れる。

((それでいいのか・・・))


コーヒーを飲み終え、頭が冴えてきたピュンマはシャワーを浴び、学会の準備を始める。

リンダも同じく身支度を整え準備に入る。


「今日の学会が全てなんだ。これが上手くいけば、僕はもちろん、貧しい故郷の人々の救いにもなれるんだ」と、自分に言い聞かせる様に、黙々も準備を進めていく。


((今は戦う時だ・・・))


不意に『なんだよ、さっきから。うるさいぞ』と、ピュンマが拳を握り締めて上に向かって叫ぶ。

驚いたリンダが僕の側に駆け寄ってきた。

『どうしたんですか?ピュンマ』

リンダの声で我に返ったピュンマは、ふぅ〜と大きなため息をついたあと、『いや、なんでもないんだ』と、リンダを安心させるかの様に静かに笑顔で答える。


((君は何処にいるんだ・・・))



最近頭の中で、誰がが囁くんだ。

「君は何処にいるんだ?」とか「君は誰だ?」とか「戦え」とか。

僕には意味がさっぱり分からない。

僕は僕だ。
新進気鋭の海洋学者のピュンマだ。

そして僕は、今日画期的なエネルギー開発による、地球温暖化の制限と環境の改善案を発表する予定なのだ。

誰だか分からない声の主に惑わされる訳にはいかないんだ。

少し俯き、真剣な顔をしているピュンマにリンダは声をかける。

『どうしたのですか?ピュンマ。今日は変ですよ。緊張しているの?』と優しく寄り添い、左肩に手を添える。

ピュンマは首を振り、『いや、なんでもないんだ。本当に何でも』と、何かを振り切るかの様に答え、立ち上がって『さぁ、出かけようか』と笑顔でリンダの方を向く。


((君は・・・それが君の理想なのか))


そう頭の中でした声に、「あぁそうだ。この海洋学者としての人生が、僕の理想なんた」と噛み締める様に答える。


仕度を終え、ピュンマはリンダの運転する車で学会会場に急ぐ。

会場に到着したピュンマは、車をリンダに任せて先に会場に入っていく。

セキュリティにパスを見せると、『ピュンマ博士でありますね。こちらへどうぞ』と、SPの1人に先導され建物の中に入っていく。

『こちらの部屋で待機していて下さい』と言われ、ヨーロッパ王宮貴族風の部屋に通される。

部屋をひと回り見たあと、『こんな豪華な部屋でなくてもいいんだがな』と呟くも、大きなソファに座り込み、大きく深呼吸をする。


ようやくだ。
ようやくここに辿り着いた。

長い道のりだった。

大学を出て大学院に進み、黒人だと揶揄されながらも実績を積み重ね、ようやく学会で発表出来るまでになったのだ。

誰にも邪魔されたく無かった。


((今が君の思う最高の時なんだね))


そうさ。
今この時の為に、僕は頑張ってきたんだ。

そう自分に言い聞かせながら、ピュンマは部屋を出ていく。


『次の発表は、新進気鋭の海洋学者、ピュンマ博士であります』とアナウンスされると、一段と精悍な顔つきになり、壇上へと歩いていく。

途中、関係者の席にリンダの姿を見つけ、少し緊張がほぐれるピュンマ。

『私は、、、日本の駿河湾の最深部に堆積していた岩石群の中から、水素と反応して莫大なエネルギーを発生する鉱物を発見したのです。それを私は【PerMI】と名付けました。この【PerMI】は、ある触媒を介する事で低温で水素と反応し、従来の水素核融合エネルギーの数百倍のエネルギーを発生する事が分かりました』
興奮していたのか喉はカラカラで、ここで水を少し口に含む。

そして、気持ちが落ち着いたピュンマは、さらに発表を続けていく。

発表は30分近くに及び、内容が内容だけに、各国の学者やエージェントが必死にメモしていく。

そして、『以上であります』と言い頭を下げると、会場のアチコチから拍手が上がり、安心したかの様な優しい顔つきになったピュンマは、壇上からゆっくり降りていく。


控室で大きく息を吐いていると、ドアが開いてリンダが入ってきた。


リンダは少し寂しそうな顔をしている。

そんなリンダに『顔を上げて。君にそんな顔は似合わないよ』と語りかける。

そんなピュンマの胸に顔を埋めるリンダ。そして言う。

『貴方はこれで帰ってしまうのですか?もう会えないの?』と。

『え?何を言って・・・』と、ここまで言うと、ピュンマは左手を頭に当て、『なんだ?なんだ、この違和感は・・・』と、しばらく俯いていると、思い出した様に前を向いた。

『そ、、そ・う・だ。僕は君たちに召喚されて・・・』


((そうだ。思い出したのか。ピュンマ))


頭の中の声と自分の思いを確認し、ピュンマはリンダの肩を抱き締めながら、『これが君との約束なんだろう?』と優しく語ると、リンダは黙って頷く。


そうなのだ。

ピュンマがこの世界に召喚された時の約束が、〘この資源やエネルギーの枯渇した、貴方達と同じだけど違う地球というこの世界を救う手助けをして欲しい〙という事だったのだ。

そしてピュンマは、まだあまり手が入っていない海洋に着目し、大々的な調査を行い研究し、【PerMI】の存在を発見・究明し発表したのだった。


しかし、それはリンダとの別れを意味するものでもあった。

そしてピュンマは、全てを思い出した。


僕はブラックゴーストとの戦いのあと自室に戻ると、このリンダが眩い光の中から現れてこう言ったのだった。


『私達とは別の地球の方、どうぞ私達の地球をお救い下さい』と。

『私達の地球とは別の地球だって?何を言っているんだ?』と聞き返した事を。

そしてリンダは『この世界には、同じ物が3つは存在しているのです。次元の軸の違う世界が。そして、貴方様がいるこの地球という世界と平行して、私達の地球も存在しているのです』と言い、さらに『私達の地球は、今が深刻なエネルギー不足に直面しているのです。石炭や石油なとの地下資源はもうすぐ枯渇し、自然エネルギーだけでは我が人類は生きていけないのです』と続けた。

そして、両手を胸の前で組み頭を下げて、『どうかこの世界の地球の方よ。我が世界の地球をお救い下さい』と再度お願いしてきたので、根負けしたピュンマは、『分かりました。今、博士に理由を話して来ます』と言って部屋を出ていく。

そして、1時間ほどしてピュンマは戻ってきて言った。

『僕はいま、この地球で悪の組織ブラックゴーストと戦っている戦士なのです。だから、貴女方の世界の地球を救ったあとは、コチラの世界の地球に戻らせてもらいます』と言い切った。

リンダは頷き、『それでは参りましょう』と言い、光っているペンダントの前にピュンマと自分の手を共にかざし、『平行世界の我が地球へ、この者と共に!!』と叫ぶと、眩い光が2人を包み、次の瞬間2人の姿はピュンマの部屋から消えていたのだ。



そのあとのピュンマは、リンダの世界の地球に来てからいろいろと調べ、今の自分の知識ではどうしようも出来ない事を悟り、リンダの力も借りて大学から学び直していたのだ。


問題は、使命は覚えていたのだが、自分は別の世界の地球から来たサイボーグ戦士だという事を忘れてしまっていた事だ。

しかし、完璧な忘却などなく、常にサイボーグ008としての意識が顔を覗かせていたのである。

それが、あの頭の中で呟いていた声の正体である。


しかし、真実を思い出したピュンマは、研究の成果野全てをリンダに託し、リンダ達の地球の転位祭壇に戻ってきてリンダに告げる。


『リンダ。僕はもう行くよ。君なら大丈夫。この世界の英雄にもなれるから、しっかりやるんだよ』と。

リンダは目を真っ赤にしながら頷き、『あなたも。ピュンマ。貴方の世界の地球が平和になる様に祈っているわ』と言ったあと、両手を広げてピュンマに抱きつく。

ピュンマもリンダを抱きしめ、耳元で囁く。


『好きだよリンダ。楽しかった』と。

その直後、ピュンマはまた眩い光に包まれ、気が付いた時は、自室のベッドの上に立っていた。


『あぁ、戻ってきたんだ』と呟き、顔をひと叩きして気合を入れてから博士に報告しに部屋を出て行った・・・





・・・・・・・・・・・


はい。ピュンマのお話は、インテリなピュンマに合わせたお話にしてみました。

あまりないロマンスも込みで(笑)


今回は、途中途中でいろんなエピソードを混ぜながら書いたので、まとまりのない話しになりましたが、こんなピュンマもいいのでは〜〜?!\⁠(⁠^⁠o⁠^⁠)⁠/

サイボーグ008ピュンマ

誕生日おめでとうございます(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)