1989年から1993年のアメリカ・モンタナ州を舞台に、レズビアンである主人公のキャメロン・ポストの中学~高校時代の恋愛と、その結果送られてしまう事になるキリスト教“矯正”施設での生活を描いた青春小説です。

急がないでゆっくり読んでいたせいもあるけど、正直に言って最近読んだ英語の本の中で一番読み進めるのに苦労しました。内容がどうこう言うよりも、90年代初頭のアメリカ文化を反映した語彙が普段私が接している文章と全く違っていて、アメリカの商品名なんかも沢山出てきて.

それが比ゆ的に使われてたりするので、すぐに検索しながら読めるキンドル版じゃなかったら挫折してたと思います(^^)ゞ

 

 

それでは、超個人的感想文です。

 

レズビアンの少女の話と言う事で、あまり感情移入できないだろうなって思って読み始めたけど、意外と共感できた。多分、主人公が自分の性的指向を感じてしまうことにとっても慎重で、でもいざとなると積極的な所が若い時の自分に似てるからだと思った。

 

 

あと、矯正施設でのエピソードで分かり過ぎるところがあった。ゆ~き的ダイジェスト訳するね。

 

矯正施設のカウンセラーの言葉。

「同性愛は妄想だ」

「同性愛と言うアイデンティティーなど存在しない。それはゲイ・ライツ活動家が叫ぶ、正しい在り方に対する反抗に過ぎない」

同性愛を性自認に置き換えたら、ツイッターで今トランスジェンダーに投げつけられている言葉とあまりも似ていると思いました。.

 

矯正教育に対するキャメロンや施設で出来た友人の感想。

「施設でのカウンセリングは、自分の過去が“正しくない”過去だったと思わせるためのもの」

「施設に来る前の友人、過去、現実から切り離された状態は、あなたを琥珀に閉じ込められた太古の昆虫にしてしまう」

「そして、たとえ無傷で琥珀の檻から解放されても、過去から切り離された新世界に解き放たれて繰り返し躓くしかない」

「施設で教えられるのは一言で言うと“Hate yourelf”」

全体的には、それでもどっこい何とか楽しく生きているんだけど、それだけに家族からも教会からも否定されて、自己否定を「強制」される青春の悲しさに胸が締め付けられます。

 

 

それでも、青春小説らしい爽やかさと初々しさが読んでいて楽しい小説でした。今年、日本語翻訳のプロジェクトがクラウド・ファンディングで成立しているので、しばらくしたら日本語版が発売になると思います。それからクロエ・モレッツ(映画「キック・アス」の女の子)を主人公に映画化もされていて、日本語版のDVDもあるみたいですよ。