表題の件について、東京都がパブリックコメントを募集しています。こういったものはまずは数多くの意見が集まることが重要です。残念ながら男女平等や性的マイノリティー差別禁止には組織的に反対意見を送る政治団体・宗教団体もあります。ロビー活動も同時に行うのでかなり強敵です(学習指導要領の改訂の際には、性教育・LGBTの取り扱いなどを求める声が圧倒的多数だったのに、保守的な反対意見に押しつぶされています)。

 

 

昨年成立したいわゆる「東京都人権尊重条例」に「性自認・性的指向に基づく差別禁止」が盛り込まれましたが、条例自体では具体的な計画や罰則には触れていなくて「基本計画を定める」ことが示されているだけです。

 

ここで実効性の伴う計画案にならなかった場合、最悪は東京オリンピックのイメージアップのためのピンク・ウォッシュ(他の重要な人権侵害などを誤魔化すためにLGBT差別に取り組んで見せること)に堕してしまう可能性があります。

 

 

基本計画の概要と良い点・改善を望みたい点については、次の記事が分かりやすかったです。

HuffPostの記事のリンク

 

パブリックコメントの提出方法、注意点などはこちらを確認してください。

東京都HPの該当部分

 

 

参考までに、わたしのパブリックコメントを以下に載せておきます

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東京都性自認及び性的指向に関する基本計画素案への意見

 

ikenboshu2-jinken@section.metro.tokyo.jp

 

計画案p1 2●

「差別の解消」の為に、差別的取り扱いに罰則を設けるべきだと考えます。その為の行動案の策定を明文化するべきだと考えます。

理由 禁止規定に実効性を持たせる為に不可欠だから。

 

計画案p1 2●

差別的取り扱いを受けた際に相談できる都の窓口を設けるべきだと考えます

理由 実際に差別的な取り扱いを受けた際の専門の相談先が現状では無い。緊急性が高いと思います。

 

計画案p1 2●

基本計画を定める際には、できるだけ多様な性自認・性的指向の当事者が関わる会議体が必要だと考えます。

理由 マイノリティの為の施策は当事者抜きで決めるべきではない上、性自認・性的指向は多様なのでなるべく多くの当事者の声を拾い上げるべきだから。

 

計画案p1 4●

今後の方向性を明らかにする上で、パートナーシップ条例の制定に向けて行動する事を明記するべきだと考えます。

理由 同性婚が事実上許可されないのは明らかに性的指向に基づく差別的な運用であって、都として出来る範囲で平等に向けた取り組みをするべきだと考えます。

 

万が一、基本計画が実効性・具体性に乏しい場合には、東京オリンピックに向けた"単なるピンクウォッシュ"と言う批判を受けかねません。素晴らしい条例ですから、是非とも実効性のある物にして頂きたいと思います。

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わたしの上記パブリックコメントの(2)~(4)に関しては、「基本計画案2-(2)施策の柱」を該当部分とした方が良いかもしれません。

 

 

自分で提出してみて、困ったこと。

 

①「該当箇所・意見内容・理由」をそれぞれ記載して…とあり、基本計画案が50ページを超える文章の為にかなり面倒。しかも、一番望みたい「罰則規定の制定に向けた行動案の明記」についてはどこにも触れられていないので該当箇所を指定しにくかったです。

 

②iPhoneのメールアプリからは送信に工夫が必要

宛先アドレスが長すぎる上に東京都HPでは @ → (at) と書き換えてあるため、メールアプリ上でアドレスを編集すると@以降が削除されてしまう。

回避するには、(1)メモアプリに一度アドレスをコピー、(2) (at) → @に書き換え、(3) メモアプリ上でアドレスをタップしてメールアプリを立ち上げ、でアドレスが正しく入力された状態になりました。

 

 

意見の募集締め切りは9/30(月)までです。郵送、FAX、メール本文(添付ファイル禁止)で受け付けています。オリンピックが終わった後にSOGI差別禁止の流れがしぼんでしまわないためにも、今ここで行動する事が大事だと思います。意見を出せる方は、提出していただけるとより良い未来づくりに貢献できると思います。よろしくお願いいたします。