なんか最近は読んだ本の報告ブログになりつつある(^_^)a


アウシュビッツ収容所に収容された体験を、精神科医である立場から振り返った古典的名著「夜と霧」を読んだ。

まず、読んでみようと思った経緯から。

このあいだ、人は周囲にいる人に影響され似てくる、しかも敵対者にも…という話を読んで、ツイッターでの相変わらずのトランス女性排除の騒ぎから、わたし自身も怒り、悲しみに苛まれる内にああ言った人達に似てきたらどうしよう、と言う不安を感じました。

直感だけど「夜と霧」はそんな時にピッタリの本な気がしたので読んでみました。


読んだ人も多いと思うし、わたしが解説するまでも無いと思うけど…

収容所の中、止むに止まれぬ命懸けの状況でも、人は正しくも居られるけれど、それはその人が、自分だけが経験する"人生の瞬間"にどう行動するかで決まる。

その心理的な過程を描く後半部分が、圧倒的な力強さと美しさで迫ってきます。

最初の方に「良い人は誰も帰ってこなかった」ってサラッと書いてあった。苦しみと死の確信しか残されていない状況の中で、「正しく苦しみ抜いて死ぬ事をも含めた、生命の意味」を見つめた本でした。


心が疲れてたから、最初の方でメゲそうになったけど、読んで良かったです。

国家の主権を超えて普遍的に人権がある、と言う考え方を生むきっかけになった悲劇を扱った本です。

人権と言う考え方を嫌い、人は違った扱いを受けるのが当然だと考える人が増えている今の日本で、もう一度振り返って読んでみる価値のある本だと思いました。