この本には、運のいい人は「自分は運がいい」と思い込むと書いてありました。

改めて振り返ると自分は「運がいい」のではと感じました。


今回のすい臓がんが早期に見つかり手術できたこと、良い先生方に恵まれたことも「運がいい」と改めて思います。

4年前、眼科に行った際「網膜が捲れて剥がれかかっている。今すぐアイセンターに行って」と危うく右眼の視野が無くなるところでした。


過去を振り返ると

学生の頃から山登りばかりしていて、当時は深く考えなかったけれど、たまたま運良く命拾いしています。3回も。


改めて当時の事を思い出し、会報やルート図、写真を見ながらじっくり考えました。


21歳

アプローチのリッジに飛び移る際にシュルンドに落ち、雪溪の下に滑り込むが滝の手前で運良く止まる。

23歳

登攀中に突然頭上の岩が剥がれ落ちて、ヘルメット後頭部とザックに当たる。

40歳

沢登りで道に迷い崖に転落するが、たまたますぐ下のテラスで止まる。


いずれも運良く命拾いしたものです。

改めてよくよく考えたら危なかった。今まで深く考察しなかったけど、親不孝、家族不幸するところでした。

 

今までの幸運に感謝して大切に生きていこうと思います。


以下、———————————

投稿するにあたり、追悼文集を改めて読みました。ほんの少しの違いで怪我も無かった自分がいる。3度も幸運に恵まれた事をボンヤリとしか感じていなかった。この幸運に感謝して精一杯生きていこう思います。


——— 詳細 -----------------

21歳
谷川岳一ノ倉沢凹状ルートに登りに行った際、アプローチのテールリッジへの飛び移りに失敗。シュルンドに落ちてウォータースライダーのように岩床と残雪の間を滑り落ちた。「あぁ〜もう出て来れないのか」と覚悟していたら傾斜の緩い所で運良く止まった。

 

 


23歳
谷川岳一ノ倉沢衝立岩雲稜第二ルート
ハング下を登攀中、5メートルほど上から長さ80cm、巾30cm位の岩が前触れも無く剥がれ落ちて!へルメット後頭部とザックに当たる。衝立岩は傾斜が強く全体に被っているのが幸いして直撃は避けられた。もし傾斜が緩ければ頭に直撃して墜落していたはず。下で確保していたパートナーは岩が当たって私は「死んだ」と思ったらしい。



40歳

扇ノ山岸田川三倉谷
一泊の予定で初めて遡行する沢に出かけたが、ルートが分からず藪漕ぎをしながらやっと林道にでた。相当に疲れていたが、先の道の偵察にと歩いていると突然道がなくなり下に落ちた。たまたますぐ下のテラスで止まったが、その下が全く見えないくらい切れ込んでいる。
3週間後、会の先輩に同行してもらい、50mロープで懸垂下降したが、まだ下が見えないほどの崖になっていた。もし転落していたら、誰にも遭難地点が分からず死亡し、行方不明になっていただろう。会の仲間や警察に大迷惑をかけていたはずだ。