「秋風に乗って」


何年経ったんだろう

冷たい風の日だった


野良猫のくせに

ドンクサイ

長いお髭

フサフサの尻尾に

短い手足


臆病で神経質

短気で寂しがり


猫太郎🐈‍⬛と勝手に呼んでたけど

女の子だった


大昔

ボクに似てると言って

同級生から

100万回生きたねこ?

って絵本をもらった事があったが

そんな風な不思議な子だった


待ち伏せして

勝手に部屋へ上がり込んでは

ニャーニャーと

キレ気味にごはんを急かす


野良猫稼業は

楽じゃねーだろうけど

そーあたるなよ


いつもひとりで

人間っぽくて

なんか化猫みたいで

ちょっと不思議なキミは


どこかボクと似てたね


あっ

100万回生きたねこ!

ほんとだ


でも

あのストーリー

どんなだったろう?

忘れてしまった


いつもごはん食べると

すぐに出て行ってたんだけど


いろんなお話をした夜


キミはお母さんを覚えているかい?

と聞いた夜


キミはボクのお腹をモミモミして

そこでそのまま眠ったね


柔らかくて

ほんのりあったかくて

呼吸していた


大切な命


キミとずっと一緒にいたかったよ




今朝は長袖を羽織った



どうかどうか

どこかで元気でいますように


AkisunMade