※画像はすべてお借りしました。また、この記事は中国の複数の報道を元に書いています。
※例によって長文乱文です。
(事件概要)
ここ数日、上海のとあるインター校で子ども達の給食に関する衝撃的な事件が起こっています。厨房から腐乱した玉葱やカビの生えたトマト、消費期限切れの調味料が発見されたり、これに前後して同じサプライヤーを利用している別の学校の複数の生徒に嘔吐や下痢等の(食中毒に似た)症状が現れる等しています。また、この給食のサプライヤーは上海市内にあるインター校の給食供給元としては二大大手の一つで、同じ供給元を利用しているその他の学校にも影響が広がっています。この事件については国家市场监管总局や教育部等も重視しており、上海市の食品药品监管局や上海市教育委員会に直ちに調査を始めるよう命じました。この事件はまだまだ波紋を広げそうです。
(事件の経過)
こちらが事件の発端になった画像です。上海中芯国际小学で2018年10月17日に出された給食です。
この学校の保護者の方はこの日たまたまお昼時間中に子どもの様子を見に行って、給食の質と量がおかしいことに気づいたそうです。確かに学校が発表しているメニューと実際に提供されている給食にはかなり大きな差があるように見えます。。。こちらの学校は年に十数万元も学費がかかり、給食費は(計算上は)一日平均24元かかっているそうです。これはひどい。。。
この学校の保護者のグループチャットは瞬く間に怒りのメッセージでいっぱいになったようです。「学校に給食のサプライヤーを替えるよう強く要求する」「酷すぎる…酷すぎる…」「学校の給食を食べずに(お弁当を)持参したらダメなの?この24元で子どもに(もっとまともな食事を)作ってあげるのに」等。
“栄養満点ランチ”の画像を背に憮然とする校長先生の図は中々シュールです。失礼ですが、この校長先生すごく人相が悪く見えます


怒った保護者はすぐにこれらの光景を写真に収め、警察に通報したそうです。その夜再度緊急保護者会が開かれ、学校の校董(たぶん校長先生より偉い)も北京から駆けつけ、即刻サプライヤーを替える・学校の運営会社本部のサプライヤーが給食を一週間提供する・厨房を開放式に変え、新しいサプライヤーが入札できるようにする等の解決案を提示し、保護者達の肯定を得られました。



この保護者会のやり取りも酷くて、保護者代表が学校に対し解決方法を示す(サプライヤーを替える、適切な監督の仕組みを作る、そしてこれらの全過程に家委[日本で言うPTA役員のような保護者]が参与する)よう要求したら、校長が「あなたはリーダーになったことがないでしょう? 私は監督できると言ったんです、あなたはこれ以上どうしようというんですか!」「じゃああなた達が改善策を出してくださいよ!」等と逆ギレしたそうです。
その後、保護者が厨房を見学させるよう要求したところ、サプライヤーの担当者は少しも迷うことなく校長に「私は問題ないと思います!」と伝えたそうです。
その日の夕方学校の厨房で保護者達が目にしたものは、信じ難い光景でした…
腐った玉葱

カビの生えたトマト

しかも、厨房の中にいたサプライヤーの社員は「これは华师双语(华东师范大学附属双语学校)のだから」と言い放ちました
この時の動画も拡散しています。 偶然なのか何なのか、この华师双语学校では10月19日までに初等部11名、中等部22名の生徒が嘔吐や下痢で欠席しており、初等部は二次感染を防ぐためという名目で臨時休校となりました。

時空を超えた食材

撮影日は19日なのに、生産/加工/開封日は2018年10月20日と書かれています。
消費期限が切れている調味料

(しかも嘘の消費期限が書かれたラベルが貼られている)
消費期限切れかけの肉製品

汚れた食器

尚、昨日のニュースによりますと上の画像に出ていた校長先生はクビになってしまったそうです

今回の事件を受けて、同じサプライヤーを利用している上海Concordia国际(上海协和国际学校)の保護者達が早朝学校の厨房に突撃したところ、ちょうど大量の賞味期限切れのパンを処分している最中だったそうです





(問題のサプライヤーについて)
中芯国际小学の給食のアウトソーシングを請け負っていた上海怡乐食食品科技有限公司はCompassというイギリスに本部を置くグローバル企業が100%株式を保有する子会社で、上海市内で有名インター校を含む29校の給食のアウトソーシングを請け負っていたそうです。調査の結果、29校の内3校で異常が見つかったそうです(上海中芯国际小学/上海协和国际学校/上海市民办中芯盛大幼儿园)。この3校については上海怡乐食による給食の提供を即刻停止するよう政府から命令が下り、食品安全に関わる違法行為があったとして上海怡乐食は捜査されることになりました。华师双语で異常が見つかったという記事は今のところ見当たらないですね、、、
Compassは社員食堂や学校給食や病院食のアウトソーシングを請け負うB2Bビジネスを行なっており、Fortune Magazineで世界のトップ企業500にも選ばれている巨大企業なのだそうです。Compassの三大ブランドの中で今回問題となった怡乐食(Eurest)は元々は企業向けで、上海の金融機関勤務の友人によりますと、とある外資系金融機関の社員食堂の供給元も怡乐食で、その友人の友人は社食に虫が入っていたりカビが生えた食材が入っていたりしたことがあると言っていたそうです
上海怡乐食は過去にも信用記録に問題が見られたり社員との間に労働問題が起こったりしているみたいです。Compassのもう一つのブランド(Chartwells)は学校向けに特化しており、フランスのSodexoという会社と並んで世界的に有名な学校給食のサプライヤーなのだそうです。

私も小学生の息子を育てている身として、保護者の方々の怒りと悲しみは痛いほどよくわかります。愛する子どもの為に一生懸命学校を吟味して選んで高い学費を払って、結果こんな仕打ちを受けたとしたらやり切れません…
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食べることは生きることです。子ども達の健やかな成長の為には美味しくて栄養のある食事が欠かせないのに、上のような食事は論外です。何故私がこの事件にここまで関心を持ったかと言うと、一つには上海の友人達がこの事件に関する報道をシェアしてくれたこと、もう一つは息子が今通っている香港系の学校でも最近給食の質が悪いらしいと噂になっていたことがあります。息子も転校した当初から「給食が不味い」と言っており、最初は広東の味付けが口に合わないのだと思っていました
ただ、同じ学校の保護者の方からも最近給食の評判が良くないと聞いて、私はまだ一度も今の学校の給食の様子を見れていないので心配していました。息子に一番上の画像を見せたところ、「ここまで酷くはない」と言っていましたし、保護者の方の中には「香港人は食品衛生を重視しているからこの学校もそんなに酷いはずはない」という楽観的な意見を持つ方も見られます。しかし、今後学校の厨房への参観や厨房を監督するボランティア等が組織された時には積極的に参加したいと思っています。

実は上海にいた時も、学校の給食に関する問題はよく耳にしていました。息子が通っていた某アメリカ系インターでも、給食の餃子が十分に加熱されていなかった等の問題が発覚し保護者の方が交代で厨房を監督したことがあったそうです。
私が最近よく考えているのは、教育を単なるお金儲けの手段としか考えていないような輩が多すぎるという問題です。中国では特に顕著だと思います。深センでもどんどん新しいインター校ができていて、学費も年20万元とかザラです。しかし、本当に学費相応のリターンが得られるのかな?これらの高額な学費はほとんどは生徒に還元されず教職員にも還元されず、ごく少数の学校の偉い人達の懐に吸い込まれているのでは?と疑問に思います。この疑問には内部情報に基づく根拠もあるのですがここには書けませんすみません。ご質問いただいてもお答えできませんすみません。思わせぶりで申し訳ございません





深センのインターについては今年合同説明会に参加して思うことがあったので、もし需要がありそうなら(INポイント200くらいが目安かな笑)改めて記事を書きたいと思います。
今回具合が悪くなってしまったお子さん達の早期の回復を祈っております。゚(゚´ω`゚)゚。
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