※中国広東省深セン市で子育てをしています。息子は小学2年生で、ローカルの学校に通っています。こちらの記事内の会話及びメッセージはすべて中国語で交わされています。超長文です。
先日午後、息子の担任の先生から、息子の顔にクラスメイトの子が持っていたペンの先が当たってしまい、軽い怪我をしたと連絡が来ました。先生が送ってくださった写真には、息子の左眉の辺りから額にかけてペンで引っ掻いた傷ができて、軽く血が滲んでいました








息子は大泣きしたそうです(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)










先生が送ってくださった文章はやや意味不明な部分があり、相手の子が故意だったのかどうなのかについてもいまいち判断がつきませんでした。、状況説明の中に「この子はやんちゃで注意しても聞かなかった」といった文面があったので、その時は相手の子の過失度が高いかもしれないと思いました。担任の先生にはすぐにそちらに向かいますと伝えました。
私は大学の先生に事情を説明して早退させてもらい、息子の通う学校へ向かいました。
相手の子のお母さんからもすぐにwe chatで連絡が来て、その文面の中にも「私の息子がふざけている時に息子さんを傷付けてしまった」とあったので、その方からは同時に謝罪の言葉もあったものの、「もし目に当たっていたら失明していたかもしれません。この件は小さい事ではないと思います。直ちに息子さんを許すことはできません。私は今学校へ向かっているので、詳しい状況を確認して先生と主人と相談してからご連絡します」と返しました。相手のお母さんは、「あなたの処理に任せます」とのことでした。
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学校へ着いたのは放課後すぐだったのですが、息子は他のクラスメイト達と一緒に宿題をしているところでした。息子を教室の外に呼んで傷を見せてもらったところ、写真で見るよりは浅かったので少し安心しました。しかし傷の長さは6-7cm程ありました。事件の後すぐに医務室で消毒していただいたことは担任の先生から伺っていました。
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担任の先生が相手の子を連れて来て、まずは謝罪をして事情を説明するように促しました…が、私はこの時「相手の子の親御さんがいない場で私と相手の子が話をするのは公平でなく、相手の子が不利になりかわいそうなのではないか」と思いました。相手の子も、私から叱責を受けると思ったのか、強張った表情をしていたのでますますかわいそうだと思いました。
しかも、よくよく話を聞いてみると、息子にも全く非がなかった訳ではないと思いました。私も未だに100%理解できた訳ではないのですが、大体こんな感じの状況だったらしいです。
息子は相手の子の前の席に座っていました。(2人とも黒板の方を向いている)英語の授業でディクテーションをしていて、作業の合間に息子が伸びをしたそうなのですが、その時に後ろの子が持っていたペンが当たったそうです。この説明で理解できる方いらっしゃいますか? 私は息子と相手の子に再現してもらってもさっぱりわかりませんでした(汗)。元々の状況が意味不明なので、先生の文章を読んでもよくわからなかったのは無理もないと思います。私は息子がエクソシストばりに仰け反らない限りこの状況は起こり得ないと思いました
そもそも仰け反った状態で傷を受けたということは、授業中しっかりと集中し、机に顔を埋めて勉強していたらこのようなことにはならなかったと思うので、息子にも少なからず非があったと思いました。ただ、相手の子も何故かペンを逆手に持って息子に向けていたそうなので、不慮の事故という訳でもなかったようです。私の中国語の理解力の問題もあるかもしれませんが、やっぱり意味不明…

先生は私の目の前でも相手の子を注意してくださったので、私からは「ペンとかお箸とか傘とか、先が尖っているものは人に向けたらダメだよ。もし目に当たったら目が見えなくなっちゃうんだよ」と言うに留まりました。先生からは、「この子は十分に反省しているように見えないし、普段から言うことを聞かないのでもっと叱ってほしい」と言われました
しかし、既に起こってしまったことはどうしようもないし、私から相手の子の親御さんがいない状況で必要以上に叱るのは弱い者いじめでは?と思いましたし、その子の普段の生活態度については私が口を出すことではないので、それ以上は言いませんでした。

相手の親御さんもすぐにいらっしゃるとのことだったので、息子には教室で宿題をさせて私は教室の外で待つことにしました。その間、主人に電話して状況を説明し、話をどうまとめるか相談しました。
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しばらくすると相手の子のお母さんがやって来ました。挨拶を交わし、相手の心理的負担を減らせればと思い「写真で見たよりはひどくないですね」と言ったところ、相手のお母さんも息子の傷を見て「うん。ネットで調べたけど引っ掻いた直後は少し出血するから。これなら2-3日で治るんじゃないかしら」と言ったので、
いやいやいや、テメーは謝れや

(ガラが悪くてすみません)
とかなりイラっと来たのですが、母親同士で喧嘩しても仕方がないと思って流しました。
we chatでは謝れるのに、なんで面と向かって謝れないんだ⁇ そっちの方が大事じゃない?現代っ子かコノヤロー、と思ったのですが、中国人はプライドが高いし私達日本人とは色々と違うのかも、と思いました。お母さんは自分の息子には再度謝るように促していました。日本だったら、もしこういうことが起こったら親も一緒に頭を下げると思うのですが…汗
ただ、「もし立場が反対だったとしたら、自分は相手のお子さんと親御さんに対してどんなに謝っても謝りきれない」と思ったので、やっぱりこれからお互いに気を付けるように言うしかないのかなとも思いました。
相手の親御さんと先生には、子ども達に安全意識、特に「自分がこういう行動を取ったら次はどのような危険なことが起こり得るのだろう?」ということを考える想像力を持ってもらえるようにお互い指導していきましょう、と話してこの話は終わりにしました。相手のお母さんは子ども達2人に仲直りの握手をするよう促しましたが、息子は拒否しました
こういうところは一体誰に似たのでしょうか。。。(^_^;)

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帰宅してから、私の対応は正しかったのか?わからなくてずっとモヤモヤしていました。このようなことはいつかは起こるかもしれないと思っていましたが、実際に対処するのは初めてでしたし中国人相手だとどう対応するのが正解なんだろうと考えていました。
具体的には、(一応)被害者の保護者として無駄に客観的すぎたのではないか、相手に対して優しすぎたのではないか、息子の利益を守る為(今後息子が虐められたりするのを防ぐ為)に演技してでももっと強い態度を見せるべきだったのではないか…等と悩みました。中国語を話す時の私は割とキレキャラなのですが、今回何故その短気さが発揮されなかったのか自分でもよくわかりせん。。。相手の子の消沈した様子を見たら怒りゲージが大幅に減ったのは確かですが。。。もし今回の件が日本の学校で起こっていたとしたら、自分の対応は(たぶん)正常の範囲内だったと思います。。。
その日の夜、相手の子のお母さんから「改めてごめんなさい」とwe chatでメッセージが来ました。だからなんで(ry
私からは、学校で話した内容と重複しますが「子ども達が楽しく健やかに成長することは私達の共通の願いです。子ども達が安全意識と(想后果的)想像力を持ってくれることを望みます。私も息子によく言って聞かせました」と返信しました。
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幸いなことに、息子の傷は既にかなり薄くなり、このまま順調に治癒すれば痕も残らないと思います。また、担任の先生は息子のことをとても可愛がってくださっていて、今回の件でも終始息子の味方をしてくださいました。
パパ先生は今週ずっと出張だったので、息子には私から「被害者にも加害者にもならないように生活することが大切」と言って聞かせました。
息子ももう8歳、大きくなったとは言え子どもの行動は時にこちらの予想の斜め下を行くので、、、これからも怪我をしない、させないようしっかりと監督しなければと思いました。息子〜元気で大きくなってくれ〜頼むぞ〜
おわし
↓今回の件で哲学者・中島義道先生の本を思い出しました。怒りを感ずる技術、怒りを育てる技術、怒りを表現する技術、相手に怒りを伝える技術、相手の怒りを受けとめる技術、そして怒らない技術について指南しているだけでなく、哲学書や文学作品、社会心理学やコミュニケーション論等様々な資料を紹介されていて大変勉強になります。かくいう私も読んだのは最初の大学時代で内容をけっこう忘れてしまっているので、久しぶりに読もうかな〜と思っております(〃ω〃)