※長文の上マニアックな内容ですみませんです\(^o^)/


先週の土曜日はイベントをやって、日曜日、疲れているけれど夜は友人主催のハロウィンパーティーに顔出そうかな〜〜?とか思っていたのですが、お昼頃本を読んでいたら、ふとこの日が半年以上前から楽しみにしていた京劇の上演日だったことに気が付きました。あぶねえええええ気付いて良かった((((;゚Д゚)))))))  まじハロウィンとか言ってる場合じゃなかった。行きそびれていたら1年くらい毎日後悔し続けたに違いない…。

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これまで京劇を見に行く際は毎回ネットで事前にチケットを購入していたのですが、いつも空席があった気がして今回は当日券を買えば良いと高を括っていました。しかし、逸夫舞台に着くと見たことのない人の多さでしたアセアセ  当日券はめっちゃ後ろの席しか残っていないと言われたので、タイミング良く声をかけて来たダフ屋のおじさんからチケットを購入しました。一番高い席を80元引で。お得なのかどうなのかよくわかりませんが、前から6列目の真ん中で、良いお席だったのは確かです(≧∇≦)  上演開始まではニセモノだったらどうしよう((((;゚Д゚)))))))という不安が拭えませんでしたが、最後まで問題なかったので良かったです。しかし、次回からはやはり事前にチケットを購入しようと思いました。

〈失街亭〉の冒頭では赵云马岱王平马谡その後诸葛亮が時間をかけて登場します。马谡はどの役柄なんだろう?と思っていたら净なんですね〜〜
诸葛亮が今回の主役なので登場時はこの日一番の拍手喝采でした。王平も人気でした。
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やたら神々しい司马懿に笑ってしまった。
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张郃  めっちゃ強くてかっこ良かったです!  でもなんか全体的にすごい色使いだと思いました、毒のあるいもむしみたいな(世界の张郃ファンに謝れ)
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西城の老兵がすごく良い味を出していました。本当にヨボヨボでヨレヨレで笑ってしまいました。これは诸葛亮も焦りますわ。空城计は創作ですが。。。
赵云の名前を聞いただけで逃げ出す司马师・司马昭にも笑いました。赵云どんだけ怖いねん∑(゚Д゚)  でもよく考えたら敵から見てこれ程恐ろしい相手も中々おるまい…  最後も赵云が締めたしやっぱり赵云はすごい赵云はかっこいい*\(^o^)/*  ミーハーですみませんです、グフフ。
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カーテンコールでまた普通の人出てきた♪───O(≧∇≦)O────♪  誰の役だか全然わからん!!と思ったらなんと司马懿役の方でした(≧∇≦)
この後诸葛亮役と司马懿役の方がアンコールで一曲ずつ唄ってくださいました。
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渡邉義浩氏著《「三国志」軍師34選》では、街亭の戦いについて次のように解説されています。
"諸葛亮の五回にわたる北伐のうち、最も勝機があったのは、第一次北伐でした。長安を直接攻めるのではなく、長安から涼州に至る道を遮断して、西域への道と異民族を掌握して、曹魏と戦う後方拠点を作るという発想は、予想もできない卓越したものだったからです。しかし、曹魏の明帝も英明でした。その危険性を察知するや、自ら長安に出鎮するとともに、対呉戦線から張郃を引き抜き、涼州の救援に向かわせます。皇帝自らがそれを行わなければ、対蜀戦線を任され、趙雲と対峙していた曹真の面子を潰すことになります。見事な対応です。それでも、張郃をくい止め、涼州を落とせば、第一次北伐は成功していたでしょう。張郃をくい止めるため、諸葛亮が選んだ場所は、街亭でした。"
この時諸葛亮は、孟達が司馬懿に滅ぼされたことにより漢中盆地から漢水沿いに東進して荊州西北部に出るルートを諦めざるを得なかった、そして漢中盆地から北上して雍州のある関中盆地に出るルートの中で斜谷道を選んだのは慎重な彼ならではの選択と思っていたのでこの表現は私にとっては新鮮でした。この方は諸葛亮のことを絶賛しているので、ちょっと贔屓目もあるのかもしれませんが。しかしこの広大な中国で約1800年も前にこれほど高度な軍事的駆け引きが行われていたと思うとすごくわくわくします。では何故馬謖を街亭に派遣したのか?街亭の重要性は調べるととても興味深いです。どんどん京劇の感想からズレてくるのでここでは割愛しますがアセアセ  諸葛亮が敢えて馬謖を抜擢したのは、自分の後継者として考えていたのもあると思いますが、彼が荊州出身の名士だったことも大きいようです(要するに派閥闘争の関係)。しかも彼が抜擢し育成した人材は尽く優秀だったので、まさか馬謖がこのタイミングでやらかすとは思わなかったんでしょうな。例えばここで魏延さんを先鋒に任命していたら、歴史は少し変わっていたかもしれない…
"何故馬謖は山頂に陣を敷いたのか?"という永遠のテーマについてですが、劇中の彼はこのように考えていたようです。

“街亭的形势,扶山带水,你我将营扎在山顶之上,魏军至此,或战或守,岂不是自便!(中略)
我在高山,贼在低处,多备滚木檑石,从上而打下,势如破竹,岂不是一战而成功!”
あとは“昔日韩信,背水一战,置之死地而后生”とも言っています。




副官の王平は優れた武将ですが、文字を10個くらいしか知らなかったそうなので、エリート階級出身の馬謖が王平の諫言を聞かなかったのはその辺りも関係している気がします。


それにしても、軍の指揮官が水源を守ることの重要性を理解していなかったというのがわかりません。よっぽどお育ちが良くて食べ物や飲み物に不自由したことがなかったとかそういう感じなのでしょうか…?
马伯庸氏は《三国配角演义》においてこの顛末を次のような設定で描いているそうです。“马谡发现城墙破败,难以作为屏障,只有选择山上扎营,同时派王平驻守水源,但王平不战而逃,恶人先告状,而费禕出于对马谡嫉妒,加上对诸葛亮接班人位置的垂涎,杀张休、李盛灭口,阻止马谡面见诸葛亮,与王平联手陷害了马谡。”  この設定ですと、いくつかの謎に説明はつきますが、今度は王平と費禕が黒い人に((((;゚Д゚)))))))   
京劇の世界では、诸葛亮の葛藤、马谡と诸葛亮がお互い慕い合っていた様子がよく描かれていたので、結末がわかっていても最後はやはりじーんときました。〈失空斩〉が名劇と言われているのは、やはりこのラストあってのことだと思います。

私は舞台やミュージカルを観れない体質(どうしても眠ってしまう)なのですが、京劇は不思議と大丈夫です。やっぱり中国の歴史や文化が好きなんだと思います。心の奥底の願望はたぶん、こちらの大学で好きな勉強をしたり、日がな一日本を読んで暮らすことなのですが。。。現実はベクトル的にほぼ真逆の生活を送っています\(^o^)/  
今回諸葛亮を演じた蓝天氏は、容姿端麗で歌声もとても素敵な方でした。次回は12月に《伍子胥》を演じられるそうです。伍子胥とは中々血なまぐさそうですが…都合がついたら観に行きたいと思います♪