先週、马超が主役の京劇三本立てを鑑賞して来ました。
三国志の京劇、一度観てみたかったのですよねえ。
こちらのチケットをネットで買う為に、支付宝まで登録してしまいました。欲望の力ってすごい。使い始めてから感じましたが、これ便利ですね。快的打车・滴滴出行・微信(支付)と並んで、あると上海ライフが捗りまくる神アプリだと思います。

一本目の<战冀州>は、马超が渭南で曹操に敗北した後(潼関の戦い)、羌族を率いて冀州を攻撃したものの、杨阜らに抵抗され、謀略によりこれを奪い返されたばかりか妻子を目の前で虐殺されてしまうという話でした。惨い…
二本目の<赚历城>は、悲憤に暮れつつ三百余騎を率いて历城に至った马超は、姜叙が凱旋して帰城したと嘘をついて城門を開かせこれに突入し、姜叙の母親に罵られたことに逆上してこの一族を皆殺しにするという話でした。ゲスい…
三本目<战马超>は、三国演義の中でも名勝負の一つ、马超と张飞の一騎打ちの場面を描いたお話でした。
内容は演義+正史+改変ありみたいな感じでした。
間違ってたらすみません。

{C457B85B-F83B-4B47-A040-63DEBE67AE04}


妻子を害された際、马超が三たび昏倒するシーンが印象的でした。身体を回転させながら仰向けに倒れたり、脚の位置を一切動かさず頭から仰向けに倒れたり(おそらくこれは「僵身」(僵尸倒)という荒芸だと思います、浅田次郎氏の小説『蒼穹の昴』からの知識ですが)、すごかったです。普通の人は頭怪我しちゃうよ、あれ。京劇の主役ともなると、倒れ方一つにしても何種類もの倒れ方を演じ分けなければならないのですね。しかも重厚な衣装+旗(靠旗)を身に付けていながらバック宙までするんですよ!  一体どれだけの鍛錬を積めばあのような技ができるようになるのかと考えると、役者さんを尊敬せずにはいられません。


庞德と马岱…  庞德は後に曹操の配下になってしまうのですが、この時はまだ马超と一緒にいます。いかにも強そう!  马岱は马超と同じ武生かな?従兄弟なので雰囲気が似ています。

夏侯淵…とにかくド派手! 強いしカッコ良かったです。

劉軍メンバー達…魏延吴兰雷铜はわかったけど、任奎って誰だろう⁇  诸葛亮と张飞は手を繋いだりして、仲良いなこいつらwと思いました。刘备はなんか上の衣装と下の衣装が合ってなくて、上下ちぐはぐのパジャマを着ているみたいに見えました笑  张飞は中国ではかなり人気が高いと聞いていましたが、登場時の拍手喝采は主役の马超の次に大きかったです。今回は準主役だったのもあると思いますが。

刘备と张飞…相変わらず仲良しです。この頃すでに関羽とは離れていて、死ぬまで3人で揃うことはなかったのですよね。切ないなあ。

马超と张飞…今回の目玉はなんと言ってもこの2人でしょう!   息をつく暇もない程激しい動きで剣戟を演じていました。一騎打ちのシーン自体もすごく長かったです。30分くらいあったかなあ。勝負がつかず、ナイターに突入するところは、提灯を持った兵士が舞台上を駆け巡ることで表現していました。そして夜戦では2人共鎧を解いて軽装で登場し、動きに更なる苛烈さが加わっていました。「俺は夜戦が一番好きなんだ!」とはしゃぐ(?)张飞はなんか可愛かったです。
最後は、一昼夜戦っても勝負がつかず、马超の勇を惜しんだ刘备が马超に語りかけるところで終わりました。これがまた唐突で面白かったです。

刘备  君のお父さんと儂は共に曹操を討とうと誓った仲だったんだよ(^O^)
马超  ( ゚д゚)
ーーー劇終ーーー

みたいな。

西遊記の時も思いましたが、京劇の終わり方はけっこう唐突な感じです。
そしてカーテンコールには更に笑わされました。
なんか普通の人いっぱい出てきたーーーー(≧∇≦) 
最初Tシャツ・ジーパン姿の男性が出てきた時、「監督さんかな?」と思ったのですが、地下鉄の中とかで見かけそうな普通のにーちゃん達が他にもぞろぞろ出て来るではありませんか!
一騎打ちのシーン以降は刘备张飞马超しか出ていなかったので、出番の終わった役者さん達は先に衣装を解いてドーランも落としていたようです。
誰が誰の役だか全然わからん!笑


{F8664116-1FB0-4086-A7DA-0B4AA05DFE8D}


いや~  別に夢が壊れるとかは全然ないんですが、役者さんのギャップに笑ってしまいました。
そうだよね、きっと京劇の衣装は重いし暑いよね。出番が終わったらすぐ脱いじゃうよね。

今回鑑賞した話は、登場人物も多いですしけっこう謀略とか裏切りとかがあるので、予備知識なしに鑑賞するとわけわからん状態になるかなあと感じました。
三国志ものは、次は秋頃に「泣いて馬謖を斬る」のあたりを上演するみたいです(逸夫舞台)。誰か一緒に観に行ってくれないかなあ~~