我が家に新しくやってきたティーボウルをご紹介します。
17世紀、ヨーロッパにお茶が運ばれたころ、一緒に運ばれた中国や日本の磁器のカップ。
お茶を飲むための湯呑には取っ手が付いていなかったので、その後ヨーロッパでアジアの物を真似て作るようになっても、お茶用のカップには取っ手が付きませんでした。
そのカップのことをティーボウルと言います。
ちなみにヨーロッパで1番最初に磁器の焼成に成功したのは、1710年ドイツのマイセンです。
もともとアジアから輸出する時には、ソーサーはカップとセットの物ではありませんでした。
ヨーロッパで勝手にセットにされたので、当時のソーサーにはカップを固定する窪みはありませんでした。
どころか、カップに入ったアツアツのお茶を一度ソーサーに移し、そこからズズズズっとお茶を飲んだ時代がありました。
王侯貴族もそうやって飲んだ時代があります。
今のソーサーより少し深さがあるので、液体を入れたくなるのもちょっとわかるかも。
1900年代初頭まではそんな風に使っている所があったみたいです。
私はオンラインでロシアの方のティータイムを拝見した時に、その中のお一人の普通のおじさんが普通にソーサーを受け皿にしてお茶を飲んでいるのを2021年に見たことがあります。
この時は驚きました!
地域によっては今もこの風習は残っているのですね。
この当時、ティーボウル、コーヒーカップ、ソーサーの3点はお揃いの「ティートリオ」
現在のティートリオはティーカップ、ソーサー、ケーキ皿の3点です。
時代で対象物が変わるのも面白いです。
このティーボウルが我が家に最近やってきた物です。
日本人らしき和装の女性が描かれていますが、背景の木が明らかに南洋の物に見えます。
どうやらベトナムで作られ、ヨーロッパに輸出されたティーボウルのようです。
「日本的な絵」が受けたのでしょうね。
現行品のティーボウルと言えば、ヘレンドで「オリエンタルカップ」と言う名で販売されていますね。
こちらも美しいですよ。
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