長崎が舞台の『外道忍法帖』

 

「わたしの言葉にそむいて、もし修羅の血をながすようなことがあれば、三百十三年後 … 教会の鐘が鳴りわたるどころか、この国の天に、最後の審判にも比すべき劫罰の雷火がひらめくであろう」

 そういって聖ジュリアンが殉教した寛永十年 … 一六三三年から三百十二年目、長崎の空に巨大な雷火が一閃した。すなわち一九四五年夏。