独断と偏見で選ぶ、山田風太郎忍法帖シリーズの番付
横綱と三役を発表!
——— 横綱 ———
◆柳生忍法帖(上)江戸花地獄篇 ☆☆☆☆☆
◆柳生忍法帖(下)会津雪地獄篇 ☆☆☆☆☆
花地獄と雪地獄、漆戸虹七郎・香炉銀四郎などの難敵、そして不死身のバケモノ芦名銅伯をどうやって倒す?
◆忍法魔界転生(上)熊野山岳篇 ☆☆☆☆☆
◆忍法魔界転生(下)伊勢波濤篇 ☆☆☆☆☆
二度の映画化。”剣技は生前と同一にして、魂は魔物”
風太郎忍法帖の双璧。登場人物やストーリー構成、スケールの大きさは別格、まさに横綱にふさわしい。なにより最初から最後まで抜群におもしろい。珍しく大団円の二作品なので、読書後も、”安心してください、正義は勝ちますよ!” の余韻が味わえる。
——— 大関 ———
◆忍びの卍 ☆☆☆☆
こちらも最初から最後まで、飽きることのないおもしろさです。私は『忍びの卍』がいちばん好きです。大奥の天井裏を徘徊する百々銭十郎、その後の筏織右衛門との決闘は何回読んでもゾクゾクします。
——— 関脇 ———
◆風来忍法帖 ☆☆☆
傑作 忍法八犬伝(南総里見八犬伝のオマージュ)とテイストは同じですが、オリジナルストーリー、より大きなスケール感で、本作『風来忍法帖』を選びました。主人公はふざけた七人の香具師ですが、読み進めるうちに感情移入できます。本作で風摩忍者というものを初めて知りましたが、登場する三人の風摩組もかなり手ごわいです。また、風太郎忍法帖シリーズ、数多くの女忍者とくノ一忍法の中で、本作上のお雁があやつる忍法 ”子宮針(こみやばり)” が、やられたら、一番痛そう~だと感じました。(*_*; いっぽうで、忍法 "通し矢の眼(とおしやのめ)” を決意するお燕はいじらしく感じました。
——— 小結 ———
◆銀河忍法帖(天の川を斬る) ☆☆
めちゃくちゃ強くてエロい "六文銭の鉄" は何者か?につきると思う。体を約束する女忍者朱鷺の素性、タイトル上の銀河? 天の川? なども今一つはっきりしないが、敵をバッサバッサと倒し、犯しまくる、"六文銭の鉄" の痛快な戦いっぷりが楽しいので、選びました。