第十作目

(あらすじ)

時は寛永19年(1642年)、悪逆の限りを尽くす暗君会津藩主加藤明成を見限った国家老堀主水は、一族を率いて会津を退転するという騒動を起こす(会津騒動)。明成は幕府の許可の元彼らを捕縛するが、それだけに飽き足らず、連行中に一族の女たちが匿われている男子禁制の尼寺東慶寺を強襲し、主水らの目の前で彼女らを惨殺する所行に及んだ。これを実行したのは「会津七本槍」と呼ばれる明成子飼いの家来だった。

騒ぎは寺の後見人である天樹院千姫の出現によって収められるが、助けられ生き残ったのは堀主水の娘、お千絵を始めとする7人のみだった。その後、堀一族の男たちは処刑されたが、残った7人の女たちは加藤明成及び会津七本槍に復讐を誓う。千姫はそれを後援するが、彼女はそれに男の手を借りることをよしとせず、あくまで7人の女たちの手によってなされるべしと考える。

しかし、敵たる七本槍はいずれもそれぞれの武芸に精通した達人ばかりで、そのままではとても彼女たちの手に負える者ではない…千姫に相談を受けた沢庵和尚は、反骨と無頼をもって知られる柳生一族の剣侠・十兵衛に堀一族の女たちの師範役を依頼する。おもしろい…としてその役を引き受けた十兵衛だったが、果たして彼は武芸の覚えすらない女たちに、恐ろしい武芸者たちである会津七本槍を討たせることが出来るか? そして、暗君・加藤明成に裁きを加えることが出来るか?

 

 

堀一族の女たち 7人

柳生十兵衛

 

VS

 

具足丈之進(会津七本槍)
鷲ノ巣廉助(会津七本槍)
大道寺鉄斎(会津七本槍)
司馬一眼房(会津七本槍)
香炉銀四郎(会津七本槍)
平賀孫兵衛(会津七本槍)
漆戸虹七郎(会津七本槍)

芦名銅伯