第十七作目

(あらすじ)

相次ぐ大名の改易に揺れる徳川家光治世。大老・土井大炊頭の近習・椎ノ葉刀馬は、内密に公儀忍び組査察を命ぜられる。伊賀、甲賀、根来三派の対立を憂い、最も優れた一派に絞ろうというのだ。各忍び組の代表となった忍者と対面した刀馬は、各々の奇怪な忍法に圧倒される。報告を受けた大炊頭が選んだのは、刀馬が最も低く評価した甲賀組であった。

苦汁をなめた根来の代表・虫籠右陣は、伊賀の代表・筏織右衛門を巻きこみ、将軍に再裁定を働きかけようとするが失敗する。追いつめられた両名は逐電、家光の弟駿河大納言徳川忠長に接触、これを扇動する。度重なる悲運を嘆く忠長は、すべては右陣と織右衛門の策謀とも知らず、ついに将軍暗殺を黙認する。

しかし、この企ては大炊頭に察知されていた。再度刀馬は、甲賀の代表であった百々銭十郎と共に将軍守護の密命を受け、幕府転覆を阻止すべく右陣・織右衛門に挑む。大奥、そして忠長が蟄居する高崎へと、二組の魔戦は続く。大炊頭の真意など知る由もなく…

 

 

◆虫籠右陣(根来忍者) 暗剣殺、ぬれ桜、針つばめ

 

◆筏織右衛門(伊賀忍者) 任意車、ぬれ車(任意車×ぬれ桜)、任意車七三分けバージョン

 

◆百々銭十郎(甲賀忍者) 白朽葉、赤朽葉