第二十一作目
世継ぎがいない13代将軍・徳川家定。老中阿部伊勢守は、性生活の秘書「医心方房内篇」を盗み、将軍の男性機能を改善しようと考える。朝廷に仕える典薬頭半井出雲守が秘蔵する秘書「医心方房内篇」。蘭医の弟子と7人の甲賀くノ一、半井家の娘と7人の伊賀忍者。両陣営による秘書争奪戦が始まる。
陽馬さま、驚かないで下さい。
先刻、あなたさまからこのたびの御用のお話を承り、雪羽は心臓をぎゅっとわしづかみにされたような思いがいたしました。
お望みの医心方は、わたしの家にあるのです。わたしはまだ読んだことはありませんが、それは門外不出の秘宝として、何百年もわたしの家に伝えられているのです。
~
けれど ― 結論から申しますと、医心方房内篇は、決して半井家の人間以外には渡すことはなりません。決して、決して、決して! 半井通仙院瑞策以来の血がわたしにそう命令するのです。
陽馬さま、わたしは急を告げに京へ馳せ帰ります。
~
それにしても、丹波陽馬さま、ああ、あなたとわたしがこのように敵と味方に分れましょうとは!
丹波陽馬サイド
甲賀くの一
☆お遊
☆お扇
☆お茅
☆お篠
☆お琴
☆お藍
☆お筆
VS
雪羽サイド
七人の伊賀者
◆狩川仁右衛門
◆木ノ目軍記
◆麻打助十郎
◆釜戸主膳
◆山寺杏兵衛
◆烏頭坂天八
◆俎墨之介