第二十四作目

「しっかりせよ。城助。それは一世一代、必死の泥象嵌によってみごと化けたが、見よ、お螢どのであるぞ! みちのくの果てで、もういちど紅白の籤をひこう。その大事な大事な褒美をとり落としてなんとする?」

若年寄(のち大老)堀田正俊は宮将軍を擁立せんとする大老酒井忠清を失脚・憤死に追い込む。それに伴い、酒井大老の手先であった伊賀組が追放され、替って堀田子飼いの根来(ねごろ)衆が公儀隠密に抜擢される。そして若き2人の根来忍者、秦漣四郎と吹矢城助が、隠密として不穏な噂のある大名の探索を命じらえる。だが、彼らが潜入すると、それぞれの大名家にも様々な事情や思惑があることが判り、2人は公平な視点で調査・報告をしようとする。ところが、各藩の領地には、堀田と根来組への復讐に燃える伊賀忍者たちが先行して潜入しており、執拗な妨害が続く。

秦漣四郎(主人公)、吹矢城助(主人公)、根来孤雲、お螢、…

忍法泥象嵌