燕は戻ってこない



第10話



ついに最終話です
衝撃の結末ヽ⁠(⁠(⁠◎⁠д⁠◎⁠)⁠)⁠ゝ


妊娠 34週  破水
NICUのある病院を探す
緊急に帝王切開
無事に生まれる
NICUに入っている
低体重だが問題なし





基「ありがとう、よくがんばって
くれた」
悠子「なんて言っていいのか
お疲れ様でした、ありがとう」

リキ「検査したんですか?」
悠子「基の子だった
2000g未満だけど、心配いらない」
基「自分の子だから、かわいいと
思えるのかな」

リキ
麻酔が切れて、猛烈な痛みと高熱
少しの安堵と寂しさ


帝王切開から3日め
りり子がきている
傷跡はケロイド状になるだろう
一生残る烙印
帝王切開の跡は自分の子なら
勲章になるけど

りり子「子どもを見て、欲しくなって、もっくんと復縁するらしいよ
腹立たないの?苦労して生んだのに
いいとこどりだよ」
リキ「私も自分の子って感じが
しない」
りり子「代理母でお腹切って取り出
されたんだから 自分でだっこして
お乳あげたら違うんじゃない?」
リキ「でも、当初の予定通り」
りり子「搾取されるだけされて
これから、どう生きていくの?
好きになった人にそのスティグマ
どう説明するの?」
リキ「ただ、人並みになりたいと
思ってた 人並みってなんなんです
かね」

4日め
1日2回母乳を搾る
痛くて体中の水分と栄養が吸い取ら
れる気がした

5日め
リキは明々後日退院予定
双子もそうかからないだろうと

悠子が来る
双子の名前を決めてきた
悠人 ゆうじん
愛磨 えま
悠子と基で考え、海外でも通じる名
にした
リキ「結局、悠子さんが母親に
なるのですか?」
悠子「リキさんを振り回して
ごめんなさい あの子たちを見た
途端、これまでに考えてきたことが
吹き飛んじゃって、あの子たちに
対する責任を私自身が果たしたい
復縁することにしたの 子どもの
ために強力し合わないと
基がリキさんに1年残って欲しいと
言ったこと、忘れてください」
離婚届を出す悠子
リキ「早いですね」
プランテが弁護士と一緒に作った
ものと言って誓約書も出す
リキ「嫌です、両方とも(離婚届は)
今すぐが嫌、まだ、こんなに痛いの
に、お腹の傷治るまで、私のこと
忘れて欲しくない(誓約書は)
なんで、ここまで、縛られなくちゃ
ならないの?これから先、お互い
どんな気持ちになるかわからない」
悠子「赤ちゃんはリキさんのこと
記憶ないし、私たちが親になるし」
リキ「2人とも同じように、お腹を
切って欲しい 代理出産は引き受け
たけど、こんなに痛いとは」
「ありがとうと言うけど、少しは
想像してくれていますか?命を
産み出すの 命がけだったのに
さっさとサインしろって
嫌がらせと思ってくれていいです」
悠子「ごめんなさい、今言うこと
じゃなかったわ、迷惑ばかりかけて」
リキ「悠子さん、なんで、変わった
の?あの子たちがそんなに欲しいの」
悠子「欲しいわ、基と私、今度こそ
本物の家族になれると思ったから
遺伝子検査をしたっていうのはうそ
検査はしないことに決めたの 
あの子たちを誰の子でも育てる」

悠子「血の繋がりなくてもいいと
決意してくれた これは私が置かれ
た立場なの このプロジェクトから
のけ者にされて、遺伝子からも血の
繋がりからも排除されて、苦しか
った 基は変わってくれた、血の
繋がりがなくても子どもたちを育て
るなら、私と同じ立場になる
私たち、初めて同じ船に乗れたの
今回のこと、感謝しています
子どもを産んでくれただけでなく
基を人間として、成長させてくれた」


7日め 退院前夜
双子たち、集中治療室から出て
初めて子どもたちと過ごす夜
涙ぐむリキ




退院日
基、悠子、りり子が来る
基「出生届け、出してきました
先日は失礼しました、事務的過ぎた
大石さんの気持ちを想像できなかった別の提案をもってきた、リキ
さんに寄り添った提案、2ヶ月手元
で育てて欲しい」
りり子「今度は乳母として扱う気?」





悠子「一刻も早く離婚したいと
いっていた、ビジネスライクに
進めたいと、どうして変
わったの?子どもの顔見たから?
母親になりたいと思ったの?」
リキ「違いますよ、お産が大変で
一生残る傷もおったし、二人にも
考えて欲しかった」
基「双子でしたからね
追加でお支払いします」
リキ「金額の問題ではない
いくら、もらっても、割に合わない
納得できない」
悠子「代わりに何をしたらいいの?」
リキ「せめて、わかってもらいたい
私は機械じゃない、機械のように
扱われたくないと思っただけ」
悠子「そんなこと」
リキ「これから、2ヶ月一緒に
子どもと過ごせるなら気が収まる
と思う」
基「2ヶ月後には別れて頂けますね」
リキ「はい」 
基「俺たちは毎日、会いに行きます」


2ヶ月後
動くものを目で追う
笑う
別れの日はすぐそこ


テルからラインがくる













この子たちは知らない
本当の名前はぐりとぐらだと
いうことを
あなたたちを産んだ母がいたことを
残るのは傷跡だけ


赤ちゃんの泣き声がうるさいと
りり子が入ってくる
リキ「りり子さんは絵を売りますよ
ね 作品は子どもと同じ?」
りり子「子どもを産んだことないからわからない」
リキ「芸術家って作品は我が子と
同じっていうじゃないですか?
そんな大事なもの、人に渡して
平気なんですか?」
りり子「私、そんな恥ずかしいこと
思ったことない 私の絵は子ども以上だから」
リキ「この世には子どもより大事なもの、たくさんありますよね
じゃ、なぜ、人は子どもを神格化
するんですか?杉本さんもこの子たちがこの世で一番美しいって」
りり子「そんなわけない、この世で
一番美しいのは春画でしょ、私に
なんて答えて欲しいの?」
涙が溢れてくるリキ
リキ「ごめんなさい」
りり子「産後うつだよ、ホルモン
のせい、薬飲んだ方がいい
人はホルモンの奴隷だよ」
リキ「大丈夫です、原因がやっと
わかりました、私が弱っていただけ
です」
りり子「リキちゃんが何かわかった
なら、それでいいよ」


そう、とっくにわかってた
あなたたち、本当にすごいね
もう、この世界で生きている
それぞれが一人の人間なんだ
私は私で機械にはなれない
心が叫んでいる
踏みにじられるな
奪われるな
人並みになりたいんじゃない
私は私でありたい

離婚届にサインと印鑑を押し
誓約書にサインし愛磨の名を消し
印鑑を押す



リキは悠人を抱き上げ
「ぐりは草桶のおうちでかわいがら
れるから大丈夫、バレエダンサー
になったら、見に行くからね
元気でね」
愛磨を抱っこ紐で抱き
「ママと一緒に行こうね
大石ぐらになるんだよ
女どおし、一緒に生きよう
クソみたいな世の中だけど
女はいいよ、女の方が絶対にいい
さあ、どこに行こうか
沖縄に行ってみる?ママの生まれ
た北海道?私たちは縛られない
どこにでも行けるんだよ」
悠人を残し、後ろ髪が引かれる思い
で、りり子の家を出ていく
交差点を歩くリキ
羽音とともに、消える




羽音とともに消えたリキ
題名の燕はリキだったのですね
燕は戻ってこない
リキは戻ってこないつもりなの?






最初にダメ出ししちゃいますが
双子以上の多胎児の場合
胎児がある程度、大きくなって
きたら、NICUのある病院に転院
させられます
私の場合、妊娠34週くらい?
はっきりとは覚えてないのですが
観察入院させられました
ですから、突然、破水して
NICUのある病院を慌てて探す
なんてことはないと思います
20年以上前の私の話ですが


最後の結末はもちろん
衝撃でしたが
悠子の心変わりがやっぱりな〜と
いう感じです
復縁しないと言っていたのに
復縁して、夫婦協力して子育てを
するという
はたから見ると、身勝手
自己中心的に見えます
もちろん、そうなんですが
私は、なーんか、共感しちゃって
夫婦が同じ条件のもと
子育てできる、同じ船に乗れる
私の不妊治療していた時の気持ち
が思い出されて、見ていて
涙が出てきちゃって
血の繋がりなんて関係なく
夫婦で親になれる喜びを感じる
悠子の気持ち、わかるな〜って
反感をかうかもだけど
あり得る心の変化かな?と


一方で、リキが、双子を前に
私のこと、わかる?って
問いかける場面、赤ちゃんが
わかるわけもないのに、虚しく
淋しく、悲しい気持ちになって
産みの苦しみを味わったのに
別れる運命に涙が出てきました
でも、リキの悲しみ、苦しみは
それだけじゃなかった

「私は機械にはなれない」
すべては契約どおりになり
子どもを渡して離婚して、お金
もらって、晴れて自由のはずなのに
釈然としない思い
子どもを産むだけの機械として
終わりたくないという思い
子どもの神格化、何より大切なもの
でも、これはビジネス
割り切って考えられたら
こんなに悩まなかったのに
むしろ、割り切った考え方ができる
人だったら、テルのように
平凡な幸せをつかむことができて
いるのかもしれないですね



この物語は登場人物によっても
見る人の立場によっても
考え方や思い、導く答えは
それぞれ違うものになるのだろう
と思う
答えは一つではない
正しい答えなんて、ないのかも
しれない


この物語で1番成長したのは基
でしょうね
わかっていたら
成立しない話だけど
血の繋がりが関係ないなら
里親でも良かったはずで
代理出産でなくてもよくて……
これは結果論ですが


なぜ、草桶夫妻は2ヶ月も
双子を預けたの?
長く一緒にいたら、愛情が湧くのは
わかるだろうと思う
2ヶ月で気が済むなんて思う方が
浅はかだが、他に良い手立てが
なかったのかな?
この、物語の結末には必要な
流れなのだが


『人並みになりたいんじゃない
私は私でありたい』
リキの出した、この結論だけは
正しいと思う
私であるために
自分らしく生きるために
そのためには
どうしたらよいのか?
もっと早く気づけたら
違う人生もあったと思う
ただ、代理母をしたことによって
それに、やっと気づけたのなら、
代理母も無駄ではなかったのかも
しれない
しかし、このドラマの結末に
おいては違う選択肢があったはず
機械にはなれない、だから
母親を真っ当したいということ?
リキの決断はいつも、感情的で
衝動的だ
代理母を受けるときも、
アラサーのリキが経験ないにしても、
出産が命がけで大変なのだと
わからなかったって!?
基のメールに怒って、2人と関係を
もつとか
2ヶ月一緒に子どもたちといたら
愛情が湧いて、離れられなくなる
のは理解できるし
機械になれないと思うのもわかる
でも、黙って、一人を連れて行く
のは理解できない
あまりにも衝動的過ぎる
自分のことをよく、見つめ直して
欲しかった
子育てを甘くみてる
今はお金はあるだろうけど
いつまでも続かないし
シングルで子育てするって大変
リキの実子とはいえ、草桶家の籍に
入っているのだから
このままでは小学校にも入れない
リキの軽率な行動が
愛磨を不幸にしなければ良いが 
育てたいなら育てたいで
基、悠子と話し合うべきだったと 
思うし
機械になれないから、という
理由はリキのつまらない
プライドでしかないと思う
連れて行かれた愛磨が
かわいそうと思うのは私だけ?
どうか、愛磨がリキのような人間に
ならないことを願う




ついに、最終回を迎えて
しまいました
ドラマ全体の感想なども
あとがきとして、また、書きたいと
思っておりますが
とりあえず、長い間、お読み頂き
ありがとうございましたm(_ _)m