こんにちは!




DIY Loop、既に米FDAに承認申請をだし、審査中ですね〜!

Diabetes connections podcastでのTidepool CEO Howard Lookのインタビューをまとめてみました〜 インタビューはこちら




Tidepool Loopとは?
インスリンポンプを使った自動注入システム、人工膵臓、ハイブリッドクローズドループと呼ばれているものです。

患者による#wearenotwaiting運動から生まれた文字通り草の根、手作りのDIY Loopは、2016年に始まりました。(私は2018年から使い始めましたよ!)

それをベースに、NPOのTidepoolが主導してTidepool loop という形でFDAに提出されたのです〜


いよいよ正式な商品として日の目を見る日が近づいてきています。











インタフェース

Tidepool が申請した製品版のですが、使い勝手は元のLoopとそっくりになるようにしたとのことです


見比べてみましょう〜

左: FDA承認申請中のTidepool Loop
右: DIY Loop(私が使っているやつ)
スマホだと上(Tidepool loop), 下(DIY  loop)と表示されるかも。



もちろんApple Watch対応。これも現行そっくり





Interoperability (FDAがつくったデバイス間の相互運用規格)
FDAは、他社のポンプとCGMと相互につながる仕組みを作りました。次の三つがあります。

1.CGM
iCGM (integrated continuous glucose monitor)

2.インスリンポンプ
ACE pump (Alternate Controller-enabled insulin infusion Pump)

3.コントローラ
iAGC (interoperable automated glycemic controller)


Tidepool loopは、コントローラのiAGCに準拠してます。したがってACEポンプとiCGM規格のデバイスとつなげることができます。


DexcomG6はすでに、iCGM規格に準拠しています。

メドトロニックとも連携するとのこと。

なので、日本でも将来、厚労省認可版のLoopも可能性としてはありうる〜(!?)

現行のDIY Loopで携行する必要のあるRileyLink(スマホのBluetoothとポンプの信号の変換器)も、不要になりますね。

Tidepool loopがiAGCになることで、好きなCGMとポンプの組み合わせがいつでも選べるようになるのです。

例えば、Tidepool Loopを、例えばMedtronicポンプとDexcomCGMの組み合わせで使い始めても、途中からOmnipodとDexcomとかに交換できます。モジュール的な発想ですね。


機能
基本的には現行Loopに準ずるとのこと。

Tidepool loopは、インスリンカーボ比やインスリン効果値など設定が必要とのことです。(つまり、AI、機械学習を採用しているbeta bionicsやdiabeloopとは違うということ)

インタフェースを見ると、画面下部に現行Loopにはない時計マークみたいのがありますね。これはトリートメントの履歴をみるのかな?(たしかに現行は一箇所にまとまってなくて見にくい)

食事も引き続き、絵文字で消化時間(ピザとか)を選択するのは引き続き同じだとのことです。

目標血糖値は自由に設定できるとのこと。(メドトロニックやTandemにはできないけど)Tidepool loopなら、例えば睡眠中は85ml/dLを狙ったりできます。

もちろんDIY Loopでは必須のRileylinkは不要となります。



配布
コントローラであるLoopアプリは、まずはiPhone、そのあとAndroid版も作る予定とのこと。

アプリストアでアプリをダウンロードする形で配布します。米国の場合は、診察で許可をもらって、それがアプリ利用には必要だとのことです。

海外展開も考えているとのことです。アプリストアだけなので、低コストで海外展開できますね。

Tidepoolは、NPOなのでできるだけ無料に近い価格設定にしたいとのことです。その方針が日本にどう影響あるかわからないけど。




治験なしで承認へ?!
Loopは、認可なしで、多くの人たちが長期間使ってきました。

そこで、FDAに提出したデータは、新しく治験を自前でやったものではなく、なんと実際のLoopユーザの追跡調査(loop observational study) の結果です!調査結果はこちら


かつて治験なしに、認可なしに勝手に使っちゃってたユーザのデータを提出したことがあったでしょうか?

#wearenotwaitingとは、患者が自身の身体をつかった社会運動。患者が頑張ってプログラミングして、ハードウェアを連携させ、ユーザ自らがでアプリをつくってきました。

その成果が、FDA公認の医療デバイスとして結実するというのは、ひかえめにいって画期的です!





感想
Loopは、AIの機械学習機能がない代わりに、ユーザの自由度が高い。多少の手間はかけてでもタイトなコントロールを求めるマニアユーザ向けの製品になりそうです!

対照的にbeta bionicsやdiabeloop など、より大衆向けの使いやすさを追求したAIの学習機能があるclosed loopほど、細かい設定ができず、柔軟性も低く、インタフェースも(残存カーボなど)情報が足りずブラックボックス化する傾向にある。

どちらかがいいかは好みなので、市場での棲み分けですね。

私は断然、あれこれ好きにいじらせてくれーぃというタイプなのでLoop大好きです!