(メールマガジン2010年1月から)
「リストラなしの「年輪経営」いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長」
(塚越寛、光文社、2009.2、@1400)
会社は社員を幸せにするためにある/木が年輪を重ねるように経営する

 米国の金融資本主義は、見直しが必要になっています。それは日本では御手洗・竹中・八代・小泉の「改革」の見直しに他なりません 
 
経済とは「経世済民」だそうです。「いざなぎ越え」の景気と言われながら、株主への配当が増える一方で、若年層の正社員比率は半分以下になりました。いかに「国民の生活を豊かにする」か。数ある経済指標も、この観点で見なければ「意味が無い」。
 衆議院選挙の結果、自民党連立から民主党連立へ政権移行する現在、金融資本主義の「会社は株主のためにある」という全く誤った考えを葬り去り、「会社は社員を幸せにするためにある」というまっとうな考えに立ち戻りましょう。「会社は株主のもの」で、株主の下に社外取締役、CEOが居て、その下に従業員が居るという考えは、社員を「奴隷・農奴」とするもので、そのくびき、鉄鎖を断ち切りましょう。
 そして日本の「これからの経済モデル」、国家目標は、「猛獣型資本主義・市場原理主義」から「富国有徳・修正資本主義」へ、明確に軌道修正することが必要です。

1 どんな本?
 著者は、肺結核で高校を中退後、入社した小さな「寒天(かんてん)」製造会社(社員十数名の零細企業)を、倒産させないように製品開発・市場開拓をする中で、「会社は何のためにあるのか」「会社にとって成長とは何か」考え、自分なりの経営哲学に到達する。「会社は社員を幸せにするためにある」「そして地域や社会に貢献する」(p12ーp15)という主張は、企業倫理という枠を超えて、社員研修で使う「100年カレンダーの中に自分の命日が必ず有る」「そこで何をするか」(p162ーp164)というという人生の達観に基づいている。
 なお著者はメジャーな賞として、2002年「日刊工業新聞社、中堅・中小企業の優秀経営者顕彰制度の最高賞、最優秀経営者賞」、2007年「社団法人中小企業研究センター、グッドカンパニー大賞の最高賞、グランプリ」を受賞した(奥付)。

2 米国金融危機
(1)米国金融危機は世界的に景気後退を招いて、多くの企業が業績悪化して取引先も社員も困ったが、発端になった大手証券・銀行等の経営者は億単位の報酬を手にしていた。
「本来あるべき姿」を見失って、「数字をもてあそんで生きているような人」を認めない(p3)。
(2)日本企業の99%が社員300名以下の中小企業で、従業員数では69%を占める。大企業ばかりが取り上げられるが、日本経済を支えているのは中小企業(p4ーp5)。

3 会社は何のためにあるのか
(1)「本来あるべき姿」は「社員を幸せにする会社を作って」「それを通じて社会に貢献する」こと(p4)(p15)。米国型の経営手法は、人を幸福にしない(p22)。
(2)「会社の成長」は「社員が前より快適(な職場)になった、前より幸せになったと実感すること」、「売上げも利益も、社員を幸せにする手段で、目的ではない」(p32ーp35)。
 「社員(引用者注:人)が幸せになる」会社を作る(p57ーp117)。
(3)人件費はコストではなく「会社の目的」(p58ーp61)。
 正社員から派遣社員への切り替え、非正規社員の首切りをして企業業績が回復しても、世の中の人は不幸になるという結果。例えば親族・友人で起業したら人件費は少ない方がいいとはならない、働いて報酬を得て幸せになることは起業の目的。利益を上げるなら、手っ取り早い人件費コスト削減でなく、労力を掛けて商品・サービスの付加価値を高めて、適正な価格で売る。
 リストラはどうにもならないときの最後というのは経営者の基本的な倫理観。
(4)「社員の幸せ度」、社会は価値観を変えて儲けランキングでない「新しい物差し」が必要。取引先、顧客、日本、世界の幸せへの貢献度(p178ーp181)。

4 社風の有り方・作り方
(1)会社は家庭のようなもので、食べ物が少なくなったと、誰かを追い出すことはない。家族の幸せを願うように、社員の幸せを願う経営が大切(p4)。
(2)「人の犠牲に立った利益は利益ではない」、利益の生み出し方と使い方、社員や仕入先に無理な要求をしない(人件費削減、悪い福利厚生・職場環境)(原価割れ納品)、商売の基本は双方が利益を得る「売り手と買い手が対等であること」、目先の利益でなく永続に価値を見出す(p36ーp39)。
(3)「利益至上主義」は「世のため、人のため」という企業の「本来あるべき姿」、道徳心・価値観の対極にある(p44ーp47)(p188ーp189)。
(4)「年輪経営」(p24ーp25)(p188ーp189)
(ア) 年輪は、その年の天候によって大きく育つこともあれば、小さいこともある。いい時も悪い時も無理をせず、低成長を志す。
(イ) 年輪は、幅の広いところほど弱い、逆に狭い部分は堅くて強い。最大の敵は急成長。
(ウ) 会社も若いうちは成長の度合いが大きい、年数を経ると成長の割合は下がるが、幹自体が大きいので成長の絶対量は増えている。
(5)本社敷地内を緑の庭園に整備して「苔むす会社(樹木・環境を大切にする、手入れ・掃除を行き届かせる、永続を心掛けて日々の仕事を大切にする)」を目指す(p48ーp51)。
(6)「ケチは悪循環の始まり」、人件費・福利厚生費・職場環境整備費をケチると社員のやる気・会社の活力が下がる。日本のGDPの6割を占める個人消費が落ち込めば、日本経済が減退していずれ会社の業績にも悪影響になる(p62ーp65)。
(7)老舗の知恵に学ぶ5条件(p74ーp77)
 「1 無理な成長はしない」「2 安いだけで仕入先を変えない」「3 人員整理をしない」「4 新しくより良い生産方法や材料を常に取り入れていく」「5 どうしたら客に喜ばれるかという思いを持ち続ける」
 正しいことを「継続」すれば力になる、製造技術・原材料・販売方法・経営手法を、時代に合わせて革新を重ねることで「継続」が達成される。
(8)社員を規則で縛ったりチェックしなければ、管理経費は安く済む(社員を信頼、性善説に基づく経営)。それには教育によって、経営者・社員が正しい心を持つこと(p94ーp97)(p154ーp177)。

5 会社経営の原則
(1)「社員を幸せにする会社」の経営にとって一番重要なのは「永続する」こと。永続できなければ、どこかで「社員の幸せを断ち切る」ことになるから(p15)。
「遠きを図る」経営戦略、二宮尊徳「遠きを図る者は富み、近くを図る者は貧す」(p20)(p23)。四半期ごとの決算は労力が掛かり、中長期的な取り組みが疎かになり、会社の経営にマイナス(p20ーp21)。
(2)経営とは「会社の数字」と「社員の幸せ」のバランスを取ること。「売上げ・利益拡大」を目的にすると、人件費・福利厚生費、地域貢献・メセナ活動を削ることが手っ取り早いが、本末転倒。最近の企業経営はバランスが崩れている(p16ーp17)。
(3)取引先に無理をさせて自社の利益を上げるのでは駄目、消費者を欺いた商売は駄目(p18)(p36ーp39)。
(4)「ブームで得た利益は、自分の力で儲けたものではないから、人様から一時的に預かっているもの」、預かっているものだから、将来必ず出て行く(p31)。ブームは「最大の不幸」、本当の利益ではない、「追い風を自分の実力と勘違いすると、取り返しのつかない事態を招く」、過大投資をしたりする、「難しいのは、フォローの中に居るのか、自分の力なのか、判然としない場合、多くはフォローの中」(p28ーp30)。
(5)「健康な会社」を作れば利益は出る。利益は目的ではなく健康な身体なら自然と出るウンチのようなもの。「バランスのいい会社(製造、販売、開発、財務、社員教育、地域貢献)」「血液のめぐりが良く、神経が末端まで発達している(社内の指揮命令系統が整って情報や指示が素早く回る、社員みんなが世の中の変化に敏感で素早く対応できる)」会社・事業の健康の度合いを増して次の人にリレーするように努力する(p40ーp43)。
(6)研究開発投資は維持し、「遠きを図る」経営を行う(p64ーp65)。
(7)目指す経営ができないから株式上場はしない(p98ーp101)
(ア) 売上げや利益でなく、社員の幸せが増えていく経営、そのために低成長を心掛ける「年輪経営」。企業には社会的責任があり、社員が快適になる・地域社会に役立つ投資をする、社会に貢献する。
(イ) 株式市場関係者や投資家は誰も「社員の幸せ」とは言わず、株価評価のために四半期・月次・日次の経営数字を求める。「遠きを図る」経営には3年ごとの決算でも十分。
(ウ) 株式公開で多額の資金を得られるが、意思に反した経営をしなければならなくなる。あまりにアメリカ的な「株主の利益優先」、社員の給料より株主への配当を重視する。リストラ策を出すと株価が上がる、社員を犠牲にして投資家の利益を守る。
(エ) 株主は本来、会社の理念や製品を評価して、応援しようと投資する。株価を上げて売り抜けるのはマネーゲーム。本末転倒。会社は「お金を得る道具」ではない。
(8)「理想の会社像」は動かさず「常に改革を行う」(p182ーp185)。
 継続とは同じことの繰り返しではない。毎年、新しい試み(経営手法、商品、技術)を加える。後継者には「改革する癖」を付けさせる。考える習慣が仕事に役立つ。
 原点は動かさずに、何年か先を見て仕事を進める。

6 会社経営のノウハウ
(1)「いい会社」を作るための10箇条(p52ーp55)
「1 常にいい製品を作る」「2 売れるからと作り過ぎない、売り過ぎない」「3 定価販売を心掛け、値引きをしない」「4 お客の立場に立った物作りとサービスを心掛ける」「5 美しい工場・店舗・庭作りをする」「6 上品なパッケージ、センスのいい広告を行う」「7 メセナ活動とボランティア等の社会貢献を行う」「8 仕入先を大切にする」「9 経営理念を全員が理解し、企業イメージを高める」「10 以上のことを確実に実行し、継続する」
 ブランド化(信頼ある企業が、信頼ある製品を作って、ファンを持つ)する、値切らず高い値段でも満足してもらえる製品を作る。
 適正価格での販売が、供給会社の利益を生み、社員(消費者)の購買力を高める、GDPの6割を占める国民消費が盛んになる。
(2)年功序列型給与体系(p66ーp69)
 安心感を持って仕事に臨める。個人や部署の業績も、長年培った会社の信用・蓄えた経営資源・周囲のバックアップの積み重ねの上であり、またその個人も誰かに育てられた。お金をぶら下げて社員を走らせるのは間違い。
 会社は運命共同体・家族で、それぞれ精一杯できることをやり、共同で責任を持ち、報酬も皆で分かち合う。会社は「一丸となって頑張る」時に力を発揮する。
 親がトンビでも鷹でも、子供には等しく教育を受ける機会を与える。結婚し子供を育て、40代50代の出費が嵩む。個人の暮らし振りを見ないのは短期的な考え方。
(3)社員のモチベーションを上げるのは「幸せ感」(p70ーp73)
 穏やかな人間関係の中で、自由にのびのびと仕事ができる職場。尻を叩かれたり管理されるのでなく、自分を律しながら、向上心を持ち目標に挑戦していく。職場環境や福利厚生制度を整えて幸せ感、安心感を持てるようにする。
 人は心の底では正義感を持っている。会社が「世のため人のため」になれば、頑張って働く。
(4)安いからと仕入先を変えない、信頼関係を築く(p74ーp77)
 こちらが相手を大切に扱えば、相手もこちらを大切に扱ってくれる。取引を始める前に、長く付き合える会社か、慎重に考える。原価を割る値引きは要求しない、共に長く繁栄できなければ商売とは言えない。
(5)「身の丈に合わない商売はやらない」(p82ーp85)
 目先の利益を求めて無理をすれば後々禍根を残す。背伸びをすると十分なフォローをできない。規模拡大のために特定の流通チャンネルだけを大きくすると、そこに頼ることになる。多分野の商品を開発し、生産拠点を分散させ、販売チャンネルも多様化させる、偏らないバランスの取れた経営。
(6)「たくさん売るより、きちんと売る」(p85ーp89)
 適正な利益を確保する。「良い物を適正な値段で売る」コストを割る値引きは商売を疲弊させて企業を永続させない。経営面の損失、資源の無駄を無くす、売れ残り・返品の無い販売を目指す。
(7)新商品を開発すれば、市場を創りシェアを持てる(p90ーp93)
 寒天の新しい用途を探す、ひとつの素材を深く掘り下げる「深耕」で、色々な業界と結び付いた。菓子、飲料、介護食、肥満改善食、化粧品、外食産業、医薬品メーカー。
 自社製作の独自な生産設備は、他社が商品を真似できない。メンテナンス、改善も早く、工場稼働率も上がる。
(8)「自分たちがいいと思う物を作る」(p102ーp105)
 「いい商品」とは「人々の役に立つ、幸せにする」と感じられる物。「人間のあるべき姿」を追っている物。新しい市場を開拓できる商品を作る、研究開発型の企業を目指して、種まきを継続する。
(9)経営戦略や商品開発は「進歩軸」と「トレンド(流行)軸」で考える(p106ーp109)
 人間が過去から未来へ「幸せ」や「理想」に近づこうと進歩する、流行は振り子のように揺れるから追い回し過ぎない。まず「進歩軸」に合致するか考え、「トレンド(流行)軸」にも乗ればヒットする。
(10)海外の協力工場とは共存共栄する(p110ーp113)
 寒天の原料になる海藻の粉末寒天の半製品を輸入。資本出資はせず駐在員は置かず、技術指導に短期出張する。できるだけ多くの人と会い、信頼できる人を探し、良い製品ができたら高く買うと、技術が向上する。相手が伸びるように協力すると、当社が欲しい物をきちんと作ってくれる。
 商売は商品の後ろに居る、生産・販売etcの人々が「信用」で結び付いていることが重要。
 明治時代に来日して技術を伝えた欧米の技術者のように、途上国の役に立つ。
(11)小さなことは大切なこと(p120ーp123)
 経営には即効薬は無い。「こういう会社にしたい」とビジョン・経営理念を描いたら、今できることからすぐに始める。少し良くなれば「もう少し良くしよう」と考え努力するのが人間。
 経営者は小さな現場さえ知っていなければならない「何が小さくて何が大きいか」小さなことは大切なこと。
(12)会社経営は「ファン作り」(p124ーp127)
 大きなビジネスも最後は1人対1人。1人の客を大切にしてファンになってもらう、その人が周りの人に伝える、マスメディアによる宣伝より効果的。仕入先、納入先、地域の人にもファンになってもらう。
(13)掃除は商売繁盛のコツ(p128ーp135)
 美しい場所に人は集まる、(手入れが行き届いた社屋に)安心感を覚える。社員が自分で掃除をすると気付きが増す、会社や事業に対する目が肥える、掃除はそれを行う人も磨く。職場環境が良く快適になり、工場の怪我が減り機械の稼働率も上がる。
(14)最良の生産性向上策は社員のやる気を上げること、経営はいかに皆の力を結集するか(p136ーp151)
(ア) 人はやる気になり体を動かせば数倍の能力を発揮する。まず知恵を出すことが先決で、それで設備投資も生きる。
(イ) 社員のモチベーション(年々幸せが増す実感、目標設定と達成感、宴会・社員旅行など楽しみへの補助、違う環境で見聞を広める教育)。人はやる気が起きると、仕事に追われるのでなく追うようになる。
(ウ) 社員の健康を守ると好い結果に繋がる(動機が正しいからうまくいく)。体を壊すような作業環境を改善する。
(エ) 情報を共有して共通理解を作る。数字の報告に限らずエピソードを話し合う中で会社の考え方や進む方向を合意形成する。コミュニケーションを良くする。

7 二宮尊徳
  「遠きを図る者は富み、近くを図る者は貧す、それ遠きを図る者は百年のために、杉苗を植う、まして春蒔きて秋実る物においてをや、故に富有り、近くを図る者は、春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず、唯眼前の利に迷うて蒔かずして取り、植えずして刈り取る事のみ眼につく、故に貧す」(p23)。

8 会社における教育(p154ーp177)
(1)二義的でない本当の教育は「人間はどう生きるべきなのか」「どう生きるのが正しいのか」を教えること。
 「幸せに生きる」ことが人生の目的であり、権利であり、義務でもある。
 「儲けることが正しい」でなく「利他」、「公に奉仕する」「人から感謝されること」。
(2)採用した社員を「立派な社会人」にすることは社会貢献でもある。
(ア) 「小さな立派」人に迷惑をかけない・・社員をリストラしない、取引先に無理を強いない
(イ) 「中くらいの立派」少しでも人の役に立つ・・経験を積んで身に着けた力を、人を助けるために使う
(ウ) 「大きな立派」社会の役に立つ・・社会を良くする
(3)100年カレンダーの中に自分の命日が必ず有る。新人研修で見せ、社内に貼ってある。
 人生は限りあるもの、一度きりをどう生きるか、頭と体を使ってできるだけのことをやらないと損。
(4)教育勅語(勅命、上意下達)は戦後否定されたが「親孝行、兄弟姉妹の友愛、夫婦の和、人格の向上、博愛の心」は守るべき規範。
 「基本の5S」整理整頓、清掃清潔、躾け(礼儀作法)
(5)「協調力」周りを思いやる気持ち、支え合う精神、高い日常の注意力
 机上で学んだだけの知識は実際の仕事では役に立たず、知恵(知識+経験)が必要で、同じ経験でも注意力があると多くの知恵を得る。
 「セレンディピティ」(研究開発等で)偶然に見つけ出す才能(掘り出し上手)、気付く力
 「常に改革を行う」ことが得意な人(p183)
(6)法令には「人々を幸せにする」という目的があり、運用解釈に幅が必要で条文違反を形式的杓子定規に問う「法令遵守」(コンプライアンス)には与しない。
(7)幼いときに貧しさ、病苦を体験して、人の痛み苦しみを理解し、情けや希望を持つ大切さが分かる、理屈でなく経験しないと分からない。
 「人間を大切にする経営をしよう」という強い決意を持てた。

9 引用者の考察:日本型価値基準/会社統治、国造りの価値観
(1)企業・会社統治について、「CI(コーポレート・アイデンティティ)」の復活・推奨
 CIは、少し前に企業で流行だった。民間会社で働く基本は営利追求なので、「社会との関係で何故働くか」という理由は自分で設定しないと無い。それが無いと、定型的業務(ルーティン)以外の部分、プラスアルファーが出て来ない。会社の共通の意識が無い状態になる。例えば食品会社が「金儲けの○○会社」でなくて「健康に貢献する○○会社」と会社の理念を出す。中期運営計画の改訂作業等の中で策定する。
【Corporate Identity 略称:CI
 企業が持つ特徴や理念を整理し、簡潔に表したもの。一般顧客からみて企業を識別できる、その企業に特有のもの。また外部に公開することでその企業の存在を広く認知させるマーケティング手法。基本要素は以下の3つから成る。「登記社名や商標」「シンボルマーク、デザイン化した文字列」「企業のキャッチコピー、経営理念を表す簡潔な言葉」。】
(2)国造りの価値基準・価値観について、「富国有徳・修正資本主義」
 「富国強兵」ではなく、世界に貢献する「富国有徳」、「人間は協力して生きるべきだ」。また資本主義を放任すれば「好況と不況を繰り返す」から、公共事業で需要を作り出したり金利政策、為替政策でいつも修正しながら社会が破綻するのを回避する他ない。結局、経済学上は、修正資本主義としてしか存続し得ない。
 方法論としての純粋資本主義はいち早く1929年(世界大恐慌)に破綻している。「見えざる手」の「神」は資本主義の修正(=修正資本主義)を人に命じたのだ。それは「他人を蹴落とす」ために命じたのではなく、「より多くの人が幸せになる(=諸国民の富)」ために命じたのだろう。

10 (参考、補足)引用者のWebサイト
(ア) 「究極の目標」http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/m-kyuukyokunomokuhyou.htm
(イ) 「米を食う虫、美しい明日」http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/m-utukushiiasu.htm
(ウ) 「市場経済の選択」http://www.hi-ho.ne.jp/t1997/m-shijoukeizainosentaku.htm