(メールマガジン2001年9月から)韓国中国映画。2001
用事の後に時間が空いて、気になっていた映画を続けて2本見ることができた。
ひとつは韓国の「反則王」、もうひとつは中国の「こころの湯」。

1 韓国映画「反則王」
最近、日本でよく見られた映画には、「シュリ」と「JSA」がある。「シュリ」は、南北対話が進む中で、それに反対する北の兵士が南に潜入して、南の治安機関と銃撃戦になる。「JSA」(ジョイントセキュリティエリア、共同警備区域)は、南北が対峙する板門店の兵士が、偶然顔見知りになり、そのうちそれぞれの歩哨任務のときに行き来して友人になるが、発覚して共に傷付く結果になる。
さて、「反則王」は、政治的な題材ではなく、どちらかと言えば喜劇だ。強いて背景を言えば、経済不況下で、金融機関、財閥が厳しい環境で競争が激しくなっていること。ダメな銀行員が、遅刻をすると上司にヘッドロックをかけられる。なんとか技を返して見返したい。昔、見るのが好きだったプロレスのジムに入り、楽しいのでけっこう真面目に練習をして、(興行上の必要から)反則レスラーとして試合に出てしまう。
主役は、前記2作にも出たソンガンホで、けいこをしたらしく、宙返りなどのプロレス技も自分で演じている。
韓国映画は、この喜劇だけでなく、政治的題材をもとにした前記2作も含めて、エンターテインメントとして成り立っているところが、感心する。昔でもそうだったが、新しい分野の文化では、非常にハイカラなところがある。
(東京有楽町、シネラセット)

2 中国映画「こころの湯」
中国は今、市場経済化(=資本主義化)しているところだ。市場開放は、上海など南の沿海都市から始まり、既に北京に及んだ。大きなホテル、ショッピングセンター、オフィスビルがたくさん建っている。
中国と日本の再開発で、違うのは、中国は土地、建物が国のものだから、再開発計画が決定すれば古い建物を軒並み取り壊して、大きな建物群を建てる。日本は、私有権が細分化しているので、地上げや、総合的な計画ではなくたまたま土地があったところに高層ビルが建ったりする。その裏には、低層の木造家屋が密集していたりする。
さて、「こころの湯」は、南で先端の仕事、生活をする息子が、北京で銭湯を営む父親のところに里帰りする。その銭湯は結局、再開発計画で取り壊しになるが、それで無くなるのは、ずっと住んでいた建物と、子供の頃から知っていたり、もめごともあれやこれや他人が関わりながら解決するような近所の人がばらばらに引っ越すことと、引っ越し先の中高層集合住宅ではそういう付き合いも無くなるということ。
父親と住んでいた下の息子は、知的障害があるが、銭湯では番台やらを手伝って役割があったが、住み慣れた場が無くなれば役割もなくなり、施設に行くか、他人と関わりの無い集合住宅の部屋にこもるか。
つまり、今起きていることは、人情や、弱い者や非効率的なものを切り捨てているということだ。
(東京日比谷、シャンテシネ)