そ9月20日 14時〜
青年劇場 新宿 紀伊國屋サザンシアター
教員である私は、てっきり教育現場と文部官僚、国会議員との、せめぎ合いが生々しく演じられるかと。しかし、それだけは残念至極。どちらかと言うと、政治風刺劇。安倍、そのパートナー、前川喜平などが、名を変え、しかしやることはそのままで、面白おかしく登場する。肩透かしながら、それはそれで面白い。
道徳の教科化が背景とはなっているが、やや中身は希薄。
2週続けて、同じ道徳の授業を見た。はじめの授業は、「かけがえのないいのち」。「何よりも大切なのは命です」と担任が子どもたちに熱く語る。そして2回目の授業。家族の急病の知らせを受けて、高速道路を制限時速を超えて走らせる。話し合いを経て、担任は「きまりはみんなの命や安全を守るために作られたものです。だからそれを守ることは、一番大切なことだね。」と、また熱い弁。小さな声で、子どもが「前の時間に、命が一番って言ってたけど」と呟いたことは気付いていなかったようだ。きまりは、与えられるものではない。その社会の構成員でよりよくしていくもの、そんな視点の欠落。
こんな道徳の授業を受けていく中で、鋭い子どもたちは、担任の顔色をうかがうようになり、自己の生活とは関わりなく、「お利口さん」の受け答えを。また純真な子は、きまりを絶対的なものとして、従順さを身につけていく。「変革」の視点のない学習である。 風刺劇はそれなりに楽しめたが、さらに道徳の欺瞞性に、現場の混乱に、どんな大人を育てていくかを、再び演劇にしてほしかった。
また、驚き、懸念したこと。サザンシアターはほぼ満席だったが、その約8割は私と同じ高齢者。高齢者は、反体制、革新的、などと喜んでばかりはいられない。若者が少ないということは、これから10年20年後、青年劇場には、ほとんど客が来なくなることが確かになるのではないか。今の世の中の縮図。
「青年」劇場に、青年が来るように、アイデアを出し合おうではないか。
ちなみに、私の姪の娘さんが、私の家に下宿を始めて半年になるが、純真の反面、政治にはまったく関心はなく、さらに読書もほとんどしていないと思う。単位をとるためにまじめに大学に通い、バイトに専念し、スマホを片時も離さない。たぶん、いまどきの若者の典型なのだろう。
世代を越えて語り継ぐことの大切さ、難しさを感じている。