2月の終わり頃
君が頻繁に背中が痛いと言って
僕はよく背中を撫でて過ごしたね
息子も撫でてくれたよね
主治医からご主人様にも説明との事で一緒に病院に行く事になったよ。。。
主治医は「黄疸や腹水も出て来てます、命の期限がこの1ヶ月先でどうなるかわからないです。緩和ケアをお勧めします」
君が「まだ息子の卒業式だって、旅行の計画して予約も済ませてるんです。それには行けますか?」
僕は一緒に聞いていたのに全然頭に入ってこなくて
どんどん目の前の視界が狭くなり、どうやって帰宅したのか記憶がないくらいだったよ
君も受け止め切れなかった様子
2,3日してセカンドオピニオンの先生にも診断してもらったけど同じ意見で
「こんなに転移があり9年間も治療出来たのは奇跡だと思うよ」と言われたね
絶望しかなかった
命の期限が1ヶ月
想像できない。。。
まだまだ君との約束もある
息子との約束もある
君は「息子に伝えなきゃいけない、でも私の口からは伝えたくないから貴方が伝えて」と
緩和ケアの先生に相談しながらだけど、僕も言いづらい
君との会話の中でさ、ドラマで親子が離れたシーンみても、「絶対無理!1ヶ月離れ離れなるのも嫌ーーー」
という息子、まだサンタさん信じてるくらいピュアだし何て言えばいいの?
息子も楽しみにしてた旅行や何から言えば・・・
まだ旅行は2週間先だけどタイミングみて言わなければ
君は実母、実兄姉、義母、同病の友達、親友と伝えて言ったんだね
僕はずっと胸が張り裂けそうで体の半分が重く、うまく笑えてるのか
うまく話せてるのか息できてるのかわからない
君の不安はもっと大きいのに、僕は本当に情けない
君に寄り添える事ができたのかな?
1週間先には卒業式と息子が中学に新入団したチームの試合を観戦する約束
それは君もめちゃくちゃ楽しみにしてたもんね、僕と君とで純粋に息子を応援できるから絶対に行く!と
目標や約束があれば1ヶ月先とか関係ないって!
君が言ったじゃないか余命や生存率とか関係ない
まだまだやる事いっぱいあるし、息子の成長見届けようよ