新曲候補「ラ・メール」の譜面をミューズスコア(譜面作成ソフト)に取り込みました。(リードシートだけですが)前々から演りたいと思っていましたが、転調しまくりの難曲であることを入力しながら改めて認識しました。まあ、ダイアトニックコードだけで成り立っている曲も退屈ですが・・・。

この曲は、シャンソンというよりもジャズスタンダードの「Beyond the Sea」としての名唱・名演奏で有名ですが、個人的には挿入曲として使われた次の映画二作が印象に残っています。


一作目は、ローワン・アトキンソン主演のミスタービーンシリーズ「カンヌで大迷惑」です。すったもんだの末、ようやく目的地のカンヌの海岸にたどり着いた場面からエンドロールに掛けて流れていました。歌は確か作者のシャルル・トレネ本人だったと思います。相変わらずのハチャメチャ映画で文句なしで笑えますが、カンヌ映画祭をシニカルに扱ったシーンもあって思わずニンマリしてしまいます。

 

 

二作目は、リドリー・スコット監督で松田優作の遺作となった「ブラックレイン」です。刑事役のマイケル・ダグラスとアンディー・ガルシアがレストランで昼食中、居合わせた日本のヤクザの幹部も笑談しながら食事を取っているというシーンで流れていました。そこへ松田優作扮する別のヤクザが現れると伴に琴や尺八といった和風テイストな曲に変わり、やがてドンパチが始まります。

初めて観た時は何も思いませんでしたが、海の彼方からやって来た新興勢力(日本のヤクザ)という設定を通して、経済摩擦という当時のリアルな日米関係を「「Beyond the Sea」で表現したのでは、と後になって勝手に推測しました。