赤井寅三 セラピー -2ページ目
 一面の彼岸花を見たくて、半田市の矢勝川(やかちがわ)に行ってきた。新美南吉が生まれた岩滑(やなべ)という町の北側、矢勝川の両岸の堤防に真っ赤な彼岸花の帯がブワーッと伸びている。
 その川のさらに北側には、権現山(ごんげんやま)という小高い山が見えた。彼岸花の脇に立てられてあった案内板によると、新美南吉の代表作「ごん狐」の「ごん」は、この権現山の「権」からとっているらしい。つまり、権現山のきつねだからごん狐、との名前の由来がわかった。
 
 ものの名前には大抵、その名前の由来があるはずだ。実は私は、名前の由来を勝手に推測する癖(趣味)があって、しっくり来る由来がわかると(または思いつくと)、これまた勝手に納得するのが大好きだ。そうなるとコーヒーもまた美味くなる。
 だから「ごん狐」の「ごん」の由来がその案内看板で知れた時、ああ、これだけでここへ来て良かった、と思えた。たとえ彼岸花が時季じゃなかったとしても、それを知れただけでも楽しめただろう自信がある。
 しかし、彼岸花はとてもきれいだったので余計に満足できた。
 …と思った。実は引っかかっていることがあった。
 
 「矢勝川」って何でそういう名前なんだ?
 「岩滑」で「やなべ」って、どこでどういう変遷でそんな読み方なんだ?
 さらにさらに、半田市の地図を見ていたら「成岩(ならわ)」「乙川(おっかわ)」「鴉根(からすね)」「滑楚(なめそ)」と、難解地名が出てくる出てくる!
 おおおおお、これはたまらん。興味と想像力が刺激された。どうしてそんな字で、どうしてそんな読み方で、どういう背景からそういう名前になったのか知りたい!
 
 これはまたじっくり時間をかけてでも調べよう、と思いながら名鉄の住吉町駅(ここはすぐ近くに住吉神社があるからこの駅名)まで歩いたら、これまた由来が知りたくなる床屋を見つけた。
 半田、恐るべし。
 
 

 
 
 
 
 
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 仕事でどうしても資料が必要なことがよくある。ネットで調べればある程度わかることも多いが、アナログ人間としては手元でいつでも見ることができ、ペラペラとめくりながら見られる本の資料が好きだ。もちろん、予算が限られているので何から何まで資料を買いそろえることはできないが、どうしても欲しい本があれば自腹で買ってきてしまう。
 おかげで正月にIKEAで買った書棚はもう満員だ。本好きとしてはごちゃごちゃになった書棚を眺めること自体が楽しくなってくる。本末転倒にも楽しさを感じられるっていうことは、悪いことではないと思う。
 
 先日は「名古屋のとあるコーヒー店」についてコラムを書く仕事があったので、またまた資料を買ってきてしまった(自腹)。確かに、ネットで調べたらいろいろとわかることも多かった。でも、ピンポイントで欲しい情報だけではなく、その欲しい情報を中心として同心円状に取り巻くあらゆる情報からものごとを調べようとしたら、ネットではわからないことが多い気がする。
 「A」というものごとを知りたいだけなら、ネットで「A」を検索すればいいだけの話。でも、「A」の一つ外側にある「B」という前提の存在にはネットでは気づきにくいのだ。「B」から派生した「A」と「A'」の違いを知りたい時や、「A」でも「A'」でもない別の派生事項があるのかないのかを知りたい時は、超アナログ人間の私には、ネットだと整理しにくくわかりにくいのだ。
 あああ、上手く言い切れないけど、まあそんないろんな理由やら感情やらがあり、どうしても本の資料に頼ってしまうことが多い。ここら辺は昔からこうだから、自分でも成長の見込みはないとあきらめているのだが…。
 
 本の資料は、その仕事が終わった後でも個人的に読み物として楽しめるということもあるからいい。「名古屋のとあるコーヒー店」を書くために買った資料が、今は名古屋のあらゆる古き良き喫茶店を巡るためのガイドブックとなって私の書棚に置かれている。おかげで最近はコーヒーショップよりも昔ながらの喫茶店が好きになりましたとさ。
 
 
 
 
 
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 よくある話だが、ある人が「ちょっと聞いてくれます?」と切り出した身の上話を、「ああ、よくある話ですね」と返してしまうと、そこでコミュニケーションが途切れてしまう。これは無粋で残念だ。
 
 実際に、とあるバーで小耳に挟んだエピソード。
 
男性客:
「今日ね、ぼくが出したアイディアをお客さんにプレゼンしたんですけど、それが採用されたんですよ」
マスターA:
「よかったですね。おめでとうございます」
男性客:
「それがさあ、企画会議の時はいろいろいちゃもんつけてきた部長がさあ、お客さんの前では手のひら返して、さも自分が考えたような面で振る舞うんですよ。すっごいドヤ顔で」
マスターA:
「ああ、よくある話ですね」
 
 また、別の日、別の店で。
 
女性客:
「今の会社、辞めようと思ってるんです」
マスターB:
「何か他にやりたいこと、あるんですか?」
女性客:
「私、イタリアが好きで、イタリアへ留学しようかなっておもってるんです。けど、彼がやっぱり日本を離れられないから、結婚とかどうしようかと」
マスターB:
「よくあるよくある」
 
 「…えっ!?おしまい?」と二回ともつい口に出してしまいそうになった。話、それで終わっちゃったじゃん!
 他人の会話を除き聞きしていたちょっとした罪悪感よりも、二人のマスターの「よくある話」という切り返しが気になった。こいつら、ひょっとして兄弟なのか?
 そしてその二例とも、話がそこから別方向へ行ってしまった。バーカウンターの会話だからそれはそれでいいのだけれど、端で聞いていた私がモヤモヤしていたぐらいだから、話していた二人のお客さんはもっと消化不良だったろうなあ。
 
 でもこれは、「人のふり見て我がふり直せ」だと思った。私も仕事上、人に会ってインタビューするし、会社やお店に行って取材をする。表面上の数値的なものよりも、取材相手の人となりも全部ひっくるめてわかった上での仕事をしていきたいので、たまたま居合わせたこの二件の「よくある話攻撃」を思い出してドキッとした。
 
 よくある話ほど、もう一歩踏み込んで聞くべきだと思った。阿川佐和子さんの「聞く力」にも似たようなことが書いてあったような気がする。読んだけど詳細は忘れてしまった。(←よくある話)
 
 
 
 
 
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 私は晴れ男だ。
 と、自負している。
 
 正確に言えば「雨にふられない男」だ。CMのディレクターをしていた頃は、雨で撮影が流れるということがほとんどなかった。ただし「連続20年以上オープン撮影で雨に降られた経験なし」という方にもお会いしたことがある。自慢気にそう言われてプライドが若干傷ついた。でも、世の中には、上には上がいるものだ。負けは素直に認めたいものだ。
 
 最近はオープンでの撮影の機会が減ったので、仕事の上で天気を気にすることよりも、自転車で出かけられる天気かどうかが大問題だ。季節は夏も後半。アブラゼミの季節にはおとなしく地下鉄移動することも増えたが、ツクツクボウシが鳴き始めると再びチャリ日和が多くなる。さらにヒグラシが出てくればもうチャリだらけの日常になるのだ。
 風は心地良くなり、日差しのジリジリが減り、アスファルトの照り返しが和らいだら、敵は雨だけになる。そこで、晴れ男の本領発揮だ。
 
 以前は朝のテレビの天気予報がメインで、あとは風の温度の違いや雲の色が天気の変化の情報源だったが、今ではiPhoneのアプリというとても役に立つアイテムがある。雨雲レーダーが30分ごとの予測を見せてくれるのは本当にありがたい。そういう時は電車沿いに走り、いざ降り出したら駅に駐輪して電車に乗ればいいのだ。輪行バッグを常備していない(家のどこかにあるはず)から一日駐輪しておいて、翌日取りにいかなきゃ行けないのが面倒臭いのだが、ビチョビチョになるよりずっといい。
 
 ということを書きたがったのは、この前の金曜日がチャリで帰宅後すぐにザーーーーッと降り出したからだ。
 街中でチャリに乗っていて、雨雲が南西方面から来ているのに気づいた。アプリで見てみると、確実に30分以内に降られることがわかった。本当は書店に寄るつもりだった予定を変更し、急ぎ気味でチャリ帰宅し、ぎりぎりで降られずに済んだ。
 どうだ、この「雨にふられない男っぷり」は。勝利の煙草が美味い。わははははは!
 
 
 
(※文中の『雨に』は『女性に』と変換せずお読みください)
 
 
 
 
 
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 アポを取ることの難しさを、体の芯から知った42歳の夏。
 
 この秋に発行する予定のとある出版物の仕事をいただき、今月に入ってからはそれに費やす時間が増えた。コピーライターとしての参加なのだが、難点なのは、出版物に掲載するお店に掲載のお伺いを立てて、その許可を得ることからが私たち(他にも数名のコピーライターが参加している)の使命だという点だ。
 すなわち、これって、「営業」なのだ。
 うわあああ、一番苦手な営業…。ついに来ちゃったか、といった心境だ。でも苦手分野の克服というか荒治療というか、私にとっては「鼻風邪を治すために滝に打たれる」ぐらいの超・荒治療がやってきた気持ちになった。
 まあこれも修行だと思って、請けることにした。「修行」という言葉がハナから自然に出てくるのは不自然には思わなかった。
 
 結果、わかったこと。
 アポを取るのって、本っっっ当に難しい。
 世の中の営業職の人たちって、すげえなあ。
 
 よく考えてみれば、営業職がなければ広告もできないし、美味しいものも楽しいものも世に知らしめることが難しくなる。いくらクリエイティブワークが素晴らしいものがあっても、それを営業して回ってくれる力が少なければもったいない。商人とは営業職のことだと思う。職人は、自ら営業力をつけるか、もしくは有能な商人とタッグを組む必要があるのだ。
 確かにネットで自分自身を営業できるという意味では、こういうブログもSNSも「営業職」のようなものなのかも知れない。でも、世の中を流通しているのはそんな個人的なこじんまりとした営業力ではなく、こんな真夏に出歩けて、電話で断られてもへこたれず、アポを取るための心理的手段も使いこなせるような、そんな逞しい力だ。かっこいい。
 
 そう考えると、昼間っから喫茶店でスポーツ紙を長々と読んでいたり、パチンコに入ったり、コンビニに停めた営業車の中で大口を開けて寝ていたりしている営業マンもいじらしく見えてきた。
 
 休憩が終わったらがんばりましょう。
 ぼくももう少しがんばります。
 
 
 
 
 
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