大大大先輩 | 赤井寅三 セラピー
 「仕事だからやりますけど」という言葉を時々耳にしたり言ってしまったりする。
 「本当はそんなことしたくないのにやらなきゃいけないから、渋々ですがやりますよ、仕事だから」という、やる気もモチベーションも地べたを這った状態。「仕事」というより「作業」。ささっと片付けて早く帰ろう。―――どんな職業でもそういう意識になる瞬間があるのではないだろうか。ありませんか?
 「でも、むしろその方が人間らしくていいのかも知れない」。
 「全ての行動に全精力を注ぎこんでいたら、疲れちゃうから」。
 「お金をもらえるんだから我慢しなきゃね」。
 …おおお、自分ながらすげえ。言い訳ならぶくぶくと湧いて出て来るぞ。
 
 って言ってる場合じゃない。やっぱり仕事は、できるだけの精力を傾けて真摯にやるべきだ、と改めて気づかされたのだ。それは、ある大大大先輩のお話を伺えるチャンスをいただいたことがきっかけだ。
 
 その大大大先輩とは広告業界の大御所と言える方で、日本人なら誰もが知っているだろう広告に数多く携わってこられた方だ。私はかつて講演を拝聴させていただいたことがあるので、ここでは「先生」と呼ばせていただく。
 先日開かれた、先生を囲む会に私を誘ってくださったのは、以前大変お世話になった恩義のある方なのだが、その方も先生を「師匠」と呼んでいらっしゃる。そんなハイレベルな集まりにこんな私が誘われたのだ。そりゃあ緊張もする。だらしのない恰好では失礼だ。仕事が終わった足で駆けつけるからそれほどラフではなかったが、出していた半袖シャツの裾をチノパンの中に押し込んで参加した。
 
 出たり入ったりの方を含めて14~5名ほどの参加者の中で、私は若い方から二番目だった。錚々たる先輩方の和気あいあいとした表情からも、先生がいかに慕われて尊敬されているのかが伝わってきた。
 先生の良く通る声で語られる数々のエピソードは、もう私ごときがこの場にいてもいいのだろうかと思うほどとてつもなく、テレビで「プロジェクトX」や「情熱大陸」を観ているような気分に近かった。とは言え、それは単なる自慢話などでは決してない。先生のお話を聞いていて強く感じたのは、紛れもなく、広告主と広告に対する愛だった。
 広告主を真っ直ぐ見つめ続けて仕事に取り組む姿勢。広告主がこれまでどういう歩みを経て今存在しているのかを先生自ら紐解き、社会における存在意義を浮き上がらせる。先生がアウトライン化させた企業としての輪郭は、広告主本人すら気付いていなかった姿だったりもする。だから、完成された広告にロマンと情熱とメッセージが宿り、時代も越えていくのだ。
 
 やっぱり仕事というものは、真正面から向き合ってなんぼだ。
 尊敬できる方の存在は、自分がこれから歩む道を何よりも明るく照らしてくれる。恥ずかしくない生き方をしなくちゃあな、と思い直した。
 
 
 
 
 
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