殺戮ノイロォゼ -2ページ目

きおくのはなし

わたしの記憶は、ケロイドになった右手から始まり、亡くなったわたしで終わる。





もともと煙草を吸っていた。もともと火が怖かった。

煙草に付けた火が怖くて、煙を吐き出し始めたそれを落とした。




クッションが燃えた。右手でそれを消したら傷が残った。

それは三年前。


クッションが燃えた。それを消す事が出来なかった。私に燃え移った。

それは今日。




怖くて怖くて怖くて怖くて。

蹲ったままじっとしていたら、何時の間にか立派な焼死体の出来上がり。








そのあとがどうなったかなんてわたしにはわからない。

だってわたしは焼死体だもの。











おわり

はねのはなし

背中しか映っていない写真に羽根を描きいれた。

白いペンのみで描きいれた。





元来、人間はそういうものだろう。

元来、自分の持っていないものにあこがれる。





空を自由自在に飛べたら、なんて。





叶わない夢を見ることが愚かなことだなんて知っている。




空想は空想でしかない。

妄想が現実に変わることなんてない。









羽根を描きいれたから。この場所から飛んでみよう。

(地上一四メートルから飛び降りた少女が……)















おわり