きおくのはなし
わたしの記憶は、ケロイドになった右手から始まり、亡くなったわたしで終わる。
もともと煙草を吸っていた。もともと火が怖かった。
煙草に付けた火が怖くて、煙を吐き出し始めたそれを落とした。
クッションが燃えた。右手でそれを消したら傷が残った。
それは三年前。
クッションが燃えた。それを消す事が出来なかった。私に燃え移った。
それは今日。
怖くて怖くて怖くて怖くて。
蹲ったままじっとしていた ら、何時の間にか立派な焼死体の出来上がり。
そのあとがどうなったかなんてわたしにはわからない。
だってわたしは焼死体だもの。
おわり
もともと煙草を吸っていた。もともと火が怖かった。
煙草に付けた火が怖くて、煙を吐き出し始めたそれを落とした。
クッションが燃えた。右手でそれを消したら傷が残った。
それは三年前。
クッションが燃えた。それを消す事が出来なかった。私に燃え移った。
それは今日。
怖くて怖くて怖くて怖くて。
蹲ったままじっとしていた ら、何時の間にか立派な焼死体の出来上がり。
そのあとがどうなったかなんてわたしにはわからない。
だってわたしは焼死体だもの。
おわり
はねのはなし
背中しか映っていない写真に羽根を描きいれた。
白いペンのみで描きいれた。
元来、人間はそういうものだろう。
元来、自分の持っていないものにあこがれる。
空を自由自在に飛べたら、なんて。
叶わない夢を見ることが愚かなことだなんて知っている。
空想は空想でしかない。
妄想が現実に変わることなんてない。
羽根を描きいれたから。この場所から飛んでみよう。
(地上一四メートルから飛び降りた少女が……)
おわり
白いペンのみで描きいれた。
元来、人間はそういうものだろう。
元来、自分の持っていないものにあこがれる。
空を自由自在に飛べたら、なんて。
叶わない夢を見ることが愚かなことだなんて知っている。
空想は空想でしかない。
妄想が現実に変わることなんてない。
羽根を描きいれたから。この場所から飛んでみよう。
(地上一四メートルから飛び降りた少女が……)
おわり