蹴球力 | 真っ赤な空を見ただろうか -ポーランドより愛を込めて- inアメブロ

蹴球力

ルームメートの、イヴァンが帰国して、新たなルームメイトがやってきました。

ベラルーシ出身のヴァディム君です。

ベラルーシと言えば、アレクサンドル・フレブじゃん!
って言ってみたら完全に知らない。

そんな感じで、人と仲良くなるのは難しいなと、へこむ毎日でした。
愉快なレバノン人も帰国し、いよいよポーランドの冬が到来かと、思っていました。

で、こんな俺にも唯一の残された趣味というか、好きなもの、それがフットボールだったのです。

今夜、EURO2008の予選があって、ポルトガル対ポーランドというグループ最大の大一番がありました。

寮の隣の、バーみたいなスタジオでパブリックビューイングがあるらしく、特に週末の予定のなかったさみしい僕は、心待ちにしとったわけです。

研修生のウクライナ人とセルビア人と3人で見に行きました。

で、試合開始

先制点はなんとアウェイのポーランド。

バーは大盛り上がりです!

でも、後半に立て続けに2点取られて逆転されてしまいました。

正直言うと、僕の心は何も考えていなかったというか、全然感情移入ができなかったんです。試合開始から。

なぜかというと、その会場にはポーランド人しかいなく、外人の僕らは盛り上がりようがなかったわけです。
しかもアウェイの試合。
向こうにはデコ、シモン、Cロナがいるし。

で、逆転された時点で本当に、ああ俺は一人なんだなってセンチになっちゃったわけなんです。

で、何の心もないまま、ボールをただ目で追っていました。

ポーランド代表に、本当の意味で知っている選手なんて、ほとんどいません。

ウイイレで、クジヌヴェクをとったことがあるくらいでした。

そのクジヌヴェクも、得意の左足は全く精度を欠き、ああこいつはリーセのフェイクかって酷いことを思ったりしていました。

ああ、とりあえず負けちゃったら雰囲気悪くなっちゃうな~って思ってました。

しかーーーーし!

残り5分!

ボールを奪ったポーランドは前線にクリア、それをキャプテンのクジヌヴェクが持ち前を向いたら即シューーート!

バーに当たってリカルドの背中に当たってゴーーーーール!

周囲のポーランド人も絶叫!

ハイタッチの嵐でした!

帰りに、目のあったポーランド人とも握手し、やっぱりフットボールって、国境、言葉、歴史、海、山、時間を超えて行くもんなんだ、すごい力があるんだって感じました。

フィールドにいるのは、一人じゃないんだって、本当に感じました。

とりあえず、ボールは友達なんだ!