今週はお盆を含む週ですから、昨日今日あたりで帰省ラッシュで故郷に戻って来ている方も多いのではないでしょうか。昨日は東京から帰省した高校の同級生たちといろいろと語る機会がありました。それぞれの近況や他の仲間の情報、そして各自の仕事の話などで有意義な時間を過ごせました^^;皆、場所や職種は違えどそれぞれ頑張っていて、私も負けていられないと奮起する元気をもらった気がします。これから5年・10年と過ごしていく中で、未来の自分が一体どうなっているのか想像もつきません。しかし、私のブログも【希望ある未来へ】というタイトルにしたのも、もともと【希望】という言葉が好きで、皆が希望の持てる社会にしたいという想いで活動しているからです。
このところ広島、長崎と戦争による惨禍の話題が続き、明後日には終戦記念日を迎えます。こういった中、それに関連して明日、NHKBS-1である番組が放送されると聞きました。その番組とは「戦火のダービー~名馬クリフジに乗った幻の騎手~」という番組です。その幻の騎手は、私の住む八戸市、その是川地区出身の故・前田長吉騎手でした。2006年に旧ソ連のシベリア収容所から見つかった遺骨の一人がこの故・前田長吉騎手だと分かり、地元紙で取り上げられていたのを鮮明に覚えています。
クリフジと言えば、その戦績は11戦11勝と全勝、格式の高いクラシック戦線でも、現在の日本ダービー、オークス、菊花賞と現在から見れば変則ではありますが三冠を達成した、競馬界ではその名を知らない者はいないくらいの伝説の名馬です。そのクリフジに騎乗し、現在でも破られていない20歳3ヶ月の史上最年少記録でのダービー勝利を飾ったのが故・前田長吉騎手でした。
前田長吉騎手に関しては、出征後の詳細が分かっていないということで、その取材をなさっていた方が前田騎手のご親戚から「競馬・畜産関係者であり、当時の八戸市長であった山内亮(私の曽祖父)が駅まで見送りに来た」という話を聞いて、何か資料が残っていないかと私たちの家や親戚の家に取材に来たそうです。残念ながら資料は残っていなかったとのことですが、曽祖父も生まれは八戸市の是川(当時は三戸郡是川村)ですし、同郷の人に対する想いや馬を愛した曽祖父ですから、何かしら縁はあったのではないかと思います。
前田騎手がクリフジでダービーを勝ったのは太平洋戦争最中の1943年、その翌年には軍隊からの召集命令が来て入隊、満州へ出征して戦後捕虜となり、弱冠23歳、シベリアの地で死没したと伝えられています。所属していた尾形厩舎の尾形師も、前田騎手の騎乗センスや技術、人柄には高い評価を与え、【戦争に行っていなかったら、戦後を代表する騎手と肩を並べていたかもしれない】と失われた才能を惜しんだそうです。
23歳と言えば、現在なら大学を卒業して社会人一年目という方も多いでしょう。働いているにしても、最前線の現場でバリバリ働ける年齢です。私も大学を卒業して1年目の歳に、そういった境遇になれば、目の前が真っ暗になると思います。突然の赤紙が来ての軍隊入隊、それから前田騎手の輝ける未来は奪われてしまいました。特に将来を嘱望されていた存在、前田騎手以外にも野球史上伝説の投手・沢村栄治投手も同じ頃に徴兵され、27歳で戦死してしまっています。
戦争が多くの人々の未来を奪ったという事実は、決して私たちは忘れてはいけないと思います。明日8月14日(水) NHKBS-1 22:00~22:50、戦火のダービー~名馬クリフジに乗った幻の騎手~を視聴して、私も青森県八戸市の同郷として誇りに思える先人、そして同じように馬に関わって過ごしていた先人のことをもっとよく知りたいと思います。戦争の悲惨さを二度と繰り返さない為にも、そして特に将来の日本を担う若い世代が二度と希望を奪われることのない社会を構築していけるよう、多くのことを学んで未来へ生かして行きたいと思います。